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忘れておったわ
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ダンジョンマスターによって用意された空間では、サラに続きリリアも検査を受けた。
サラの様にお駄々を捏ねるでもなく、勢いよく着ている物を全部脱ぎ捨てると、さっさと検査ベッドに自ら横になって。
どうやら、リリアにとってこの程度は何でもない様である。
実際の所、性別的には女性だけしか存在しない空間なのだから、サラの様に恥ずかしがるのもおかしな事なのかもしれない。
とは言え、性別的には…と先述した様に、ダンジョンマスター達の種族がはっきりしないだけでなく、性癖なども分からない。
なれば、もしかするとリリアの様な同性愛者かも知れないとサラが考えて抵抗したのも頷けるものがある。
まあ、この点でもリリア自身が同性愛者であるのだからして、この空間で裸体を晒す事に抵抗が無いのは当然かもしれない。
ちなみに、サラの素っ裸にリリアは興奮しなかったのでは無く、この検査が自分達の将来を左右するほど非常に重要な物であるという事を頭で理解していたので、リリアは心の内に沸き起こる性的衝動を理性で抑え込んでいただけである。
その証拠に、リリアが検査を終えた後のベッドは、微妙に濡れていた…どことは明言はしないが、そういう事である。
「どうじゃ、モフレンダ。データは集まったかや?」
検査機器の横で何やらゴソゴソとしていたモフレンダに、ボーディが声を掛けると、
「ぐっ!」
いつもの陰りのある無表情なまま、モフレンダはボーディにサムズアップしてみせた。
「うむ、よかろう。では、これでお主等の検査は終了じゃ」
サラとリリアに向き直ったボーディが、本日の検査終了を継げると、すでに服を着なおしている2人は、ほっと息を吐いた。
あのベッドに横になって受けた検査だけでなく、血液、視力、聴力に始まり、肺活量や50mダッシュなどなど、ありとあらゆる検査を行った2人は、やっと終わったかと言うような顔をしていた。
本当にそんな検査まで必要があるのかという様な事までさせられた2人だが、これは2人の新たなボディを造るにあたり絶対に必要だと、ダンジョンマスター達に言われてしまえば、大人しく従うしかない。
面白い事に、血液や体液等に関しては、この惑星に存在している人族との差異が全くないという事。
つまりは、その体内に埋め込まれている管理局製の機械類以外、人族と変わらぬ肉体を持っているという事になる。
寿命が人族よりも短いという原因は、おそらくその体内の機械類が原因…もっと言えば、その機械の稼働限界がサラとリリアのボディの寿命であることは、ほぼ間違いないだろう。
2人の肉体が成長し無いのも、もしかするとそこに原因があるのかもしれない。
そういう結論にダンジョンマスター…いや、ボーディがデータを精査して至ったのも、当然であろう。
「うむ、では全ての検査も終了した事じゃし、一旦はトールヴァルドの元へと戻っても良いぞ」
モフリーナと少しだけ話をした後、ボーディが2人に向かってそう言った。
「ええっと、帰ってもよろしいのですか?」
その言葉に、少しだけ疑問を投げかけるリリア。
「ああ、勿論じゃ。何じゃ、不満かや?」
「あ、いえ…私達は管理局の者ですから、もしかすると私達が気付かないだけで監視されているかも…と」
帰宅する事に不満はない。
しかし、こうしてダンジョンマスター達に、新しいボディの政策を頼んだ以上、管理局には裏切ったと思われるだろう。
そもそも、トールヴァルドは行動や言動の全てが管理局に監視されているのだ。
裏切り者であるサラとリリアを、管理局が監視しないわけが無い。
この空間が管理局から一切の干渉を受けない空間であると言うのであれば、帰宅は不味いのではないだろうか。
そう考えての、リリアの発言だ。
「おお、そうじゃった、そうじゃった! 妾も忘れておったわ。お主等には、この空間を出る前に、これを飲んでもらう」
そう言って、ボーディが差し出した掌の上には、いつか見たナノマシンが詰まった錠剤が2つ乗せられていた。
サラの様にお駄々を捏ねるでもなく、勢いよく着ている物を全部脱ぎ捨てると、さっさと検査ベッドに自ら横になって。
どうやら、リリアにとってこの程度は何でもない様である。
実際の所、性別的には女性だけしか存在しない空間なのだから、サラの様に恥ずかしがるのもおかしな事なのかもしれない。
とは言え、性別的には…と先述した様に、ダンジョンマスター達の種族がはっきりしないだけでなく、性癖なども分からない。
なれば、もしかするとリリアの様な同性愛者かも知れないとサラが考えて抵抗したのも頷けるものがある。
まあ、この点でもリリア自身が同性愛者であるのだからして、この空間で裸体を晒す事に抵抗が無いのは当然かもしれない。
ちなみに、サラの素っ裸にリリアは興奮しなかったのでは無く、この検査が自分達の将来を左右するほど非常に重要な物であるという事を頭で理解していたので、リリアは心の内に沸き起こる性的衝動を理性で抑え込んでいただけである。
その証拠に、リリアが検査を終えた後のベッドは、微妙に濡れていた…どことは明言はしないが、そういう事である。
「どうじゃ、モフレンダ。データは集まったかや?」
検査機器の横で何やらゴソゴソとしていたモフレンダに、ボーディが声を掛けると、
「ぐっ!」
いつもの陰りのある無表情なまま、モフレンダはボーディにサムズアップしてみせた。
「うむ、よかろう。では、これでお主等の検査は終了じゃ」
サラとリリアに向き直ったボーディが、本日の検査終了を継げると、すでに服を着なおしている2人は、ほっと息を吐いた。
あのベッドに横になって受けた検査だけでなく、血液、視力、聴力に始まり、肺活量や50mダッシュなどなど、ありとあらゆる検査を行った2人は、やっと終わったかと言うような顔をしていた。
本当にそんな検査まで必要があるのかという様な事までさせられた2人だが、これは2人の新たなボディを造るにあたり絶対に必要だと、ダンジョンマスター達に言われてしまえば、大人しく従うしかない。
面白い事に、血液や体液等に関しては、この惑星に存在している人族との差異が全くないという事。
つまりは、その体内に埋め込まれている管理局製の機械類以外、人族と変わらぬ肉体を持っているという事になる。
寿命が人族よりも短いという原因は、おそらくその体内の機械類が原因…もっと言えば、その機械の稼働限界がサラとリリアのボディの寿命であることは、ほぼ間違いないだろう。
2人の肉体が成長し無いのも、もしかするとそこに原因があるのかもしれない。
そういう結論にダンジョンマスター…いや、ボーディがデータを精査して至ったのも、当然であろう。
「うむ、では全ての検査も終了した事じゃし、一旦はトールヴァルドの元へと戻っても良いぞ」
モフリーナと少しだけ話をした後、ボーディが2人に向かってそう言った。
「ええっと、帰ってもよろしいのですか?」
その言葉に、少しだけ疑問を投げかけるリリア。
「ああ、勿論じゃ。何じゃ、不満かや?」
「あ、いえ…私達は管理局の者ですから、もしかすると私達が気付かないだけで監視されているかも…と」
帰宅する事に不満はない。
しかし、こうしてダンジョンマスター達に、新しいボディの政策を頼んだ以上、管理局には裏切ったと思われるだろう。
そもそも、トールヴァルドは行動や言動の全てが管理局に監視されているのだ。
裏切り者であるサラとリリアを、管理局が監視しないわけが無い。
この空間が管理局から一切の干渉を受けない空間であると言うのであれば、帰宅は不味いのではないだろうか。
そう考えての、リリアの発言だ。
「おお、そうじゃった、そうじゃった! 妾も忘れておったわ。お主等には、この空間を出る前に、これを飲んでもらう」
そう言って、ボーディが差し出した掌の上には、いつか見たナノマシンが詰まった錠剤が2つ乗せられていた。
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