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「な~るほどねぇ。私達のボディの電池と頭脳をリサイクルして、新しいボディに移す。んで、私達の精神体をその後で移す…ね」
「ええ、その通りです。あのひよこ達のボディを一時的にでも借りる事が出来れば、あとはダンジョンマスター達が新たなボディを造りだしてくれるはずです」
サラが何を納得したかというと、つまりはひよこ達のボディ(サイバネティクス・ボディであったと仮定して)に一旦、自分達の精神体を移し替え、その後で現在のボディに搭載されている超小型ポジトロン電子頭脳と複合素粒子電池のリサイクルを行ったうえで、新たなボディに搭載し、そこに精神体を再度収めるという荒業だ。
「でも、問題点もあります。第一に、あのひよこ達のボディを手に入れられるかどうか。第二にダンジョンマスター達が、電子頭脳と素粒子電池のリサイクルが出来るかどうか…ですね」
「確かに…リリアの言う通り…。あ! でも、あのユリアーネちゃんのボデ製作は上手くいったと思うけど、けど?」
確かにアルテアン家の次女であるユリアーネは、ダンジョンマスター達によって作り出された人工的なボディである。
しかし、この世界の生命体に限りなく近づけようと努力した結果、サラ達の様な高性能な電子頭脳も素粒子電池も搭載されていない。
この世界の人族と比較すると、肉体的にはかなりの高性能なユリアーネのボディではあるが、一般的な人族と同じように寿命もあるし、管理局との通信も出来無し、無論だがシールドも使えない。
単に高エネルギー体を収めるための、高性能な肉体であると言うだけだ。
「彼女の肉体は、確かに成功と言えるかもしれませんが…同じようなボディに我々が入ってしまうと、もう二度と管理局へはアクセスも出来なくなりますし、防御能力の最大の要であるシールドも使用出来なくなりますよ?」
まあ、管理局へのアクセスはともかく、ユリアーネちゃんの防御にシールドが必要かどうかは疑問が残る所だが…。
「そっかぁ…。あっちに残して来た本体にも未練はありますけどねぇ。ま、別に精神体が消失しなければ私は良いかな」
意外とあっけらかんとしたサラの物言いに、リリアも苦笑いをするしかない。
「本体とは言っても、実際には単なるエネルギーの塊ですし。私もこの世界も生活も結構気に入ってますから、管理局に戻らなくても良い気がしてました」
何故なら、リリアも同じ様な考えになっていたのだから。
「でも、そうしたら大河さんのエネルギー変換球は、もう使えなくなるんじゃ…?」
トールの言うところのガチャ玉は、これまで創造時に管理局の許認可が必須であった。
なので、管理局にアクセスできなくなってしまった現状では、もう変換球を使っての創造が出来なくなるのではないかと、サラは心配したのだが…。
「それなんですけど…何で管理局の許認可が必要なんでしょうか?」
「へっ?」
「いえ、あれを使う時には、確かにしっかりとしたイメージが必要ですけれど、管理局の許可って何で必要なのでしょうか?」
「えっと…そういう物だから…じゃないの?」
「サラはあのエネルギー変換球に関して何も聞いて無いのですか?」
「えっとぉ…」
元々サラは、大河芳樹が転生する時に管理局長が転生特典として与えた便利グッズ詰め合わせのナビとしてこの地に派遣されていた。
ナビというぐらいなので、適切に使用できるように助言したりするのが仕事だと思っていたのだが…。
「もしかすると、貴女はあの球の使用に関して無意識に制限をするように、管理局長に仕向けられたのではないでしょうか?」
ここに来て、漸くリリアもダンジョンマスター達と同じ結論にたどり着いた。
「む、無意識に?」
「そうです。管理局が許可を出さなければ創造が出来ないと、貴女自身が局長によって思い込まされてた…いえ、もしかしたら洗脳されてたのではないでしょうか」
「そんな馬鹿な…」
サラがこの世界にナビとして送り込まれた時、局長はあの球の使い方を教えてくれた。
その時は、必ず管理局に許可を取る様にと念を押されたのだが…。
「私は、そもそもあの球に使用制限があるとは思えないのですよ。イメージを具現化するために使用するエネルギー量と球の種類に関しては、確かに慎重になるべきだとは思います。ですが、どう考えても辻褄が合わない事があるんです」
「つ、辻褄?」
「ええ。だって、あの球で別種の球を生み出せるんですよ…。おかしくないですか?」
「えっと、それの何処がおかしいの?」
「まだ分りませんか? 要は彼のエネルギーの続く限り、球は幾らでも生み出せるのです。それこそ無限に」
トールのエネルギーは、いくら使っても自動的に回復する。
何故ならば、どこか別の次元の別の空間にある、彼の本体からエネルギーを引っ張り出しているのだから。
そして使ったエネルギーは、管理局へと流れている。
と言う事は、やがてそれにも限界が来ると言う事。
だが、現在彼のエネルギー保有量に限界は見えない。
むしろ、彼に接触した者達の魂のエネルギーまで増やしてしまう程である。
ならば、ガチャ玉は無限に近い数生み出す事が出来、それを使用する事が出来る。
そんな事を管理局が許すだろうか?
「言われてみたら、確かにおかしいですねえ…」
さすがにここまで言われると、サラも違和感を覚える。
「まあ、エネルギー変換球を増やそうと考える事が、そもそも変なのですけれど…」
球を増やそうと言い出したのが、実はサラだった…などと、とても言い出せる雰囲気ではなくなったので、サラはただただ無言で頷くのであった。
「ええ、その通りです。あのひよこ達のボディを一時的にでも借りる事が出来れば、あとはダンジョンマスター達が新たなボディを造りだしてくれるはずです」
サラが何を納得したかというと、つまりはひよこ達のボディ(サイバネティクス・ボディであったと仮定して)に一旦、自分達の精神体を移し替え、その後で現在のボディに搭載されている超小型ポジトロン電子頭脳と複合素粒子電池のリサイクルを行ったうえで、新たなボディに搭載し、そこに精神体を再度収めるという荒業だ。
「でも、問題点もあります。第一に、あのひよこ達のボディを手に入れられるかどうか。第二にダンジョンマスター達が、電子頭脳と素粒子電池のリサイクルが出来るかどうか…ですね」
「確かに…リリアの言う通り…。あ! でも、あのユリアーネちゃんのボデ製作は上手くいったと思うけど、けど?」
確かにアルテアン家の次女であるユリアーネは、ダンジョンマスター達によって作り出された人工的なボディである。
しかし、この世界の生命体に限りなく近づけようと努力した結果、サラ達の様な高性能な電子頭脳も素粒子電池も搭載されていない。
この世界の人族と比較すると、肉体的にはかなりの高性能なユリアーネのボディではあるが、一般的な人族と同じように寿命もあるし、管理局との通信も出来無し、無論だがシールドも使えない。
単に高エネルギー体を収めるための、高性能な肉体であると言うだけだ。
「彼女の肉体は、確かに成功と言えるかもしれませんが…同じようなボディに我々が入ってしまうと、もう二度と管理局へはアクセスも出来なくなりますし、防御能力の最大の要であるシールドも使用出来なくなりますよ?」
まあ、管理局へのアクセスはともかく、ユリアーネちゃんの防御にシールドが必要かどうかは疑問が残る所だが…。
「そっかぁ…。あっちに残して来た本体にも未練はありますけどねぇ。ま、別に精神体が消失しなければ私は良いかな」
意外とあっけらかんとしたサラの物言いに、リリアも苦笑いをするしかない。
「本体とは言っても、実際には単なるエネルギーの塊ですし。私もこの世界も生活も結構気に入ってますから、管理局に戻らなくても良い気がしてました」
何故なら、リリアも同じ様な考えになっていたのだから。
「でも、そうしたら大河さんのエネルギー変換球は、もう使えなくなるんじゃ…?」
トールの言うところのガチャ玉は、これまで創造時に管理局の許認可が必須であった。
なので、管理局にアクセスできなくなってしまった現状では、もう変換球を使っての創造が出来なくなるのではないかと、サラは心配したのだが…。
「それなんですけど…何で管理局の許認可が必要なんでしょうか?」
「へっ?」
「いえ、あれを使う時には、確かにしっかりとしたイメージが必要ですけれど、管理局の許可って何で必要なのでしょうか?」
「えっと…そういう物だから…じゃないの?」
「サラはあのエネルギー変換球に関して何も聞いて無いのですか?」
「えっとぉ…」
元々サラは、大河芳樹が転生する時に管理局長が転生特典として与えた便利グッズ詰め合わせのナビとしてこの地に派遣されていた。
ナビというぐらいなので、適切に使用できるように助言したりするのが仕事だと思っていたのだが…。
「もしかすると、貴女はあの球の使用に関して無意識に制限をするように、管理局長に仕向けられたのではないでしょうか?」
ここに来て、漸くリリアもダンジョンマスター達と同じ結論にたどり着いた。
「む、無意識に?」
「そうです。管理局が許可を出さなければ創造が出来ないと、貴女自身が局長によって思い込まされてた…いえ、もしかしたら洗脳されてたのではないでしょうか」
「そんな馬鹿な…」
サラがこの世界にナビとして送り込まれた時、局長はあの球の使い方を教えてくれた。
その時は、必ず管理局に許可を取る様にと念を押されたのだが…。
「私は、そもそもあの球に使用制限があるとは思えないのですよ。イメージを具現化するために使用するエネルギー量と球の種類に関しては、確かに慎重になるべきだとは思います。ですが、どう考えても辻褄が合わない事があるんです」
「つ、辻褄?」
「ええ。だって、あの球で別種の球を生み出せるんですよ…。おかしくないですか?」
「えっと、それの何処がおかしいの?」
「まだ分りませんか? 要は彼のエネルギーの続く限り、球は幾らでも生み出せるのです。それこそ無限に」
トールのエネルギーは、いくら使っても自動的に回復する。
何故ならば、どこか別の次元の別の空間にある、彼の本体からエネルギーを引っ張り出しているのだから。
そして使ったエネルギーは、管理局へと流れている。
と言う事は、やがてそれにも限界が来ると言う事。
だが、現在彼のエネルギー保有量に限界は見えない。
むしろ、彼に接触した者達の魂のエネルギーまで増やしてしまう程である。
ならば、ガチャ玉は無限に近い数生み出す事が出来、それを使用する事が出来る。
そんな事を管理局が許すだろうか?
「言われてみたら、確かにおかしいですねえ…」
さすがにここまで言われると、サラも違和感を覚える。
「まあ、エネルギー変換球を増やそうと考える事が、そもそも変なのですけれど…」
球を増やそうと言い出したのが、実はサラだった…などと、とても言い出せる雰囲気ではなくなったので、サラはただただ無言で頷くのであった。
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