システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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大暴走

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「確かに先ほどからそう仰っているのを耳にはしておりますが…、あのひよこ達が何をしたと?」
 ボーディの話からは、ひよこ達が何をしたのかさっぱり分からないリリア。
「まだ分からぬのか? まあ、では説明してやろう。まず、お主等があの竜人をこの時代に送り込んだ。他の世界の神が次元を超えるとなると、かなりの歪がこの世界に生まれる。それをトールの異次元同位体であるあのひよこ達が嗅ぎ付け、この世界にやって来た…ここまでは理解できるかや?」
 他の世界の神が次元を超えると何故歪みが発生するのかとか、どの様にしてその歪みを嗅ぎつけたかとか、細かい部分で理解できない事もあったのだが、取りあえずそう言った点を含めて全部飲み込んだリリアとサラは、小さく頷いた。
「あのひよこ達は、この世界で暴れ始める前の竜人達を、手段は分からぬが例の土地にある巨大な魔法陣でこの時代から追放した。あそこにある巨大な湖は、管理局がこの世界に竜人達を送り込んだ際に生れた歪みの跡じゃよ」
 あの巨大な湖は、実はこの世界で起きた歪みの痕跡だという。
 これには流石のリリアもサラも、小さくない驚きを見せた。
 2人は、管理局長の力であれば、誰であろうが周囲に何の痕跡も影響も与えずに次元間を移動させることが出来ると思っていたからだ。

「ひよこ達の魔法陣を解析したところ、かなり特殊な人である事が確認されておる。簡単に言えば、陣に触れた者達を別次元もしくは空間や時代など、ランダムな地点へと放り出す転送陣じゃ。その陣を起動させる際、転送させようとしている対象が持つ魂のエネルギーの大半を奪い去る。竜人達が過去に送られ、大幅に弱体化させられたのもこれが原因じゃな。そうそう、ナディア達が洋上に飛ばされたのも、原因はこれじゃ。まあ、別次元や時代でなかったのは幸いじゃの」
 ただただ黙って話を聞くサラとリリア。
「あのひよこ達じゃが、何度も言っておるがトールの異次元同位体じゃ。いや、大元を辿ればトールと同一存在じゃったモノじゃ。この多次元世界を含む世界その物を生み出した原因でもあるの。その中でも特に特殊な存在であるトールと合一する事をひよこ達は望んでおった。じゃが、それはもう少し先…具体的にはトールが覚醒した時に、1つになろうとしていたのじゃ」
「な、なるほど…」
 この話を聞き、何となくすべてが繋がった様な気がしたリリアは、素直に感心した。
 だが…このアホは…
「大河さんと別の次元の大河さんが一つになるって事は、BL的展開キタコレ! なるほど確かに元は同一人物なんだからどこをどうすれば気持ち良くなれるのかなど互いに分かっているのだから、もうこれは怒涛のエクスタシーの波が押し寄せそれが複数プレイともなると大河さんのお尻が大河さんのナニで貫かれてさらにその大河さんの…はっ、これはム〇デ人間!?」
 どこから仕入れた知識なのか、サラは妙なテンションでおかしな事をずっと呟き続けていたが…誰も突っ込まなかった。
 下手に反応すると危ない世界に引きずり込まれるに違いないと、この場の全員が感じたから。
 
「あ~、1つになろうとしていると言うのは、あえて説明するまでもないであろうが…魂的な?」
 サラのおかしな言動のせいなのかは分からないが、ボーディの言動も若干怪しくなってきている。
「あ、ああ…魂的にですね! わかる~!」
 場の空気を読んだのかは分からないが、リリアもなんだかおかしい。
「皆さんわかってきたようですねぇ! そう本当のBLとは体だけがつながる男×男の情事を描いた物などではないのですええそんなの物は邪道ですよ邪道! やはり男同士での魂と魂の様々な葛藤の末に辿り着く愛の終着点こそBLの真骨頂といえるのです! 最近のBL物といえばすぐに安易に美少年同士の絡みで読者数を稼ごうという風潮が蔓延してますがそれは単なるエロ本なのです! 本来のBLの姿というのは………」
 サラ、大暴走…。

 もうサラ以外の全員が、この暴風吹き荒れる嵐の様な時間を、ただただじっと耐える事しかできなかった。
 単にこんな暴走しまくったサラに関わりたくなかっただけかもしれないが…。
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