システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
1,276 / 1,466

無理ですね

しおりを挟む
「どうしても駄目ですか~?」
「駄目じゃ」
「ど~~~しても~~~~?」
「どうしてもじゃ!」
「いや、難しいのは分かってますけどぉ…ほんのちょっとだけ…ほんのちょこ~~~っとだけ…」
「……お主、微妙に言い方がエロくないか?」
「エロ無くして、何の人生か!」
「やかましーわ! これ以上、お主のボディはいじくらん!」
「身長とか胸のサイズとか、ほんのちょこ~っとだけでいいんですよぉぉぉぉ! あれじゃ、今と全然変わらないじゃないですかぁ!」
「ならば、そんなツルペタロリボディにしか適応できん、お主の魂と精神体の方を何とかせい!」

 皆様、誰と誰が怒鳴り合っているのか、すでにお分かりだろう。
 新しいボディを前にしたサラが、身長とか胸のサイズとかをもう少し大きくしろと、ボーディに対して未だに駄々を捏ねているのだ。
 このやり取り、実に1ヶ月以上の間、毎日の様に続けられている。
 サラとリリアのボディ製作は、実はすでに1ヶ月以上も前に完成をしてる。
 ただ、魂と精神体を今の身体から新たな身体へと移す時に、管理局の影響というか束縛というか、そういった類の物を極力排除するために、色々な状況を想定した検査を繰り返し行っているため、どうしても時間が掛かってしまっている。
 となると、検査が長引けば長引くほどに、サラもリリアも完成済みの自分の新ボディを目にする機会も増えるのは道理だ。
 すでに、あの無数に立ち並ぶ水槽群があった部屋から、選りすぐられた2人の為の新たなるボディは、別の部屋に移されていた。
 宇宙貨物船ノスト〇モ号に搭載されている様なハイパースリープのカプセルに似た物の中に横たえられ、大切に保管されているのだ。
 リリアのボディは、それほどグラマスというわけでも無いのだが、それでも今の彼女よりもアダルティな感じの物に仕上がっている。
 対してサラのボディは、今の彼女との差異を探す方が難しいぐらいにそっくりだ。
 つまりは、小学生の高学年から中学生の低学年…とりわけ発育は少しだけ遅れている少女型である。
 ずっと出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる体型…肉感的で性的な魅力を持った女性に憧れを持っているサラにとって、また同じボディに入らねばならないなど、かなり悔しくも悲しい出来事なのである。

「私が魂と精神体をどうこうできるわけ無いでしょうが!」
「なら、すっぱり諦めろ」
 サラの抗議を軽く聞き流すボーディ。
「ぢぐじょう…私よりもツルペタのじゃロリのくせに…」
 むぐぐぐぐ…と唸りながらボーディを睨み付けるサラ。
 確かにサラの言う通り、ボーディは幼女と言っても過言でない肉体なのだが…。
「妾がこのボディなのは、単に省エネで便利だからじゃぞ? 妾はサイズなど必要に応じてどうとで帰る事が出来るぞ。お主と違ってな」
 ふんっ! と、サラの失礼な発言を花で笑いながら簡単にあしらう。
「ゑ…嘘でしょ? ちょ、モフリーナさんや、コレ本当なの?」
 ボーディの言葉の真偽を、近くを通りかかったモフリーナに訊ねると、
「え、何の事ですか? はい…ええ…あぁ、なるほど。それは本当ですよ。私達に決められたボディサイズはありません。多少手間はかかりますが、好きなサイズのボディへ移り変わる事は可能です」
 モフリーナに事情を説明すると、実にあっさりとボーディの言葉を肯定した。
「ま…マジっすか?」
「マジです」
 まあ、ここでモフリーナが嘘を吐く理由がない。
 あんぐりと口を開けて呆けていたサラであったが、それでも視界の中に大きく映っているモフリーナのナイスなボディを見てしまうと、言いたくもなるのだ。
「でもでもでも、サラちゃんもモフリーナみたいな、ボンキュッボンになりたいんですよぉぉぉぉぉーー!」
 諦めきれないサラが絶叫するが、
「無理じゃろ?」「はい、無理ですね」
 速攻で2人のダンジョンマスターに、言い切られた。

 その後、部屋の隅っこで壁に向かってブツブツと何かを話しかけているサラの姿が見受けられたが、この場の誰も…もふりんとカジマギーすらも、一切気にも留めなかったそうだ。
 こう駄々を捏ねる子供っぽい性格を直さない限り、成熟した女性型のボディに入る事は難しいんじゃないだろうか?
 そう誰もが思ったそうだが、そんな心優しくも厳しいアドバイスを、サラにしてやるものはこの場には誰も居なかった。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...