1,082 / 1,466
れっつらごー!
しおりを挟む
さて、このパンゲア大陸での一夜が明けた。
俺の邸で朝を迎えてから、都合で半日ちょっとでまた朝を迎えた事になるのだが…嫁ーずは本日もとっても良い肌艶です。
ちなみにナディア達は、あれからずっと4人でこそこそと話しているようだが、内容を聞く勇気など俺には無い。
そっとしておこう…。
休めたんだかどうだか良く分からない時間を過ごして迎えた、今日の良き日。
嫁ーずとナディア達には、頑張ってダンジョンアタックをしてきて欲しいと思う。
Lシリーズ を実戦で色々と使って試してもらわないとね。
ああ、メリルとミルシェはお留守番。
そりゃ、安定期に入ったとはいえ、妊婦をダンジョンに向かわせるわけには行かないから、当然といえば当然だよな。
ちなみに俺は、ボーディ達とミヤに関してのお話がある。
あの性格がどの様な仕上がりになったのかが気になったんでね。
確かにもの凄い戦闘力なんだが、あのままの性格だとちと使い難い。
さ~って、ダンジョンマスター達がどう手を入れたのか、どう変わったのか見ものだな。
朝食はもふりんが、あまり思い出したくない昨夜の晩餐のテーブルに配膳してくれていた。
横一線に並んでの食事って、どうにも落ち着かないが…今度机の配置を変えてもらおう。
今朝はダンジョンマスター達の姿が見えないけど、どうしたん?
「まちゅたーたちは、さいしゅうちょうせいのおおづめでち!」
朝から元気いっぱいのもふりんが言うのだから、きっと忙しいのだろう。
大詰めって事は、もう終わるのかな?
「かんてつでさぎょうちてまちゅので、もうおわるとおもいまちゅ!」
だ、そうです。
そっかぁ。ミヤはまだ調整中かぁ…。
ちょっと硬めのパンを頬張りながら、俺は本日は何をしようかとぼんやりと考えていた。
「それじゃ俺は、今日はメリル達の戦いぶりでも見に行ってくるよ。2人はどうする?」
っちゅー事で、本日の俺の予定は、嫁ーず&妖精達のダンジョンアタックの見学です。
「「私達は、のんびりと過ごします」」
妊婦2人は、声を揃えてのんびり過ごすと返して来た。
何でも刺繍道具を持って来ているので、静かで景色の良いこの部屋で、のんびりと刺繍をするのだとか。
普段の事を考えると、微妙に2人には似合わない気がするのだが、間違ってもそんな事は言わない。
無論、表情にも出ない様、最大限の注意を払っている。
俺は空気が読める男なのだから!
「トールさま、絶対に何か変な事を考えてますわね…」「ええ、急に表情が消えましたからね…」
こらこら、メリル君。何も考えてなど居ないからね。
ミルシェ君も、細かいチェックはしない様にしたまえ。
「「「ではトールさま、早速行きましょう!」」」
「「「「マスター、よろしくお願いします!」」」」
元気でつやつやなお肌のミレーラ、マチルダ、イネスと、妙にそわそわしているナディアとアーデ、アームにアーフェン。
うん、よく考えたら、この7人って俺の部屋に夜間襲撃して来た面子だよな…。
何故だろう。
ダンジョンでの俺の身に、危険が超迫ってるように感じるのは気のせいだろうか?
背中に冷たい汗が流れるのは、きっと気のせいだと思う…事にしよう。
「き、君達…ダンジョンアタックするんだよね? そうだよね?」
『もちろんです!』
この揃った返事と、7人の笑顔が怖い…。
まさか、ダンジョンでなんて…俺、襲われないよね?
『さあ、れっつらごー!』
ちょ、イネスもナディアも俺の両手をホールドしないで!
逃げないから! 行くから! 自分で歩くから!
ひーーきーーずーーるーーなーー!
ちょうどトールがジタバタしていたその頃、ホワイト・オルター号はグーダイド王国の北に位置する高い山脈越をしようとしていた。
5000m級の山々が連なる長大な連峰。
そこを一気に飛び越えるのは、非常に難しい。
無論、一度も飛行した事のない空を進むのだから、オートパイロットなどは使用でない。
その為、サラはずっと操縦桿を握りしめていたし、リリアは少しでも山脈越えが出来そうな場所を探して、船窓から山脈を睨み続けていた。
領都リーカの領主邸の前で、騎士や兵士達と共に、多くの物資を積み込んで飛び立ってから、もう半日近くが過ぎていたが、まだ山脈越えが出来そうなポイントは見つかっていない。
「サラ、これはちょっと進行方向を間違ったかもしれませんね」
じっと窓から山脈を睨み続けていたリリアが、視線を動かす事無く操縦席に座るサラに向かって呟いた。
「う~~~ん…東向きは駄目そうですか。なら、今から西向きに進路変更します?」
操縦桿を握るサラも、飛行船の左を流れる山脈を横目で見ながらそう答えた。
「その方が良いかも知れません。逆方向に飛んで、いっそ海側からアプローチするのも手かもしれませんね」
「了解了解! んじゃ180度回頭しまーす!」
飛行速度を落としつつ、ゆっくりと飛行船を逆方向へと進路を変える為、サラは操縦感をゆっくりと横に倒した。
「私は大旦那様に、現状の報告をしてきます。まあ、事後報告なりますけれど、仕方ありませんね」
リリアはそう言い残すと、キャビンを後にした。
意外な事に、結構真面目に働いているサラとリリアであった。
俺の邸で朝を迎えてから、都合で半日ちょっとでまた朝を迎えた事になるのだが…嫁ーずは本日もとっても良い肌艶です。
ちなみにナディア達は、あれからずっと4人でこそこそと話しているようだが、内容を聞く勇気など俺には無い。
そっとしておこう…。
休めたんだかどうだか良く分からない時間を過ごして迎えた、今日の良き日。
嫁ーずとナディア達には、頑張ってダンジョンアタックをしてきて欲しいと思う。
Lシリーズ を実戦で色々と使って試してもらわないとね。
ああ、メリルとミルシェはお留守番。
そりゃ、安定期に入ったとはいえ、妊婦をダンジョンに向かわせるわけには行かないから、当然といえば当然だよな。
ちなみに俺は、ボーディ達とミヤに関してのお話がある。
あの性格がどの様な仕上がりになったのかが気になったんでね。
確かにもの凄い戦闘力なんだが、あのままの性格だとちと使い難い。
さ~って、ダンジョンマスター達がどう手を入れたのか、どう変わったのか見ものだな。
朝食はもふりんが、あまり思い出したくない昨夜の晩餐のテーブルに配膳してくれていた。
横一線に並んでの食事って、どうにも落ち着かないが…今度机の配置を変えてもらおう。
今朝はダンジョンマスター達の姿が見えないけど、どうしたん?
「まちゅたーたちは、さいしゅうちょうせいのおおづめでち!」
朝から元気いっぱいのもふりんが言うのだから、きっと忙しいのだろう。
大詰めって事は、もう終わるのかな?
「かんてつでさぎょうちてまちゅので、もうおわるとおもいまちゅ!」
だ、そうです。
そっかぁ。ミヤはまだ調整中かぁ…。
ちょっと硬めのパンを頬張りながら、俺は本日は何をしようかとぼんやりと考えていた。
「それじゃ俺は、今日はメリル達の戦いぶりでも見に行ってくるよ。2人はどうする?」
っちゅー事で、本日の俺の予定は、嫁ーず&妖精達のダンジョンアタックの見学です。
「「私達は、のんびりと過ごします」」
妊婦2人は、声を揃えてのんびり過ごすと返して来た。
何でも刺繍道具を持って来ているので、静かで景色の良いこの部屋で、のんびりと刺繍をするのだとか。
普段の事を考えると、微妙に2人には似合わない気がするのだが、間違ってもそんな事は言わない。
無論、表情にも出ない様、最大限の注意を払っている。
俺は空気が読める男なのだから!
「トールさま、絶対に何か変な事を考えてますわね…」「ええ、急に表情が消えましたからね…」
こらこら、メリル君。何も考えてなど居ないからね。
ミルシェ君も、細かいチェックはしない様にしたまえ。
「「「ではトールさま、早速行きましょう!」」」
「「「「マスター、よろしくお願いします!」」」」
元気でつやつやなお肌のミレーラ、マチルダ、イネスと、妙にそわそわしているナディアとアーデ、アームにアーフェン。
うん、よく考えたら、この7人って俺の部屋に夜間襲撃して来た面子だよな…。
何故だろう。
ダンジョンでの俺の身に、危険が超迫ってるように感じるのは気のせいだろうか?
背中に冷たい汗が流れるのは、きっと気のせいだと思う…事にしよう。
「き、君達…ダンジョンアタックするんだよね? そうだよね?」
『もちろんです!』
この揃った返事と、7人の笑顔が怖い…。
まさか、ダンジョンでなんて…俺、襲われないよね?
『さあ、れっつらごー!』
ちょ、イネスもナディアも俺の両手をホールドしないで!
逃げないから! 行くから! 自分で歩くから!
ひーーきーーずーーるーーなーー!
ちょうどトールがジタバタしていたその頃、ホワイト・オルター号はグーダイド王国の北に位置する高い山脈越をしようとしていた。
5000m級の山々が連なる長大な連峰。
そこを一気に飛び越えるのは、非常に難しい。
無論、一度も飛行した事のない空を進むのだから、オートパイロットなどは使用でない。
その為、サラはずっと操縦桿を握りしめていたし、リリアは少しでも山脈越えが出来そうな場所を探して、船窓から山脈を睨み続けていた。
領都リーカの領主邸の前で、騎士や兵士達と共に、多くの物資を積み込んで飛び立ってから、もう半日近くが過ぎていたが、まだ山脈越えが出来そうなポイントは見つかっていない。
「サラ、これはちょっと進行方向を間違ったかもしれませんね」
じっと窓から山脈を睨み続けていたリリアが、視線を動かす事無く操縦席に座るサラに向かって呟いた。
「う~~~ん…東向きは駄目そうですか。なら、今から西向きに進路変更します?」
操縦桿を握るサラも、飛行船の左を流れる山脈を横目で見ながらそう答えた。
「その方が良いかも知れません。逆方向に飛んで、いっそ海側からアプローチするのも手かもしれませんね」
「了解了解! んじゃ180度回頭しまーす!」
飛行速度を落としつつ、ゆっくりと飛行船を逆方向へと進路を変える為、サラは操縦感をゆっくりと横に倒した。
「私は大旦那様に、現状の報告をしてきます。まあ、事後報告なりますけれど、仕方ありませんね」
リリアはそう言い残すと、キャビンを後にした。
意外な事に、結構真面目に働いているサラとリリアであった。
0
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる