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そんな事言う?
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「真っ白だな…」
モフレンダの後ろから姿を現したのは、どっからどう見ても真っ白なミヤ…じゃなかった、ヒナだった。
調整前のヒナは、着物の生地こそ白がベースだったが、その他はミヤと見分けがつかない程にそっくりだった。
だが、今目の前にいるのは、真っ白な髪の毛になった、新たなヒナ? だった。
「えっと、真っ白というのは言い過ぎでは無いかと? 他の色も…」
そう言ったのはメリルだ。
「えっ?」
言われて俺もよくよく見ると、確かに真っ白は言い過ぎかもしれない。
何せ、瞳の色は透ける様な赤色だし、唇もまるで舞妓さんが紅をひいた様な赤色。
だけど、やっぱりミヤよりも肌は透ける様に白味がきつく出ているので、真っ白という印象は間違いではない気もするのだが…。
「ふむ、そ奴の言う事も間違いではない。ヒナはあらゆる体組織から色素を極限まで調整してあるでのぉ、白く見えるのも当然じゃ」
ボーディがヒナを指しながらそう説明する。
色素を抜く? 色素が薄い? それって、昔聞いた事あるぞ!
確かアルビノ…確か動物だったら、メラニン沈着色素で、植物だったら光合成色素の欠乏症状の事じゃなかったっけ?
動物だとアルビノは障害を持ってる事が多いし、植物だったら一代限りで種子は出来ないとか…。
ヒナは一応は動物の範疇に入るはずだから、もしかしたら何か障害があるのか。
「ほう、お主はこういった状態の動物に関しての知識があるようじゃのぉ」
ヒナをじっと見つめていた俺に、ボーディが問いかけた。
いや、問いかけたというよりも、確信を持って俺に言ったって感じかな。
「ああ、少しだけな。メラニンって色素を生まれつき生み出せない遺伝子的な病だとだけはな。こういった症状の人は、かなりの確率で何らかの障害を持ってしまっているという事も…な」
俺はどんな病を持っていようとも、それを理由に差別をする事は絶対に無い。
だけど、ずっと昔に、TVでアフリカで黒人のアルビノ症の人達の腕や足、そして脳までもを切り取り呪術の媒体として売買するアルビノ狩りって言う、おぞましいドキュメントっぽい物を見た事がある。
この世界に、そんな反吐が出る様な事を仕出かす輩は居ないと思う。
だが、それでも…もし、そんな馬鹿な奴がこの世界に居たら?
エネルギーを分け与え、名前まで付けたこのヒナが、そんな馬鹿な奴らに狙われりしたら?
その時、俺はどうするだろう?
俺は…俺は…。
その時どんな顔をしていたかは、当然ではあるが俺には見えないし分からない。
だけど、かなりひどい顔だったんだろう。
両隣にいたメリルとミルシェが、泣きそうな顔でそっと俺の事を抱きしめいた。
他の家族達も、メリルやミルシェと同じような顔をしていた。
「…ごめん…心配させたか…?」
何とかそれだけを絞り出す様にメリルに向かって呟いた。
「トールさま。どうか考えている事を私達に仰ってください。お1人で苦しまないでください。私達は皆家族なのです」
「そうです! トールさまの苦しみは私達の苦しみです!」
「…トールさまの悲しみは私の悲しみ…」
「トールさまの怒りは、私達の怒りです」
「そうだな、トールさまの敵は我々アルテアン家の敵だ!」
メリルが、ミルシェが、ミレーラが、マチルダが、そしてイネスがそう言った。
「マスターのお考えと悲しみは、私達にも十分すぎる程に伝わりました…」
「「「マスター…苦しまないで…」」」
ナディアが俺の思考意を読んだのだろう。
アーデ、アーム、アーフェンも、また同じ様に。
「ああ、そうだな…悪かった。ごめんな、みんな」
皆に向かって頭を下げた時、少しだけ皆の優しさに涙が滲んだ。
「うぅん、ごほん! あ~非常に言い難いのじゃが、ヒナが白いのは、決してお主が考えておるような病とかではないぞ? 単に、髪の毛や肌の色調を白味を強くしただけじゃからな? 瞳や唇が赤く見えるののも同じ事じゃからな?」
え?
「じゃから、機能的には何の問題も無いぞよ?」
ボーディの説明によると、TVとかパソコンのモニターの色調整の様な事をしただけらしい。
だから、俺の記憶にある様な事は無い…っと?
えっと、家族の心が1つになったこの状態で、そんな事言う?
俺、この後どうしたらいいんだ?
不意に俺の肩を誰かがポンポンっと叩いた。
振り返ると、ミヤが何故か何かを悟った様な顔で、うんうんと小さく頷いていた。
モフレンダの後ろから姿を現したのは、どっからどう見ても真っ白なミヤ…じゃなかった、ヒナだった。
調整前のヒナは、着物の生地こそ白がベースだったが、その他はミヤと見分けがつかない程にそっくりだった。
だが、今目の前にいるのは、真っ白な髪の毛になった、新たなヒナ? だった。
「えっと、真っ白というのは言い過ぎでは無いかと? 他の色も…」
そう言ったのはメリルだ。
「えっ?」
言われて俺もよくよく見ると、確かに真っ白は言い過ぎかもしれない。
何せ、瞳の色は透ける様な赤色だし、唇もまるで舞妓さんが紅をひいた様な赤色。
だけど、やっぱりミヤよりも肌は透ける様に白味がきつく出ているので、真っ白という印象は間違いではない気もするのだが…。
「ふむ、そ奴の言う事も間違いではない。ヒナはあらゆる体組織から色素を極限まで調整してあるでのぉ、白く見えるのも当然じゃ」
ボーディがヒナを指しながらそう説明する。
色素を抜く? 色素が薄い? それって、昔聞いた事あるぞ!
確かアルビノ…確か動物だったら、メラニン沈着色素で、植物だったら光合成色素の欠乏症状の事じゃなかったっけ?
動物だとアルビノは障害を持ってる事が多いし、植物だったら一代限りで種子は出来ないとか…。
ヒナは一応は動物の範疇に入るはずだから、もしかしたら何か障害があるのか。
「ほう、お主はこういった状態の動物に関しての知識があるようじゃのぉ」
ヒナをじっと見つめていた俺に、ボーディが問いかけた。
いや、問いかけたというよりも、確信を持って俺に言ったって感じかな。
「ああ、少しだけな。メラニンって色素を生まれつき生み出せない遺伝子的な病だとだけはな。こういった症状の人は、かなりの確率で何らかの障害を持ってしまっているという事も…な」
俺はどんな病を持っていようとも、それを理由に差別をする事は絶対に無い。
だけど、ずっと昔に、TVでアフリカで黒人のアルビノ症の人達の腕や足、そして脳までもを切り取り呪術の媒体として売買するアルビノ狩りって言う、おぞましいドキュメントっぽい物を見た事がある。
この世界に、そんな反吐が出る様な事を仕出かす輩は居ないと思う。
だが、それでも…もし、そんな馬鹿な奴がこの世界に居たら?
エネルギーを分け与え、名前まで付けたこのヒナが、そんな馬鹿な奴らに狙われりしたら?
その時、俺はどうするだろう?
俺は…俺は…。
その時どんな顔をしていたかは、当然ではあるが俺には見えないし分からない。
だけど、かなりひどい顔だったんだろう。
両隣にいたメリルとミルシェが、泣きそうな顔でそっと俺の事を抱きしめいた。
他の家族達も、メリルやミルシェと同じような顔をしていた。
「…ごめん…心配させたか…?」
何とかそれだけを絞り出す様にメリルに向かって呟いた。
「トールさま。どうか考えている事を私達に仰ってください。お1人で苦しまないでください。私達は皆家族なのです」
「そうです! トールさまの苦しみは私達の苦しみです!」
「…トールさまの悲しみは私の悲しみ…」
「トールさまの怒りは、私達の怒りです」
「そうだな、トールさまの敵は我々アルテアン家の敵だ!」
メリルが、ミルシェが、ミレーラが、マチルダが、そしてイネスがそう言った。
「マスターのお考えと悲しみは、私達にも十分すぎる程に伝わりました…」
「「「マスター…苦しまないで…」」」
ナディアが俺の思考意を読んだのだろう。
アーデ、アーム、アーフェンも、また同じ様に。
「ああ、そうだな…悪かった。ごめんな、みんな」
皆に向かって頭を下げた時、少しだけ皆の優しさに涙が滲んだ。
「うぅん、ごほん! あ~非常に言い難いのじゃが、ヒナが白いのは、決してお主が考えておるような病とかではないぞ? 単に、髪の毛や肌の色調を白味を強くしただけじゃからな? 瞳や唇が赤く見えるののも同じ事じゃからな?」
え?
「じゃから、機能的には何の問題も無いぞよ?」
ボーディの説明によると、TVとかパソコンのモニターの色調整の様な事をしただけらしい。
だから、俺の記憶にある様な事は無い…っと?
えっと、家族の心が1つになったこの状態で、そんな事言う?
俺、この後どうしたらいいんだ?
不意に俺の肩を誰かがポンポンっと叩いた。
振り返ると、ミヤが何故か何かを悟った様な顔で、うんうんと小さく頷いていた。
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