システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

過保護過？

「俺がやらなきゃならないのはわかったけどさ…同位体って、どんぐらいいるんだろう？」
　確か次元世界は数多有るとか言ってたよな？　それの全てに同位体がいたりしたら…俺、破裂せん？　
「そうですねぇ…そんなに数は多くないと思われますよ」
　そうなん？
「うむ。もともとのエネルギー体からの分裂にも限りがあるのじゃ。次元世界はそれこそ無数に存在するが、お主の同位体は精々数百が限界じゃろう」
　ボーディ、立ち直りやがった…。
「でも数百も俺がいるのかぁ…何か複雑だなぁ…」
　行ってみれば、俺のコピーが数百存在するって事だろ？
　んで、そいつらが俺と合体したいと…。
　絶対に気持ちのいいもんじゃねーわな？
「それについても調査中ですが、もしかするとかなり数は減るかも知れません」
「えっ、減るの？」
「詳細はもう少し調査が進んでからにさせて下さい」
　何故か愁いを帯びた顔をしたモフリーナに、俺はただ頷くことしか出来なかった。

「では、本日はそろそろお暇するのじゃ。ここでなら何時でも覚醒して良いからの」
「ご家族にこれまでの話をするもしないも、トールヴァルド様にお任せします」
「…帰る…」
　ボーディさんよ、何時でも覚醒して良いって…そんなに簡単に出来るもんでもないだろうに。
　まあ、家族には一応話をするつもりですよ、モフリーナさん。
　えっと…モフレンダは、何しに来たの？
　そんなこんなで、ダンジョンマスターズは、長々と電波な話をして帰って行った。
　きちんと廊下で控えていたドワーフメイドさん達が、裏庭の例の門の前まで送ってくれた。

　いや～、本当に長かったなぁ～。
　実質１時間少々なんだけど、アニメだと数話分ぐらい消費した気がする。
　どっかの分譲マンションの708号室で、普段寡黙な美少女が電波な話をするのとは訳が違うからなぁ。
　あれ？
　そういや、あの時の眼鏡読書美少女の話って、情〇統合思念体とハ〇ヒの話だったよな？
　今の俺の立場だったら、俺が情報統〇思念体に近い存在？　
　もしくは、対有機生命体コン〇クト用ヒューマノイド・インターフェースって感じかな？
　いやいや、それはサラとリリアさんだよな。
　って事は、やっぱ俺が情報〇合思念体なのか？
　……どうでもいいや。
　今日は疲れたから、家族への説明は明日にしよう。
「そういう事で、皆への説明は明日に行うんで、周知お願いね」
　俺が虚空へ向かって手を振ると、天井近くの空間が歪み、妖精＆もっち君が次々と姿を現した。
　心配性なナディア達だったら、絶対に見張りを部屋の中に置いてると思ってたよ。
「って、多いな！？」
　おいおいおい、何人（？）隠れてたんだよ！　数が多すぎないか？　　
　妖精＆もっち君合わせて30人（？）近くも居るんですけど。
　まあ、もしもの場合には俺を守ってくれるんだろうけど、ちょっと過保護過ぎやしませんかねぇ。
　一応、俺ってこの屋敷の中では一番強いと思うんよ…多分…。
「ま、別にいっか。んじゃ、今日はこれでお仕事お終い。皆もお疲れさん！」
　俺が妖精＆もっち君にそう声を掛け、応接室の扉を開けると、次々と廊下へと飛び出していった。
　全員で同じ方向に向かって飛んで行ったところを見ると、多分ナディア達の元へと向かったんだろう。
　んじゃ、俺は寝室にでも向かうとしよう。
　願わくば、今夜は一人でゆっくり寝れますように。
　どうにも首と肩が凝ってて、そこからちょっと頭痛になっちゃってるんだよね。
　今夜ぐらいは、ゆっくりのんびり良い睡眠を取りたいものです。
　これって、儚い願いだろうか…？