システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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もう付いて行けません…

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「いいいか、よく聞くのじゃ? 次元世界が交わると、対消滅を起こす可能性があるのじゃ」
 対消滅っていうと、素粒子と反粒子が合体して元の粒子が消滅しちゃって、別の物になるっていうアレの事?
「お主、微妙な事には詳しいのぉ…」
 ボーディ、お前やっぱ俺の考え読めるだろ?
「本来の意味での対消滅とは話が違うが、言ってみれば二つの次元世界が合体して別の世界へと変化する…かも知れぬ可能性があるという事じゃ。その時、その次元世界の仲に存在する物質や生命体にどのような変化が起きるかは予測も想像も出来んというわけじゃ。つまりは、完全な他人事というわけでは無いぞよ?」
 ふむ…確かにそれは大事だな。
「んで、何でそれが判ったんだ?」
「あ奴が仕出かそうとしておる事かや?」
「そう。何でこの世界からエネルギーを奪って、もう一個新しい世界を創り出そうとしてるのが分かったん?」
 俺の頭がオーバーヒートしそうな壮大なスケールの話は一旦置いといて、取りあえず局長のやってる事から考えるべ。
「トールヴァルド様。輪廻転生管理局もそうですが、私達が所属する解放魂魄統括庁も、この世界にだけ存在します」
 ボーディに問いかけたはずだけど、モフリーナが答えてくれた。
「ん?」
 でも、何が言いたいのか良く分からん。
「この数多の次元世界の全ての魂を余す事無く統括し管理しているのが我々です。例え蟲の魂1つですら」
 …そりゃすげぇ…。
「無論、蟲などの魂のエネルギー保有量は限られてますので、そう簡単に高次や上位の生命体への転生は出来ませんが…」
 って事は、蟲は生まれ変わっても蟲なのかな? それはそれで可哀そうだな…。
「なので、必然的に管理する対象は、高次もしくは上位生命体になります。まあ、上位や高次の生命体という定義が次元世界によって違いますので、蟲の類であっても高等な生命体である事もありますので、一概には言えませんが」
 また頭がパンクしそうになってきた…。
「今はトールヴァルド様の身近なこの星で例えますと、管理対象となっているのは、人、爬虫類、哺乳類、鳥類や、あとはそれぞれから進化したり変質した魔物と呼ばれる存在でしょうか。魚介類や蟲等は残念ながら対象外です」
 爬虫類って…トカゲとか蛇もなのか…。
「それらの魂を管理するのが我々の所属組織の仕事です。そして常に監視と観察をしているのですが、統括庁が異常な次元世界間の接近を観測しました」
 ほう?
「次元世界の間隔は絶対に接触しない距離でした。新たな次元世界が生まれたとしても、接触しない場所に生まれる…のが次元世界を擁する真なる世界の理で、それは絶対的真理と我々は考えておりました」
 モフリーナさん…頭の中がこんがらがって来ました…俺…。 
「それが、一部の次元世界同士が異常接近していたのです。なので原因を探ろうとしたところ、管理局に次元世界間を保持するためのエネルギーが流れ込んでいたのです」
 うん、もう付いて行けません…。
「統括庁が管理局を内密に調査しましたが、局自体ではエネルギーを集めては居ませんでした。組織では行ってはいない…では、組織以外でその様な大それた事が出来る存在は?」
 ここまで聞いて、何となくモフリーナの言いたい事は伝わって来たぞ。
「つまりは、管理局長単独か、局長に従っている者と一緒に…って事か?」
「その通りなのじゃ!」
 またボーディが、意味不明に胸張って威張ってるなぁ…。
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