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凄いですねぇ
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「つまりは纏めると、私達があの別の世界の竜の神をこの世界のこの時間軸に送り込んだ後、トールヴァルド様の異次元同位体がそれを感知して大挙してこの世界にやって来た」
「うむ」
「そして、何故かは知りませんが、ひよこの姿の異次元同位体達が竜の神をどこかに放り出すために協力し合って巨大な魔方陣を作り上げて、そこに追い込んだ」
「うむ」
「巨大な魔方陣を通る者達は、大幅に魂のエネルギーを魔方陣に喰われる」
「うむ」
「そして放り出されたのが、たまたまトールヴァルド様のご両親が親密になる一因となった?」
「うむ!」
リリアが何とか嚙み砕き理解した事を、自分自身でも再度確認するかのように語る。
聞き手に回ったボーディは、『うむ』しか言っていないが、これは肯定しているという事だろう。
「ナディアさん達妖精が誤ってそこに踏み込み、遥かな洋上に飛ばされた。彼女達は元がトールヴァルド様の魂のエネルギーから創り出された者達なので、エネルギーを喰われると動けなくなった…?」
「うむ」
ここまでは時系列順にリリアは語った。
「例のひよこ達は、私たちは過去送り込んだ、恐怖の大王のかけらを宿した者程度には興味を示さなかった? いや、その程度であれば、トールヴァルド様だけで対処できると思った?」
「うむ。まあ、内包しておるエネルギー量を鑑みて、無視できると考えたのじゃろうな」
なるほど、確かにそう考えると、色々と辻褄が合う。
「あの魔方陣を通った場合、どの程度弱体化すると思われますか?」
「ふ~む…予想ではあるが、あの魔方陣の特徴からするとエネルギーの凡そ97%近くは喰われるじゃろう。そもそもあの魔方陣は、そこを通る者が一定値以上のエネルギーを保有しておる場合のみ起動するようじゃ。一般的な人としてのエネルギーしか持たぬ者が、あの魔方陣を踏んだところで起動せぬ。竜人しかり、ナディア達しかり、かなりのエネルギーを保有しておった故、どこかに飛ばされたのじゃろう」
あの魔方陣について推察した内容をボーディが語る。
「なるほど、ようやく納得出来ました。あんな巨大な魔法陣を起動させるには莫大なエネルギーが必要になるはず。でも魔法陣にはエネルギーその物が感じられない。だからこそ、追い込まれた竜神も、何も感じる事無くあの魔法陣を踏んでしまった…。つまりは、あの魔法陣を動かすためのエネルギーは、そこを通った者のエネルギーで賄われているという事ですね?」
「その通りじゃ。まあ、命を絶つまでエネルギーを吸い取られるわけでは無いようだが、それでも飛ばされた場所によっては、かなり厄介な事になるじゃろうな…」
ナディア達は弱体化した状態で、遥か洋上に飛ばされてしまった。
ほんの少しだけ残ったエネルギーを全て使い、何とか結界を展開したから溺れる事も無かったが、もう少し救助が遅ければエネルギー枯渇で結界すらも消え去り、海の藻屑となっていたかもしれない。
それを考えると、かなり凶悪な魔法陣と言えるだろう。
エネルギー量が小さかったからこそ、クイーンや蜂達は無事だったのだが、ナディア達が魔法陣に飛ばされる時に一緒に巻き込まれてしまった…と言う事だろう。
さらに上空から蜂達が調べた魔法陣の全容が不明だったのも、この魔法陣が対象を飛ばす先が完全にランダムであるという点も、またこの魔法陣の解明を難しくしているのだろう。
いや、そもそも吸収したエネルギー量によって、時間軸や空間座標などを決定するのかもしれない。
「へぇ~、凄いですねぇ」
真面目に話合っているリリアとボーディのすぐ横で、言葉とは裏腹にへらへらしながらそう言った。
「貴女は、この凄さをきちんと理解出来ているのですか?」
鼻をほじほじしているサラに、冷たいリリアの言葉が突き刺さる…のだが、
「え? はっ? あ、ああ…もちろんですよ! 凄いですよねぇ~!」
「どの辺が?」
もう、リリアの耳には、サラが魔法陣に関して一切理解できてない事はお見通しではあったが、敢て確認してみた。
「そりゃ~、時間も次元をも超えて、大河さんと合体しようとひよこが来たって事ですよ! ホモの情愛は深いといいますけど、本当ですねぇ!」
このサラの言葉に、ぷるぷる怒りで震えていたリリアは、ガバッ! と顔を上げ、
「貴女が全然話を聞いて無かったのがこれではっきりしました! ボーディさん、こいつのボディは破棄してください!」
ボーディに向かって叫んだ。
「な、なんでーーー!?」
リリアの言葉にサラが続けて叫んだが、
「うむ、了解じゃ!」
ボーディも眉間に皺を寄せて頷く。
「ど、どーしてーー!?」
サラの絶叫が響き渡ったが、この場の誰もサラに救いの手を差し伸べようとする者は居なかった。
「うむ」
「そして、何故かは知りませんが、ひよこの姿の異次元同位体達が竜の神をどこかに放り出すために協力し合って巨大な魔方陣を作り上げて、そこに追い込んだ」
「うむ」
「巨大な魔方陣を通る者達は、大幅に魂のエネルギーを魔方陣に喰われる」
「うむ」
「そして放り出されたのが、たまたまトールヴァルド様のご両親が親密になる一因となった?」
「うむ!」
リリアが何とか嚙み砕き理解した事を、自分自身でも再度確認するかのように語る。
聞き手に回ったボーディは、『うむ』しか言っていないが、これは肯定しているという事だろう。
「ナディアさん達妖精が誤ってそこに踏み込み、遥かな洋上に飛ばされた。彼女達は元がトールヴァルド様の魂のエネルギーから創り出された者達なので、エネルギーを喰われると動けなくなった…?」
「うむ」
ここまでは時系列順にリリアは語った。
「例のひよこ達は、私たちは過去送り込んだ、恐怖の大王のかけらを宿した者程度には興味を示さなかった? いや、その程度であれば、トールヴァルド様だけで対処できると思った?」
「うむ。まあ、内包しておるエネルギー量を鑑みて、無視できると考えたのじゃろうな」
なるほど、確かにそう考えると、色々と辻褄が合う。
「あの魔方陣を通った場合、どの程度弱体化すると思われますか?」
「ふ~む…予想ではあるが、あの魔方陣の特徴からするとエネルギーの凡そ97%近くは喰われるじゃろう。そもそもあの魔方陣は、そこを通る者が一定値以上のエネルギーを保有しておる場合のみ起動するようじゃ。一般的な人としてのエネルギーしか持たぬ者が、あの魔方陣を踏んだところで起動せぬ。竜人しかり、ナディア達しかり、かなりのエネルギーを保有しておった故、どこかに飛ばされたのじゃろう」
あの魔方陣について推察した内容をボーディが語る。
「なるほど、ようやく納得出来ました。あんな巨大な魔法陣を起動させるには莫大なエネルギーが必要になるはず。でも魔法陣にはエネルギーその物が感じられない。だからこそ、追い込まれた竜神も、何も感じる事無くあの魔法陣を踏んでしまった…。つまりは、あの魔法陣を動かすためのエネルギーは、そこを通った者のエネルギーで賄われているという事ですね?」
「その通りじゃ。まあ、命を絶つまでエネルギーを吸い取られるわけでは無いようだが、それでも飛ばされた場所によっては、かなり厄介な事になるじゃろうな…」
ナディア達は弱体化した状態で、遥か洋上に飛ばされてしまった。
ほんの少しだけ残ったエネルギーを全て使い、何とか結界を展開したから溺れる事も無かったが、もう少し救助が遅ければエネルギー枯渇で結界すらも消え去り、海の藻屑となっていたかもしれない。
それを考えると、かなり凶悪な魔法陣と言えるだろう。
エネルギー量が小さかったからこそ、クイーンや蜂達は無事だったのだが、ナディア達が魔法陣に飛ばされる時に一緒に巻き込まれてしまった…と言う事だろう。
さらに上空から蜂達が調べた魔法陣の全容が不明だったのも、この魔法陣が対象を飛ばす先が完全にランダムであるという点も、またこの魔法陣の解明を難しくしているのだろう。
いや、そもそも吸収したエネルギー量によって、時間軸や空間座標などを決定するのかもしれない。
「へぇ~、凄いですねぇ」
真面目に話合っているリリアとボーディのすぐ横で、言葉とは裏腹にへらへらしながらそう言った。
「貴女は、この凄さをきちんと理解出来ているのですか?」
鼻をほじほじしているサラに、冷たいリリアの言葉が突き刺さる…のだが、
「え? はっ? あ、ああ…もちろんですよ! 凄いですよねぇ~!」
「どの辺が?」
もう、リリアの耳には、サラが魔法陣に関して一切理解できてない事はお見通しではあったが、敢て確認してみた。
「そりゃ~、時間も次元をも超えて、大河さんと合体しようとひよこが来たって事ですよ! ホモの情愛は深いといいますけど、本当ですねぇ!」
このサラの言葉に、ぷるぷる怒りで震えていたリリアは、ガバッ! と顔を上げ、
「貴女が全然話を聞いて無かったのがこれではっきりしました! ボーディさん、こいつのボディは破棄してください!」
ボーディに向かって叫んだ。
「な、なんでーーー!?」
リリアの言葉にサラが続けて叫んだが、
「うむ、了解じゃ!」
ボーディも眉間に皺を寄せて頷く。
「ど、どーしてーー!?」
サラの絶叫が響き渡ったが、この場の誰もサラに救いの手を差し伸べようとする者は居なかった。
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