1,256 / 1,466
大暴走
しおりを挟む
「確かに先ほどからそう仰っているのを耳にはしておりますが…、あのひよこ達が何をしたと?」
ボーディの話からは、ひよこ達が何をしたのかさっぱり分からないリリア。
「まだ分からぬのか? まあ、では説明してやろう。まず、お主等があの竜人をこの時代に送り込んだ。他の世界の神が次元を超えるとなると、かなりの歪がこの世界に生まれる。それをトールの異次元同位体であるあのひよこ達が嗅ぎ付け、この世界にやって来た…ここまでは理解できるかや?」
他の世界の神が次元を超えると何故歪みが発生するのかとか、どの様にしてその歪みを嗅ぎつけたかとか、細かい部分で理解できない事もあったのだが、取りあえずそう言った点を含めて全部飲み込んだリリアとサラは、小さく頷いた。
「あのひよこ達は、この世界で暴れ始める前の竜人達を、手段は分からぬが例の土地にある巨大な魔法陣でこの時代から追放した。あそこにある巨大な湖は、管理局がこの世界に竜人達を送り込んだ際に生れた歪みの跡じゃよ」
あの巨大な湖は、実はこの世界で起きた歪みの痕跡だという。
これには流石のリリアもサラも、小さくない驚きを見せた。
2人は、管理局長の力であれば、誰であろうが周囲に何の痕跡も影響も与えずに次元間を移動させることが出来ると思っていたからだ。
「ひよこ達の魔法陣を解析したところ、かなり特殊な人である事が確認されておる。簡単に言えば、陣に触れた者達を別次元もしくは空間や時代など、ランダムな地点へと放り出す転送陣じゃ。その陣を起動させる際、転送させようとしている対象が持つ魂のエネルギーの大半を奪い去る。竜人達が過去に送られ、大幅に弱体化させられたのもこれが原因じゃな。そうそう、ナディア達が洋上に飛ばされたのも、原因はこれじゃ。まあ、別次元や時代でなかったのは幸いじゃの」
ただただ黙って話を聞くサラとリリア。
「あのひよこ達じゃが、何度も言っておるがトールの異次元同位体じゃ。いや、大元を辿ればトールと同一存在じゃったモノじゃ。この多次元世界を含む世界その物を生み出した原因でもあるの。その中でも特に特殊な存在であるトールと合一する事をひよこ達は望んでおった。じゃが、それはもう少し先…具体的にはトールが覚醒した時に、1つになろうとしていたのじゃ」
「な、なるほど…」
この話を聞き、何となくすべてが繋がった様な気がしたリリアは、素直に感心した。
だが…このアホは…
「大河さんと別の次元の大河さんが一つになるって事は、BL的展開キタコレ! なるほど確かに元は同一人物なんだからどこをどうすれば気持ち良くなれるのかなど互いに分かっているのだから、もうこれは怒涛のエクスタシーの波が押し寄せそれが複数プレイともなると大河さんのお尻が大河さんのナニで貫かれてさらにその大河さんの…はっ、これはム〇デ人間!?」
どこから仕入れた知識なのか、サラは妙なテンションでおかしな事をずっと呟き続けていたが…誰も突っ込まなかった。
下手に反応すると危ない世界に引きずり込まれるに違いないと、この場の全員が感じたから。
「あ~、1つになろうとしていると言うのは、あえて説明するまでもないであろうが…魂的な?」
サラのおかしな言動のせいなのかは分からないが、ボーディの言動も若干怪しくなってきている。
「あ、ああ…魂的にですね! わかる~!」
場の空気を読んだのかは分からないが、リリアもなんだかおかしい。
「皆さんわかってきたようですねぇ! そう本当のBLとは体だけがつながる男×男の情事を描いた物などではないのですええそんなの物は邪道ですよ邪道! やはり男同士での魂と魂の様々な葛藤の末に辿り着く愛の終着点こそBLの真骨頂といえるのです! 最近のBL物といえばすぐに安易に美少年同士の絡みで読者数を稼ごうという風潮が蔓延してますがそれは単なるエロ本なのです! 本来のBLの姿というのは………」
サラ、大暴走…。
もうサラ以外の全員が、この暴風吹き荒れる嵐の様な時間を、ただただじっと耐える事しかできなかった。
単にこんな暴走しまくったサラに関わりたくなかっただけかもしれないが…。
ボーディの話からは、ひよこ達が何をしたのかさっぱり分からないリリア。
「まだ分からぬのか? まあ、では説明してやろう。まず、お主等があの竜人をこの時代に送り込んだ。他の世界の神が次元を超えるとなると、かなりの歪がこの世界に生まれる。それをトールの異次元同位体であるあのひよこ達が嗅ぎ付け、この世界にやって来た…ここまでは理解できるかや?」
他の世界の神が次元を超えると何故歪みが発生するのかとか、どの様にしてその歪みを嗅ぎつけたかとか、細かい部分で理解できない事もあったのだが、取りあえずそう言った点を含めて全部飲み込んだリリアとサラは、小さく頷いた。
「あのひよこ達は、この世界で暴れ始める前の竜人達を、手段は分からぬが例の土地にある巨大な魔法陣でこの時代から追放した。あそこにある巨大な湖は、管理局がこの世界に竜人達を送り込んだ際に生れた歪みの跡じゃよ」
あの巨大な湖は、実はこの世界で起きた歪みの痕跡だという。
これには流石のリリアもサラも、小さくない驚きを見せた。
2人は、管理局長の力であれば、誰であろうが周囲に何の痕跡も影響も与えずに次元間を移動させることが出来ると思っていたからだ。
「ひよこ達の魔法陣を解析したところ、かなり特殊な人である事が確認されておる。簡単に言えば、陣に触れた者達を別次元もしくは空間や時代など、ランダムな地点へと放り出す転送陣じゃ。その陣を起動させる際、転送させようとしている対象が持つ魂のエネルギーの大半を奪い去る。竜人達が過去に送られ、大幅に弱体化させられたのもこれが原因じゃな。そうそう、ナディア達が洋上に飛ばされたのも、原因はこれじゃ。まあ、別次元や時代でなかったのは幸いじゃの」
ただただ黙って話を聞くサラとリリア。
「あのひよこ達じゃが、何度も言っておるがトールの異次元同位体じゃ。いや、大元を辿ればトールと同一存在じゃったモノじゃ。この多次元世界を含む世界その物を生み出した原因でもあるの。その中でも特に特殊な存在であるトールと合一する事をひよこ達は望んでおった。じゃが、それはもう少し先…具体的にはトールが覚醒した時に、1つになろうとしていたのじゃ」
「な、なるほど…」
この話を聞き、何となくすべてが繋がった様な気がしたリリアは、素直に感心した。
だが…このアホは…
「大河さんと別の次元の大河さんが一つになるって事は、BL的展開キタコレ! なるほど確かに元は同一人物なんだからどこをどうすれば気持ち良くなれるのかなど互いに分かっているのだから、もうこれは怒涛のエクスタシーの波が押し寄せそれが複数プレイともなると大河さんのお尻が大河さんのナニで貫かれてさらにその大河さんの…はっ、これはム〇デ人間!?」
どこから仕入れた知識なのか、サラは妙なテンションでおかしな事をずっと呟き続けていたが…誰も突っ込まなかった。
下手に反応すると危ない世界に引きずり込まれるに違いないと、この場の全員が感じたから。
「あ~、1つになろうとしていると言うのは、あえて説明するまでもないであろうが…魂的な?」
サラのおかしな言動のせいなのかは分からないが、ボーディの言動も若干怪しくなってきている。
「あ、ああ…魂的にですね! わかる~!」
場の空気を読んだのかは分からないが、リリアもなんだかおかしい。
「皆さんわかってきたようですねぇ! そう本当のBLとは体だけがつながる男×男の情事を描いた物などではないのですええそんなの物は邪道ですよ邪道! やはり男同士での魂と魂の様々な葛藤の末に辿り着く愛の終着点こそBLの真骨頂といえるのです! 最近のBL物といえばすぐに安易に美少年同士の絡みで読者数を稼ごうという風潮が蔓延してますがそれは単なるエロ本なのです! 本来のBLの姿というのは………」
サラ、大暴走…。
もうサラ以外の全員が、この暴風吹き荒れる嵐の様な時間を、ただただじっと耐える事しかできなかった。
単にこんな暴走しまくったサラに関わりたくなかっただけかもしれないが…。
0
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる