システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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まずは脱げ!

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 ここは、第9番ダンジョンの最上階。
 あのダンジョンの最強最悪のボスである黒竜の間…に居る黒竜の胃の中にある、ダンジョンマスター達が造りあげた空間。
 そこにモフリーナが、サラ、リリア、そしてボーディとモフレンダ、もふりんとカジマギーを連れ、パンゲア大陸から転移して来た。
 
 何の説明もなく黒竜の間までダンジョンマスター達に連れて来られたサラとリリアであったが、幾ら肝が太…心臓に毛が…物事に動じない正確であったとしても、流石にこの黒竜を間近で見ると恐怖心が表情に現れる。
「お邪魔します」「ご…ごめんやっしゃ!」
 緊張しつつも黒竜に向かって深々と頭を下げるリリアと、テンパりすぎて変な挨拶をするサラであった。
『そう緊張するでない、小娘達よ。我がマスターの客人なのだ。怖がる必要は無い』
 めっちゃ渋いハスキーボイスで黒竜がそう2人に声を掛けるのだが、何せ黒竜は超巨大な生物。
 大抵の攻撃は無効化されるし、その前足の一振りだけで山が抉れると言われるほどの攻撃力も持ち合わせているのだ。
 サラやリリア程度なら、どんなに抵抗しようとも、一瞬で足でプチっと踏み潰される。
 そんな最強生物を前にして、緊張しない方がおかしい。
「ちょっとまた中を借りるぞよ?」
 黒竜のマスターではないが、ボーディがそう声を掛けると、
『うむ。マスターから話は聞いておる』
 そう言って黒竜は、床にその巨体を横たえた。
「よし、では行こうかの」
 ボーディは振り返りながら、緊張して直立不動だったサラとリリアにそう言った。

「ほえぇ~! ここがあの黒竜さんの胃の中なんです?」
 辺りを見回したサラが思わずそう声をあげたのも仕方ない事だろう。
 トールヴァルドとダンジョンマスター達が密談していた時のこの空間は、精々応接セットが置いてあるリビング程度の広さだった。
 しかし、今は前後左右の果てが見えない程に広い。
 そして、そこかしこに置かれた見た事も無い様な機械や器具。
 現代地球の医療器具にも似たそれらは、時折LEDの様な光を発していた。
 「そうですよ。ここはあの黒竜の胃の中で、外界とは幾重にも張った次元断層で隔離されてますから、まず管理局にこの場所で行われている事は漏れません。今回の為に、少々拡大しましたが…」
 この場所についてモフリーナが説明を行う。
「ちょっとお待ちください。それは少し変では無いですか?」
 しかし、リリアはその説明に疑問を感じた。
「どこが…でしょうか?」
「いえ、ダンジョンマスターと言えば、ダンジョン化した所であれば転移可能なのでしょうが…ここは外界と隔絶されているんですよね? どうして中に転移する事が出来るのですか?」
 この疑問は尤もな事だ。
 トールヴァルドは深く考えもしなかった様だが、先の説明を聞いたリリアには疑問しかない。
「ふっふっふ…それは、秘密です」
 モフリーナが、あざとくも唇に指を当て、ウィンクをしながらそう言ったが、
「秘密…ですか?」
 無論、リリアにそんなあざとさが通用するはずもない。
「ええ、秘密です。まあ、強いて言えば…ダンジョンマスターの特殊能力の1つとでも言っておきましょうか」
 動じないリリアの態度など気にした様子も無く、モフリーナは小さく『うふふ…』と笑いながらそう告げた。

「そのような些事はどうでも良かろう? まずはお主等の身体の事じゃ。あとは、管理局に置いてある本体と魂の…な」
 黙ってモフリーナとリリアのやり取りを見ていたボーディだが、とある器具の方へと歩み寄った。
「まずは、お主等のボディを精査するで、まずは脱げ!」
 そう言って、まるで地球のCTやMRI検査装置の様なベッドの前に立って、サラとリリアにストレートにそう言った。
「ひぇ!」「え…?」
 2人が呆気に取られていると、
「言っておくが、パンツまで全部脱ぐんじゃぞ? いわゆる、すっぽんぽんじゃ!」
 何故か、両手をワキワキさせながらそう言うボーディは、どう見てもただの助平な親父にしか見えなかった。
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