システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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条件が有る

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「妾のこのボディは、当たり前じゃが解放魂魄統轄庁の技術の粋を集めて造られたものじゃ。同じボディを持つものは、ダンジョンマスターでもオリジナルのナンバーを与えられたごく一部の者に限られるがの」
 そう語り始めたボーディの表情が、非常に真剣であったため、リリアもサラも大人しく耳を傾けた。
「そして妾達、オリジナルナンバーを持つもの以外のダンジョンマスターには、妾達よりも一段劣るが高性能なボディが与えられておる」
 ボーディよりも一段劣ると言われたモフリーナもモフレンダも、ボーディの言葉に何の反応も示さない。
「一段劣るとは言え、その差は実は極僅かなものじゃ。精々寿命が100年ほど短い程度かのぉ」
 流石にこれにはサラが突っ込みを入れた。
「寿命100年が極僅かかよ!」
 いや、リリアも突っ込みたかったであろうが、それをぐっと我慢して飲み込んでいた。
「そうじゃ、100年程度じゃ。そもそも、妾のこのボディの寿命がどれほどだと思っとる?」
 ここに来て、急にボーディの顔が小悪魔のような笑顔になった。
「え、それは…え?」「…………」
 サラとリリアの基準で言えば、現地活動用のボディの寿命は、限界まで消耗を抑えた使い方をしたとしても、長く見積もって50年。一般的な活動で30年。管理局とのやり取りを頻繁に行えば、20年は持たない。
 そう考えると、本当に100年が僅差と言えるほどに長い寿命を、彼女達ダンジョンマスターが持っていたとしたら?
「想像も出来ぬか? 例えばじゃが、妾はこのボディに入ったのは、凡そ2500年経つ。モフリーナが比較的若くて、1900年程か。モフレンダに至っては、かなり若くて600年程度じゃ」
「「!!!!!!!」」
 サラとリリアは、目玉が零れ落ちそうなぐらいに目を見開いた。
「まあ、寿命は後3000年はあるかのぉ」
 つまりは、ボーディの寿命は5500年という事になる。
 一段劣ったボディと言われえいるモフリーナとモフレンダも、5400年近くは寿命があるという事になる。
「どうじゃ? これが妾達、解放魂魄統括庁が技術の粋を集めて造り上げたボディじゃ」
 どうじゃと問われれば、サラとリリアの答えは一つしかない。
「「ぜひ、その素晴らしいボディを下さい!!」」
 
 なぜ、それほどまでに統括庁のボディが飛びぬけて優秀なのか。
 その答えは、実はダンジョンにある。
 サラとリリアは、先述したようにスーパー幼女ユリアーネを見ている。
 どこからどう見ても人種にしか見えず、しかも成長する肉体。
 輪廻転生管理局から、リリアが技術と素材の一部を提供はしたものの、同じレベルの肉体を作り上げることは管理局ではほぼ不可能である。
 では、何故そこまでユリアーネの肉体が高性能に仕上がったのか?
 その答えは、やはりダンジョンにあった。
 ダンジョンとは、簡単に言えばダンジョンマスターにとっての、もう1つの体の様なもの。
 リリアたちが齎した管理局の素材や技術を、実はダンジョンの能力を使用して解析し改良したのだ。
 そんなことが可能なのか? と思う者も多いかもしれない。
 だが、元々ダンジョンとは統括庁が管理しているすべての世界の遺伝子や技術が集積している。
 いや、これは正確ではない。
 数多の次元世界に存在しているダンジョンが吸収した、これまた数多の生命の遺伝子や記憶を統括庁が集積し、そして応用しているのだ。
 なので、ゴブリンやコボルトやオークに始まり、最強種であるドラゴンなどのモンスターが、どの世界であっても存在するのだ。
 そして、ベースとなるモンスターを改良したり、変質させたり、全く新しい形質を持つモンスターをも造り出す事が可能となる。
 ボーディのカジマギー、モフリーナのもふりん。
 この分身体も、実はこうした技術を応用し、自らの遺伝子情報をもとに改変して造り出している。
 成長する肉体など、実はダンジョンマスターたちにとって、造作もない事なのだ。
 最近での例でいえば、トールヴァルドに与えた、ミヤとヒナもこの技術によって造り出されている。
 こっそり採取したナディアの髪の毛から抽出した遺伝子情報と、ユリアーネのボディ作成時の記録から生み出された双子だったりする。
 ユリアーネと違い、成長はしないのだが…その代わりに、とんでもない計算能力を有していたりする。
 普段の言動からは想像もつかないが、超高性能な頭脳を持っているのが、ヒナとミヤだ。
 どうも最近は、宝の持ち腐れになりつつある気がするのだが…。

「まあ、妾達が如何に高度な技術を有しておるか、お主達にも理解できたかと思う。そこでじゃ…お主等に高性能なボディを提供する事は吝かではないと申したと思うが、条件が有る」
「条件…ですか?」「何をさせる気だ?」
 リリアもサラも、ボーディの言葉に若干不安を覚えた。
「な~に、簡単な事じゃ…」
 そういって、今までにない程に悪い顔でニヤリと笑うボーディであった。
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