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大お見合い大会 2
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「コルネリア様。私、ゼバルド伯爵家のアルッティと申します。ぜひお見知りおきを…」
「ゆりあーねちゃん、ぼくはどなーとです。よろしくおねがいします!」
「パーリズ子爵家の長男のルーフィーです。ぜひ2人でゆっくりとお話を…」
「…僕の名前はコーベルトです…6歳です…」
「お飲み物をどうぞ、コルネリア様。今度、是非ともお邸をお伺いしたいのですが…あ、私の名はラウレンスと申しまして…」
アルテアン侯爵家の美人姉妹と名高いユリアーネとコルネリアは、2人で手を繋いで結構隅っこの方で目立たない様にお喋りしていたのだが、この場に集まった若人達がそんな2人を見逃すはずもなく、あっと言う間に周囲に人だかりが出来た。
集まった若い子息令息たちは、どうにか2人と仲良くなろうと…あわよくば婚約者候補と認めてもらおうと、必死になって話しかけていたのだが、そのどれにも2人はにこやかに微笑み会釈するだけだった。
実は、このお見合い大会が開催されると聞き、そこに2人は絶対に参加しなさいと母であるウルリーカから指令が下ったあと、コルネとユリアはこっそりと2人だけで話し合っていたのである。
無論、この大会における対策を…である。
実は、婚約に前向きなウルリーカと違い、コルネもユリアも結婚や婚約には全然興味がない。
それどころか、最近は面倒だとも思い始めていた。
何故か?
それは、つい最近まで…母の出産まで滞在した実兄であるトールヴァルド邸での出来事が大いに関係している。
戦争の英雄として伯爵位を賜り、実質的なアルテアン商会のトップである兄は、色々と抜けている所も多いのだが、それでも2人が接する他の子息や令息と比較にならない程に良い男である。
頭の回転は速いし、見目も良い。
女である自分達に戦うための装備を与えてくれたという点も、ポイントはかなり高い。
自分達の為に美しい妖精族を生み出し、護衛としてつけてもくれている。
そして、前世の記憶を持ち、生まれてよりこれまでそれによって苦悩していた事も聞き及んでいる。
さらに付け加えれば、そんな兄の…いや、この世界を滅ぼしかねない真の敵の話まで聞いているのだ。
誰よりもいい男であるトールが身近に降り、こんな不安定な状況で、とても結婚など考えられるはずない。
兄は5人の妻を持っている。つまりは義姉が5人居ると言う事。
義姉達は、2人の事をそれはそれは可愛がってくれる。
なので、その妻達の内の2人が身籠ったと聞いた時は、それは小躍りするほどに2人は喜んだ。
だが、だからと言って、自分が誰かと結婚して子供を産むなど、今の2人には到底考えられない。
兄よりも良い男が結婚相手に求める条件であり、結婚する時期はこの世界の真の敵を倒した後。
2人はこのお見合い大会に臨むに至り、そう話し合って心に決めていたのだ。
なので、この場では当たり障りのない様に気を付けながらのお喋り程度でとどめ様と話し合ったのだ。
とは言え、そんな事とは知らない同世代の大勢の男子達は、両親から色々と厳命されているからと言うわけでなく、2人の美しさに夢中になり、寡黙で神秘的な微笑みに全員が夢中になってしまい、こうして姉妹を中心とした我が作られる事となったのだ。
まあ、お見合い大会と銘打っているのだから、他のご令嬢も沢山参加している。
この日の為に着飾って来ているご令嬢が独りぼっちでいる状況になるなど、コルネもユリアも許さない。
一言も話もせずに無視する様な男性は嫌いです…暗にそう話す事で、徐々に2人を取り囲む輪は崩れ、そこかしこで会話を楽しむ男女が見られるようになった。
会話も弾み(コルネとユリアはほとんど会話していないが…)場も盛り上がって来た時、それは唐突に起きた。
誰が最初に気付いたのかは分からないが、不意に練兵場に影が差したので空を見上げた者が悲鳴を上げたのだ。
最初はその悲鳴の元となった誰かを探して全員が周囲を探していたのだが、やがて一人また一人と空を見上げて固まった。
その頃には、コルネとユリアも、少し離れた所で成り行きを見守っていたヴァルナルもウルリーカも、それどころかこの場の警護についていた騎士や衛士達…そして王城から練兵場を見ていた王族たちもが、その異変を目にする事となった。
誰かが気付いて悲鳴を上げた異変。
それは空いっぱいに広がった、一面の青い何か…だった。
「ゆりあーねちゃん、ぼくはどなーとです。よろしくおねがいします!」
「パーリズ子爵家の長男のルーフィーです。ぜひ2人でゆっくりとお話を…」
「…僕の名前はコーベルトです…6歳です…」
「お飲み物をどうぞ、コルネリア様。今度、是非ともお邸をお伺いしたいのですが…あ、私の名はラウレンスと申しまして…」
アルテアン侯爵家の美人姉妹と名高いユリアーネとコルネリアは、2人で手を繋いで結構隅っこの方で目立たない様にお喋りしていたのだが、この場に集まった若人達がそんな2人を見逃すはずもなく、あっと言う間に周囲に人だかりが出来た。
集まった若い子息令息たちは、どうにか2人と仲良くなろうと…あわよくば婚約者候補と認めてもらおうと、必死になって話しかけていたのだが、そのどれにも2人はにこやかに微笑み会釈するだけだった。
実は、このお見合い大会が開催されると聞き、そこに2人は絶対に参加しなさいと母であるウルリーカから指令が下ったあと、コルネとユリアはこっそりと2人だけで話し合っていたのである。
無論、この大会における対策を…である。
実は、婚約に前向きなウルリーカと違い、コルネもユリアも結婚や婚約には全然興味がない。
それどころか、最近は面倒だとも思い始めていた。
何故か?
それは、つい最近まで…母の出産まで滞在した実兄であるトールヴァルド邸での出来事が大いに関係している。
戦争の英雄として伯爵位を賜り、実質的なアルテアン商会のトップである兄は、色々と抜けている所も多いのだが、それでも2人が接する他の子息や令息と比較にならない程に良い男である。
頭の回転は速いし、見目も良い。
女である自分達に戦うための装備を与えてくれたという点も、ポイントはかなり高い。
自分達の為に美しい妖精族を生み出し、護衛としてつけてもくれている。
そして、前世の記憶を持ち、生まれてよりこれまでそれによって苦悩していた事も聞き及んでいる。
さらに付け加えれば、そんな兄の…いや、この世界を滅ぼしかねない真の敵の話まで聞いているのだ。
誰よりもいい男であるトールが身近に降り、こんな不安定な状況で、とても結婚など考えられるはずない。
兄は5人の妻を持っている。つまりは義姉が5人居ると言う事。
義姉達は、2人の事をそれはそれは可愛がってくれる。
なので、その妻達の内の2人が身籠ったと聞いた時は、それは小躍りするほどに2人は喜んだ。
だが、だからと言って、自分が誰かと結婚して子供を産むなど、今の2人には到底考えられない。
兄よりも良い男が結婚相手に求める条件であり、結婚する時期はこの世界の真の敵を倒した後。
2人はこのお見合い大会に臨むに至り、そう話し合って心に決めていたのだ。
なので、この場では当たり障りのない様に気を付けながらのお喋り程度でとどめ様と話し合ったのだ。
とは言え、そんな事とは知らない同世代の大勢の男子達は、両親から色々と厳命されているからと言うわけでなく、2人の美しさに夢中になり、寡黙で神秘的な微笑みに全員が夢中になってしまい、こうして姉妹を中心とした我が作られる事となったのだ。
まあ、お見合い大会と銘打っているのだから、他のご令嬢も沢山参加している。
この日の為に着飾って来ているご令嬢が独りぼっちでいる状況になるなど、コルネもユリアも許さない。
一言も話もせずに無視する様な男性は嫌いです…暗にそう話す事で、徐々に2人を取り囲む輪は崩れ、そこかしこで会話を楽しむ男女が見られるようになった。
会話も弾み(コルネとユリアはほとんど会話していないが…)場も盛り上がって来た時、それは唐突に起きた。
誰が最初に気付いたのかは分からないが、不意に練兵場に影が差したので空を見上げた者が悲鳴を上げたのだ。
最初はその悲鳴の元となった誰かを探して全員が周囲を探していたのだが、やがて一人また一人と空を見上げて固まった。
その頃には、コルネとユリアも、少し離れた所で成り行きを見守っていたヴァルナルもウルリーカも、それどころかこの場の警護についていた騎士や衛士達…そして王城から練兵場を見ていた王族たちもが、その異変を目にする事となった。
誰かが気付いて悲鳴を上げた異変。
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