システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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れっつらごー!

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 さて、このパンゲア大陸での一夜が明けた。
 俺の邸で朝を迎えてから、都合で半日ちょっとでまた朝を迎えた事になるのだが…嫁ーずは本日もとっても良い肌艶です。
 ちなみにナディア達は、あれからずっと4人でこそこそと話しているようだが、内容を聞く勇気など俺には無い。
 そっとしておこう…。

 休めたんだかどうだか良く分からない時間を過ごして迎えた、今日の良き日。
 嫁ーずとナディア達には、頑張ってダンジョンアタックをしてきて欲しいと思う。
 Lシリーズ を実戦で色々と使って試してもらわないとね。
 ああ、メリルとミルシェはお留守番。
 そりゃ、安定期に入ったとはいえ、妊婦をダンジョンに向かわせるわけには行かないから、当然といえば当然だよな。
 ちなみに俺は、ボーディ達とミヤに関してのお話がある。
 あの性格がどの様な仕上がりになったのかが気になったんでね。
 確かにもの凄い戦闘力なんだが、あのままの性格だとちと使い難い。
 さ~って、ダンジョンマスター達がどう手を入れたのか、どう変わったのか見ものだな。

 朝食はもふりんが、あまり思い出したくない昨夜の晩餐のテーブルに配膳してくれていた。
 横一線に並んでの食事って、どうにも落ち着かないが…今度机の配置を変えてもらおう。
 今朝はダンジョンマスター達の姿が見えないけど、どうしたん?
「まちゅたーたちは、さいしゅうちょうせいのおおづめでち!」
 朝から元気いっぱいのもふりんが言うのだから、きっと忙しいのだろう。
 大詰めって事は、もう終わるのかな?
「かんてつでさぎょうちてまちゅので、もうおわるとおもいまちゅ!」
 だ、そうです。
 そっかぁ。ミヤはまだ調整中かぁ…。
 ちょっと硬めのパンを頬張りながら、俺は本日は何をしようかとぼんやりと考えていた。

「それじゃ俺は、今日はメリル達の戦いぶりでも見に行ってくるよ。2人はどうする?」
 っちゅー事で、本日の俺の予定は、嫁ーず&妖精達のダンジョンアタックの見学です。
「「私達は、のんびりと過ごします」」
 妊婦2人は、声を揃えてのんびり過ごすと返して来た。
 何でも刺繍道具を持って来ているので、静かで景色の良いこの部屋で、のんびりと刺繍をするのだとか。
 普段の事を考えると、微妙に2人には似合わない気がするのだが、間違ってもそんな事は言わない。
 無論、表情にも出ない様、最大限の注意を払っている。
 俺は空気が読める男なのだから!
「トールさま、絶対に何か変な事を考えてますわね…」「ええ、急に表情が消えましたからね…」
 こらこら、メリル君。何も考えてなど居ないからね。  
 ミルシェ君も、細かいチェックはしない様にしたまえ。
「「「ではトールさま、早速行きましょう!」」」
「「「「マスター、よろしくお願いします!」」」」
 元気でつやつやなお肌のミレーラ、マチルダ、イネスと、妙にそわそわしているナディアとアーデ、アームにアーフェン。
 うん、よく考えたら、この7人って俺の部屋に夜間襲撃して来た面子だよな…。
 何故だろう。
 ダンジョンでの俺の身に、危険が超迫ってるように感じるのは気のせいだろうか?
 背中に冷たい汗が流れるのは、きっと気のせいだと思う…事にしよう。
「き、君達…ダンジョンアタックするんだよね? そうだよね?」
『もちろんです!』
 この揃った返事と、7人の笑顔が怖い…。
 まさか、ダンジョンでなんて…俺、襲われないよね?
『さあ、れっつらごー!』
 ちょ、イネスもナディアも俺の両手をホールドしないで!
 逃げないから! 行くから! 自分で歩くから!
 ひーーきーーずーーるーーなーー!


 ちょうどトールがジタバタしていたその頃、ホワイト・オルター号はグーダイド王国の北に位置する高い山脈越をしようとしていた。
 5000m級の山々が連なる長大な連峰。
 そこを一気に飛び越えるのは、非常に難しい。
 無論、一度も飛行した事のない空を進むのだから、オートパイロットなどは使用でない。
 その為、サラはずっと操縦桿を握りしめていたし、リリアは少しでも山脈越えが出来そうな場所を探して、船窓から山脈を睨み続けていた。
 領都リーカの領主邸の前で、騎士や兵士達と共に、多くの物資を積み込んで飛び立ってから、もう半日近くが過ぎていたが、まだ山脈越えが出来そうなポイントは見つかっていない。
「サラ、これはちょっと進行方向を間違ったかもしれませんね」
 じっと窓から山脈を睨み続けていたリリアが、視線を動かす事無く操縦席に座るサラに向かって呟いた。
「う~~~ん…東向きは駄目そうですか。なら、今から西向きに進路変更します?」
 操縦桿を握るサラも、飛行船の左を流れる山脈を横目で見ながらそう答えた。
「その方が良いかも知れません。逆方向に飛んで、いっそ海側からアプローチするのも手かもしれませんね」
「了解了解! んじゃ180度回頭しまーす!」
 飛行速度を落としつつ、ゆっくりと飛行船を逆方向へと進路を変える為、サラは操縦感をゆっくりと横に倒した。
「私は大旦那様に、現状の報告をしてきます。まあ、事後報告なりますけれど、仕方ありませんね」
 リリアはそう言い残すと、キャビンを後にした。

 意外な事に、結構真面目に働いているサラとリリアであった。
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