システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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この先の事

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 執務を終えた夕刻頃、ボーディとモフリーナが連れ立って邸へとやって来た。
 むろん、訪問の目的は先ほど話したサラとリリアさんのあれやこれやだ。
 全ての対応をダンジョンマスター達にぶん投げた以上、俺がダンジョンマスター達のやろうとしている事に、自分の考えや意見を言うことは一切しない。
 まあ、会談為の場所とお茶ぐらいは提供してやるべぇか…と思ったのだが、どうやらその必要は無いらしい。
 ボーディ達はサラとリリアさんを、パンゲア大陸へと連れて行くとの事。
 そこそこ込み入った話をするそうなので、俺の邸の一室を借りてだと迷惑になるだろうから…だと。
 そりゃぁ、元は敵…とはいかないまでも、それに近しい存在との話なのだから、色々と面倒なのだろう。
 それも協力してくれと言ってきている相手との話なんだから、自分たちのテリトリーで話したいというのは十分に理解できる。
 なので、2人の貸し出し許可を、ボーディに与えておいた。
 何故かボーディは悪い顔でニヤニヤと笑っており、サラとリリアさんは情けない顔をしていたが、俺には関係ない。
 冷たい奴と思われるかもしれないが、俺が2人に何かしてやれる事なんて何もないんだし、対応の全てをボーディ達に任せたんだから、こりゃ仕方ないってもんよ。
 夕日が山々の稜線に隠れようかという頃合に、ダンジョンマスター達がサラとリリアさんを連れて、裏庭の地獄門からパンゲア大陸へと向かっていった。
 う~ん、この厳ついデザインの門…、もうちょっと大人しい感じのに替えてくれんかなぁ?

 サラとリリアさんが消えてすぐ、我が家は夕食のお時間となりました。
 後で色々とおかしな詮索をされるのも嫌なので、食堂に集まった全員に、サラとリリアさんがパンゲア大陸へと連行…じゃない、話し合いの為に向かったと説明をしておいた。
 まあ、この場にいる全員がダンジョンマスター特製のお薬を飲んでいる仲間の様な感じなんだから、ある程度は話してもいいだろう。
 ドワーフメイド衆は、まだパンゲア大陸に行ったことは無いけど、それでもボーディ達と面識もあるし、事情は知っているはずだからね。
 …この場には4人しかいないけど、俺の邸に来てるドワーフメイドさんって、本当は何人なんだろう?
 そんな細かいことはさておき、あの2人が(特にサラが)居ないと、とっても静かだ。

 こんな時だからこそ、この先の事も少し話しておこうと思う。
 王都から父さんたちが連れてきた騎士さんや兵士さん達は、そろそろ王都へと帰還の予定だ。
 それに伴い、当然だけど父さん母さん、コルネちゃんにユリアちゃんも、一緒に戻る。
 母さんは静かで医療面で充実している環境での出産を望んでここに来たけど、無事に出産も終えた。
 コルネちゃんとユリアちゃんは、それにくっついてやって来た。
 父さんは、例の土地の調査という名目で大勢の騎士さんや兵士さん達を連れてやって来たんだけど、目的は果たした。
 ならば、さっさと帰って国王陛下に報告せにゃならんって事なのだ。
 ま、俺がホワイト・オルター号で王都へと送れば簡単な話なんで、それはいい。
 ただ問題は、例の土地からボーディー達が統治するパンゲア大陸へと移民した人達の中に、この派遣されてきた騎士さんや兵士さんと恋愛的な意味で仲良くなった人がいる事。
 こりゃ、早急に引き合わせにゃならんな。
 カップルになって王都へ行くもよし、アルテアン領に住むもよしだ。
 父さんとは、そこんとこ上手く詰めるとしよう。
 さて…王都帰還組に関しての話はこれでいい。
 たとえ西からお日様が昇っても、これでいいのだ!
 だが、そんなことよりも大きな問題が1つ残っている。 
 それを今からこの場で、全員の前で伝えねばならない。
 非常にそれを言うのは心苦しいものがあるのだが、それでも言わねばならない!
「最後に、とても重要な話をしたいと思う」
 なので、俺は意を決して食堂に集まった皆を見回し、口を開いた。
「俺が覚醒するために、絶対に必要な超重要なお話だ!」
 その言葉に、全員が一斉に唾を飲み込む音が聞こえた…ような気がした。
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