システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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煩いですね

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※ 明けましておめでとうございます。
  本年も、ダラダラ続くシスバグを、どうぞよろしくお願いします。




「なるほど…時間軸も次元間も自分が思った所へと移動できる力を得る事が出来る…ですか」
「まあ、最終的には、そうなるのが目指す最終段階の覚醒じゃの」
「局長は、その力を用いて、新たな世界を創り上げようと?」
「うむ。まあ、完全ある新たな世界の構築は、まず無理じゃ」
「ほほう…では、不完全な物であれば可能であると?」
「じゃからこそ、この世界にも危機が訪れるのじゃ」
 場所はパンゲア大陸の、あの培養槽の如き水槽が立ち並ぶ部屋の一画へと戻る。
 未だにボーディとリリアは、覚醒についてのあれやこれやで話をしていた。
 実は、こいつら結構暇なのではないだろうか?
「も、もしや! この世界の始まりは、各次元世界でもそうですがビッグバンだと教えられましたが…それも嘘なのでは!?」
「ほう、良くぞそこの気付いたのぉ。無論、真実はビッグバンなどではない。大元である原始の精神体とは、実は原子核程度の大きさまで圧縮された存在じゃったのじゃ」
「…そんなに小さく?」
「そうじゃ。縦も横も奥行きも無い観測が不可能なほどに小さな空間。当然じゃが時間も光も一切が無いその空間に、いつその存在が辿り着いたのかは分からぬ。何せ、外部から観測した者など居らぬのじゃからな。しかも、その存在自体に時間が存在せんかったのじゃから、一体いつからどれほどの時間その空間に居たのかも分からぬ。莫大なエネルギーを内包したその小さな小さな存在が、ある時一瞬でその圧縮から解放され、この全ての全次元世界を含む大きさまで膨れ上がり爆発した…。つまり、一瞬で広大な空間と時間と次元世界が生まれたのじゃ。お主等は宇宙や世界の始まりを説明する時に、膨張宇宙論つまりはビッグバン理論を教えられたであろうが、その中身は実はお主等が聞いていた物とは大きく違うのじゃよ」

 一般的に、この宇宙や世界の始まりは、簡単に言えば、高温かつ高密度のエネルギー様の物質が大きく膨張し、低温かつ低密度へと至る事により、爆発的に膨張して発生した…という論理をビックバン理論と称している。
 無論、実は複雑かつ難解な家庭があっての事だと、世の学者は唱えているのだが、ではその最初のエネルギー様の物質とは、一体何か…と言う事に関しては、解明されていない…事になっている。
 多くの学説や多様な観測により、多くの学説が生まれはしたが、これが一般的に最も知られている理論であり、名前である。
 しかし、解放魂魄統轄庁では、この事象の真実を知っていた。
 もちろん、輪廻転生管理局もである。 
 何故なら、始まりのエネルギー体の欠片とでも言うべき者達によってその庁や局が作られたのだから、知らないわけが無い。
 もっとも、全てを話したわけでは無い。
 もしも真実の全てを伝えていれば、管理局長の暴走は起きなかったのかもしれないが…。

 どうやら、この空間での2人の話はまだまだ続く様であるが、真面目な話を長々と聞いていても面白くもなんともないので、ここでは割愛することにする。
 いや、真面目なボーディとクソ真面目なリリアが話し始めたら、いつ終わるか分かんないじゃんか。
 もう、サラちゃんこっそり聞き耳たててるの疲れちゃったんだよねぇ。
 だからモフレンダさんや、ちょっとこの私が入る事になるボディの身長とかスリーサイズとか、もちょっと変えません?
「具体的には、ボンキュッボン! な、ないすばでぃに!」
「無理…出来たとしてもやらない」
 アホな子を見る様な目でサラを見下ろすモフレンダ。
 いや、実際モフレンダは普段は猫背ではあるのだが、実は結構背が高くて、なかなかスリムなモデル体型だったりするのだ。
「…その目は止めてもらえませんかねぇ。ちぇっ! 自分は脱いだらすごいんです! ってな体型してるからいいけど、わたしゃずっとツルペタなんですからね! ちょこっとぐらい夢見させてくれたっていいじゃないですか! できれば現実世界で!」
 サラ、かなり必死である。
「なるほど…夢が見たいと?」
「そうっす! サラちゃん、ショタを喰いまくるないすばでぃなJD…せめてJKになりたいっす!」
 本音駄々洩れなサラ。
「うん、却下で。次はさらにロリボディにしよう」
 モフレンダの目は、めちゃめちゃ本気の目であった。
「あ、嘘! 今の嘘っす! 最低でもこの身長で! でも、胸はBカップで!」
「……………………」
「ちょちょちょ~~っと! モフレンダさん、何とか言ってくださいよ~~~~!」  
「……………………」
「え、無視? 無視なんすか? え、サラちゃんの言ってる事、聞こえてますか? 耳日曜じゃないっすよね? ねぇ、ねぇってば! ちょ、マジで無視しないで下さいよ! これじゃサラちゃんが1人で騒いでるみたいじゃないっすか! ねぇ、ねぇってば、ぇー! 返事してーーー!」

「あっちの方…煩いですね」
「モフレンダ相手に、煩悩まみれの要求するとか、何をやっとんじゃあの馬鹿は…」
 サラとモフレンダがこの空間に居る事など、2人には最初から分かっていた。
 分っていて知らん顔をしていただけなのだが…無駄に声の大きいサラの心の叫びが煩い程に響き渡って、大迷惑である。
「みんなちがって、みんないい」
「ほう、金子みすゞとは、お主なかなか博識じゃのぉ」
「えぇぇ! 下水の下でずっと眠っていたボーディさんが、何故にそれを知っているのですか!?」
「だから、それは忘れよと、さっき言ったじゃろうが!」
 いや、結構こっちの2人も煩いかもしれない。
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