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いきなりクライマックス!?
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銀色に輝く鎧を身に纏った者が振るった剣が、魔王の胸を切り裂いた。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! よ、よくもやってくれたな、小僧!」
その真っ暗な空間では、今まさに魔王とトールヴァルドとの戦闘がクライマックスを迎えようとしていた。
魔王は、見上げる程の巨躯を持ち、頭には6本の角を生やし、その前身の異常なまでに発達した筋肉は、今にもはち切れんばかりだ。
浅黒い肌に、裂けた口からは鋭い牙が何本も顔を覗かせ、ぎらつく瞳はまるで血の様に赤黒い。
対する銀色に輝く鎧を着た青年トールヴァルドは、青白く光る剣をゆったりと構えながら、魔王を挑発する様に声を発した。
「ふっ…別の世界の創造なんてとんでもない事をやらかそうとしている奴の戦闘力がこの程度とはね」
切り裂かれた魔王の胸から溢れ出るのは血ではなく、まるでガスの様な物。
そしてそれは、銀色の鎧をまとった青年の元へと流れてゆき、青年の身体へと吸い込まれて行った。
「ぐっ…まさかこの私のエネルギーを奪っているのか!?」
「ご名答! お前の本体は精神体…貴様は魂すら持たない。この世界全ての宇宙の始まり、ビッグバンを引き起こした知性と精神を持つ存在の欠片…そしてこの俺と同等の存在。お前を吸収する事に、何の問題がある?」
魔王は切り裂かれた胸に、鋭い爪を持つ手を添えた。
すると、見る間にその傷は塞がり、青年に流れるエネルギーもそれに伴い目に見える程に減ってゆき…やがて止まった。
「ぐははははは! 貴様に流れたエネルギーなど、私の持つエネルギーのほんの1%にも満たんわ!」
「ふんっ! 俺の攻撃を避ける事すら出来ない貴様が、いつまで強がっていられるか見ものだな。!」
高笑いする魔王に対峙した青年は、その光る剣を握り直して、切っ先を魔王に向けた。
「それにな、俺にはまだ切り札があるんだよ…来い! ミヤ、ヒナ!」
剣を構えた青年の左右の空間が歪み、その中から黒地の着物を着た少女と白地の着物を着た少女が現れた。
2人の少女は、長いマスケット銃を手に持ち、学生の様なランドセルを背負っている。
「そ、そいつらは…!」
表情からは読み取れないが、魔王の声は動揺を抑えられていない。
「ミヤ、ヒナ! 好きに暴れろ! この空間でなら、全力全開の攻撃OKだ!」
青年の言葉に、少女達はただ黙って頷く。
「何故だ! 貴様だけをこの空間に引き込んだというのに、そいつらは何なのだ!」
もはや魔王のその顔からも動揺が見て取れた。
「嫁ーずやユズユズ、妖精達にブレンダーにクイーン…。俺の家族から引き離せば勝てると思ったか?」
「ぐっ…」
「だがな、この2人は、常に俺の居る空間を起点として召喚できるんだよ」
ヘルムで青年の表情を窺う事は出来ないが、今この瞬間、きっともの凄いドヤ顔をしている事だろう。
「…た、たかが少女が2人増えた所で…」
確かに魔王の言う様に、たかが少女2人が増えただけである。
動き辛そうな着物を纏い、慎重の倍ほどにもなろうかというマスケット銃を持つ少女は、防具の類は一切身に付けていない。
どう考えても速度を生かした戦法を取れようはずもなく、また単発式のマスケット銃など、役に立とうはずもない。
「この2人を見くびるなよ? 解放魂魄統轄庁の技術の粋を集めたこの最高にして最恐、そして最高傑作のガールずだ!」
最高傑作の辺りでて鼻の穴を膨らませ、ふんすふんすと鼻息荒く、胸を張るミヤとヒナ。
「仕方ない…ならば私も奥の手を使うしかない…か」
「奥の手だと!?」
魔王の言葉に、怪訝な様子の青年。
「グフフフフフフフフフフ…見せてやろう、これが私の最終形態だ!」
その声と共に、魔王の周囲に黒い霧現れ、それが絡みつき、やがてその姿を完全に飲み込んだ。
そしてその黒い霧のカーテンが、徐々に晴れていくと、そこには……
「って夢を昨夜見まして」
トールヴァルドの妻達がミルシェの部屋に集まって、車座になって何やら話し合っていた。
「ミルシェさん、貴女…何て無駄に複雑な夢を…」
どこか呆れた様に、メリルがため息交じりに感想を述べた。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! よ、よくもやってくれたな、小僧!」
その真っ暗な空間では、今まさに魔王とトールヴァルドとの戦闘がクライマックスを迎えようとしていた。
魔王は、見上げる程の巨躯を持ち、頭には6本の角を生やし、その前身の異常なまでに発達した筋肉は、今にもはち切れんばかりだ。
浅黒い肌に、裂けた口からは鋭い牙が何本も顔を覗かせ、ぎらつく瞳はまるで血の様に赤黒い。
対する銀色に輝く鎧を着た青年トールヴァルドは、青白く光る剣をゆったりと構えながら、魔王を挑発する様に声を発した。
「ふっ…別の世界の創造なんてとんでもない事をやらかそうとしている奴の戦闘力がこの程度とはね」
切り裂かれた魔王の胸から溢れ出るのは血ではなく、まるでガスの様な物。
そしてそれは、銀色の鎧をまとった青年の元へと流れてゆき、青年の身体へと吸い込まれて行った。
「ぐっ…まさかこの私のエネルギーを奪っているのか!?」
「ご名答! お前の本体は精神体…貴様は魂すら持たない。この世界全ての宇宙の始まり、ビッグバンを引き起こした知性と精神を持つ存在の欠片…そしてこの俺と同等の存在。お前を吸収する事に、何の問題がある?」
魔王は切り裂かれた胸に、鋭い爪を持つ手を添えた。
すると、見る間にその傷は塞がり、青年に流れるエネルギーもそれに伴い目に見える程に減ってゆき…やがて止まった。
「ぐははははは! 貴様に流れたエネルギーなど、私の持つエネルギーのほんの1%にも満たんわ!」
「ふんっ! 俺の攻撃を避ける事すら出来ない貴様が、いつまで強がっていられるか見ものだな。!」
高笑いする魔王に対峙した青年は、その光る剣を握り直して、切っ先を魔王に向けた。
「それにな、俺にはまだ切り札があるんだよ…来い! ミヤ、ヒナ!」
剣を構えた青年の左右の空間が歪み、その中から黒地の着物を着た少女と白地の着物を着た少女が現れた。
2人の少女は、長いマスケット銃を手に持ち、学生の様なランドセルを背負っている。
「そ、そいつらは…!」
表情からは読み取れないが、魔王の声は動揺を抑えられていない。
「ミヤ、ヒナ! 好きに暴れろ! この空間でなら、全力全開の攻撃OKだ!」
青年の言葉に、少女達はただ黙って頷く。
「何故だ! 貴様だけをこの空間に引き込んだというのに、そいつらは何なのだ!」
もはや魔王のその顔からも動揺が見て取れた。
「嫁ーずやユズユズ、妖精達にブレンダーにクイーン…。俺の家族から引き離せば勝てると思ったか?」
「ぐっ…」
「だがな、この2人は、常に俺の居る空間を起点として召喚できるんだよ」
ヘルムで青年の表情を窺う事は出来ないが、今この瞬間、きっともの凄いドヤ顔をしている事だろう。
「…た、たかが少女が2人増えた所で…」
確かに魔王の言う様に、たかが少女2人が増えただけである。
動き辛そうな着物を纏い、慎重の倍ほどにもなろうかというマスケット銃を持つ少女は、防具の類は一切身に付けていない。
どう考えても速度を生かした戦法を取れようはずもなく、また単発式のマスケット銃など、役に立とうはずもない。
「この2人を見くびるなよ? 解放魂魄統轄庁の技術の粋を集めたこの最高にして最恐、そして最高傑作のガールずだ!」
最高傑作の辺りでて鼻の穴を膨らませ、ふんすふんすと鼻息荒く、胸を張るミヤとヒナ。
「仕方ない…ならば私も奥の手を使うしかない…か」
「奥の手だと!?」
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「グフフフフフフフフフフ…見せてやろう、これが私の最終形態だ!」
その声と共に、魔王の周囲に黒い霧現れ、それが絡みつき、やがてその姿を完全に飲み込んだ。
そしてその黒い霧のカーテンが、徐々に晴れていくと、そこには……
「って夢を昨夜見まして」
トールヴァルドの妻達がミルシェの部屋に集まって、車座になって何やら話し合っていた。
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