システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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現実は違うのか?

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 まあ、そんな前世の知識をひけらかした所で、俺とユズユズ夫婦にしか理解はできないのである。
「じょうじょうぷっごう?」「しょうじょぷっちょー?」「じょ…じょじょぶっちょではないかと…?」「しょうじょえーに聞こえましたが?」「はっはっはー! しょうじょぶっくおーだな!」
 うん、誰が誰の言葉とは言わないが、我が嫁ーずの言葉だ。
「にゃんぽっとじじゃい?」「な、なんぼっちょうじだいって、いつの事でしょうか?」「あら、きっと遠い異国の昔の事よ?」
 わが妹ずと母さんも、何を言ってるんだろう?

 小乗仏教も南北朝時代も、この世界に存在しない言葉なんで、どうやら自動翻訳はされてない様だ。
 この世界のどこの誰が何語を話していても自動翻訳されるという、この世界の人々の持つとんでも能力も全能では無かったという事らしい。
 まあ、意味ある言葉で無ければ自動翻訳されないんだから、こういった固有名詞が翻訳されないのも当然か。
 俺が言葉の意味を教えたら、きっと正確に翻訳されるんだろうけど…今は面白いから教えないでおこうかな。

「いいですか、奥様方。小乗仏教というのはですね…」
 って、おーーーーーい! ユズキが説明しちゃうのかよ!
 お前、そんな知識あったのか? なら、何で精進料理なんて教えたんだ!? 
「大奥様、コルネリアさま、ユリアーネ様。実はですねぇ南北朝時代ってのはぁ、むか~しとある大陸の南と北に王朝があってぇ~…」
 ちょい待て! ユズカってば、もしかして世界史とか得意なのか? お前って、お馬鹿キャラじゃなかったのか!?
 
 いや、別に俺の…お前達にとっては元の世界か…の知識を広げるのは構わないけど、それってこの世界でも通用すんの?
 それを知ったからって、この世界に生まれ育った皆が、果たして喜んだりするの? 
 何か、この世界の文化とか発展したりすんの?
 しないよねぇ? いや、精進料理は特殊ではあるけど料理なんだから、もしかしたらドワーフさん達に教えたら、芸術品にまで昇華してくれる可能性は高いとは思うけど、南北朝時代とか全然関係ないよね?
 それに、俺的にはやっぱ南朝の楠木正行とかが居た日本の南北朝時代の方が好きだなぁ…いや、それは関係ない!
 日本の学校で習う世界史とか、この世界では絶対に意味ないからな!?

「なるほど…では、トールさまが目指すべきは、神や仏なのですから、大乗仏教の教えの方が正しいのではないでしょうか?」
「確かに! ユズキの話では、小乗仏教では鍛錬を重ねても神へと至れないとの事ですものね!」
「では…精進料理は、絶対不可欠というわけでは無い?」
「そうですね。まあ、多少我欲を律する必要があるらしいので、夜の夫婦生活は自重が必要かと」
「ふ~~む。そっち方面で覚醒出来ないだろうか?」
 え、嫁ーずは、小乗仏教と大乗仏教の違いを理解したってのか!?
 ってか、ユズキはそこまで詳しかったのかよ? なら、何であんな中途半端な知識を…?

「よく理解できました。では、北と南で2つの王朝がずっと支配していたわけでは無いのですね?」
「つまりは、北部と南部でそれぞれの地域の支配権を争った国々があって、常に南北それぞれ1国が支配していたと」
「ぐぅ…すぅ…すぴぃ…」
 母さんもコルネちゃんも、そこまで理解進んでんの!?
 え、待って! ユズカって、そこまで詳しいの? 嘘だろ!?
 んで、ユリアちゃんは話に付いて行けずにおねむになったと…。まあ、お腹膨れた後だしね…仕方ないか。

『概ね理解できました!』
 うん、アルテアン家の女傑は、全員俺よりも頭が良い気がして来ました。
 俺より絶対に記憶力とか理解力とか上だよね?
 あ、IQが高いんだろうね…。
 普通さ、ラノベとかだと前世の記憶持ちの転生者って、知識チート無双できちゃうぜ~! とかなるけど、現実は違うのか?
 それより…もしかして根本的に俺の頭が悪いのかも知んないな…がっくし…。  
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