システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
1,103 / 1,466

教育の必要性

しおりを挟む
 ヒナとミヤは、そう時間もかからず目覚めた。
 ただ、異様に我が家の女性陣を恐れていたのだが、そこは…まあ、仕方ないかもしれない。
「それじゃ、2人共。出番が来るまで、ちゃんと待機しててくれるかな?」
 いいとも~! なんて返事は期待してませんよ。
 2人は黙って頷いたあと、その場で目を瞑ると、この場から本当にいきなり姿を消した。
 誰からとは言わないが、もしかしたら、逃げた…のかもしれない。 
 次に呼ぶときは、女性陣が居ない所で呼び出そう。

 ヒナとミヤが居なくなり、女性陣も冷静さを取り戻したように見える。
 ダンジョンマスターによる調整って、本当に何を調整したんだろうかと考えてしまう。
 確かにミヤに発声機能が搭載されたし、幾分聞き分けも良くなったような気がする。
 だけど、同じ仕様で調整されてやって来たヒナに関しては、ちょっと疑問が残る。
 だって、いきなり空気を読まない発言だぞ?
 もしかして毒舌機能も追加搭載されたのか?
 それなら、発声機能なんて付けない方が良かったんじゃないだろうか。
 俺にだけ聞こえていたのなら、俺が気を付けてさえいれば女性陣が激怒する事も無かっただろう。
 いや、もしや単に無邪気なだけなのか? 
 実は悪意とか全く無く、感じたまま言っただけの事なのか?
 幼女だしな。
 あの年頃の子供って、確かに場の空気とか読んだりしないし、禁句とか考えて会話したりしないもんな。
 無邪気に感じたまま声に出すのは、普通の事かもしれない。
 ヒナもミヤって、ちょっと大人っぽい感じがしたから、空気読め! って思ったけど、子供だもんな。
 前世で呼んでたラノベとかだったら、用事でも大人っぽい考え方したりするのが普通だったけど、リアル幼女にそんな事を求めたって駄目なのは当たり前だ。
 子供を教え導くのは、い俺達の様な大人の仕事だもんな、うん。
 そう考えると、あんな子供の失言1つに目くじら立てて集団で説教した我が家の女性陣の方が子供なのかもしれない。

「ミヤとヒナは、これから色々と教えなきゃな」
 そうは思っても、俺が嫁ーずや妖精達に面と向かって文句を言えるはずも無く(色々と怖いから)、こんな無難な言い回しになってしまうのは仕方ない事ではないでしょうか?
「そうですね。2人には折を見て、きちんと教育を施さねばなりませんね」
 俺の言葉に、メリルがそう答える。
「理解力はある様ですから、常識を教えれば問題ないでしょう」
 マチルダも、メリルの言葉に大いに頷き賛同した。
「うむ。2人にはきっちりとその身に刻みこんでやろう!」
 イネスは、やたらと前のめりだ。
 …マチルダとイネスが、一番年齢年齢に関しては気にしているからな。
「はっ! お、お義母さまに…変な事を言う前に…教えないと…」
 ミレーラの言葉で、この場の空気が一瞬で張り詰めた。
「た、確かに! ミレーラさん、確かにその通りです!」
 ミルシェが、ヒナとミヤが母さんに対してババア…いや、年増…ではなく、要らん事を言った場面を想像したのだろう。 
 真っ青な顔で点を仰ぎながら叫んだ。
「ミレーラさん、ナイスです! トールさま、帰る前に一度じっくりと2人に行っていいことと悪い事を教え込みましょう!」
 俺に向かって、メリルが家に帰る前に2人を呼び出せと言う。
「お…恐ろしい…何て恐ろしい事を…」「「「…絶対にそれだけは駄目です…」」」
 ナディアもアーデもアームもアーフェンも、その場面を想像してか、青い顔をしてガタガタと震え始めた。
 だが、確かに俺も恐ろしい…想像するもの恐ろしい。
 なので、きちんと教育はしておいた方がいいだろう。
 それが例え数時間だけの事になろうとも!
「分かった。帰るまでに、まとまった時間をとって、2人を召喚しよう。教育は皆に任せてもいいかな?」
 真面目な顔で俺がそう言うと、
『いいともー!』
 全員が声を揃えて、そう答えた。  
 …その返しって、異世界でも通用するのね…。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...