システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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ヒントのぉ…

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「もすもす?」
『なんじゃ、その気が抜ける呼びかけは?』
 通信の呪法具でボーディに通信したら、いきなり怒らりた…。
「いや、この呼びかけは、とても伝統的な…『いいから、さっさと用件を言うのじゃ!』…あ、はい…」
 説明しようとしたら、またまた怒らりた…。

 まあ、気を取り直してっと。
「いやぁ、サラとリリアさん、結構長くそっち居るじゃんか。どうなってんのかなぁ~とか、元気してるのかなぁ~とか思ってさ」
 まあ、まずは聞いて然るべき事柄から会話を始めようか。
『おお、あ奴らなら元気じゃぞ? まあ、新しいボディの作成に少々手間取っておるから、今しばらくそちらには戻れぬかもしれんが、そこは勘弁せい』
 いや、別に戻って来なくても特に問題は無いんですけどね。
「あとさ、局長が別の世界を創ってるとかいうの…あれ、事態が急展開したりはしてないよね?」
『うむ、妾達も監視は行っておるが、あれからは進展しておらぬ様じゃぞ。まだ猶予は十分にある』
 よしよし、時間は十分にあると。
『じゃが、いつ事態が急転するかは不明なのじゃから、お主はさっさと覚醒せいよ?』
 うぐっ…俺が聞きたい事、先に言われたよ…。  
「あ~うん…まぁ、そのぉ…何だ…」
『何じゃ? 何が言いたいのじゃ?』
 くっそ! 言い出し難いじゃねーかよ!
「あ~うん…実は、ボーディに聞きたい事があってさ」
『ん、何じゃ? 妾が答えられる事ならば、答えてやるが?』
 そう言えば、以前悟りは自分で啓けとか言ってた気がするなぁ…。
「実はさ…覚醒とか悟りってどうすればいいん? こう…何ていうか、雑念が頭の中から離れんのよ」
『はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?』
 あ、めっちゃ呆れとる…。
「いや、ほら…これでも俺って一応は領主じゃんか。色々とやる事が毎日山積みなんよ。どっかの偉いお坊さんの様に、修行だけしてたら良い様な身分でも無いし…」
 俺、お坊さんに失礼なこと言ってるかも。

『ふむ…確かにそれはそうかもしれぬな。かと言って、貴様の覚醒への道など、妾達が手助けできるような物ではないぞ? 自らの力で至ってこその覚醒じゃし悟りなのじゃそ?』
 いや、言いたい事は分かってるよ。分かってて尚困ってるから聞いてんだよ。
「せめてさ…ヒントとか無い?」
『ヒントのぉ…』
「それじゃ、あの例のひよこ達と話しできないかな? あいつ等って、俺の異次元同位体で、すでに覚醒してんだよな?」
 ひよこに悟りを啓く方法を訊ねるて…ちょっと微妙に恥ずかしいけど…。
『無理じゃのぉ。あ奴らは、それぞれが自らの力で覚醒した者ばかりじゃ。それと起源を同じくする貴様に出来ない道理は無いと、そもそも一蹴されるだけじゃぞ? まあ、そもそもそう話も聞いてもおるしな』
 ちくそー! やっぱ駄目かぁ…。
『そうじゃのぉ…。どうしても雑事が多すぎて雑念が振り払えぬというのであれば…お主、ちょっとそっちの大陸にある、モフレンダのダンジョンにでも籠るかや?』
「モフレンダのダンジョン?」
 え~っと…こっちにあるモフレンダのダンジョンって、確か入り口を入ったら…確かこっそりとパンゲア大陸のダンジョンに繋がるゲートがあるだけなんじゃなかったか?
『そうじゃ。モフレンダが元々いたダンジョンがそのまま残っておる』
「ちょっと待て! 元々モフレンダがいたダンジョンって、あの恐怖のキノコ大王と戦った盆地のさんみゃの天辺にあった…」
 確か、誰も入れない程の山脈の天辺じゃ無かったか!?
『うむ、その通りじゃ。あそこはまだそのままの状態で残っておるでな。人影もない事じゃし、修行にはうってつけじゃぞ?』
 いや、そうは言っても…あそこって人が住める…いや、生きていけるの? 
 酸素、めっちゃ薄そうだし、高山病とかならない?

『ああ、雑事の心配かや?』
 いや、そんなもん、心配してねーよ! 最終手段、人魚さん召喚って手もあるし。代償が色々とアレだけど…。
『安心せい。頭脳労働に特化したコボルトを派遣してやろう』
「お、おぉ? 頭脳労働特化型コボルト!?」
 なんと!
『うむ、妾達もなかなか忙しくてのぉ。最近そっち方面の充実化の為に製作したのじゃよ。少々維持にはコストがかかるがの』
「コスト?」
『うむ。こ奴らの食料は、魔石なのじゃ。それも魔石の種類は問わぬで、一種の共食い状態にもなるがの』
 魔石持ちのモンスターの食事が魔石って…そりゃ共食いだわな。
「う、う~~~ん…ちょっとそれは…」
 流石に、そのコボルト達の食事風景を想像すると、何とも怖い絵面だよなぁ…。
『いや、無理にとは言わん。して、モフレンダのダンジョンを使うかや?』
「え~っと…ちょっと考えて返事するわ」
 どうすっかなぁ…。

『まあ、その返事はいつでも良いが、さっさと覚醒するのじゃぞ?』
「了解…。んじゃ、また連絡するわ」
 そう言って、俺は通信を切った。 

 確かに世俗から隔離された場所で集中して鍛錬を行えば、もしかしたらもしかするかもしれないけど…、嫁ーずが怖いよなぁ。
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