システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

誰か助けてくれー！

「えっとね、取りあえず現在パンゲア大陸のダンジョンで、数日かかるけど１人で色々と試そうかなぁ～って」
　皆が怖いので、超簡潔に説明しました。
「試すというのは、トールさまだけでですか？」
　ぐいぐい押して来るなぁ…マチルダは。
「そ、そのつもりだけど…」
　何が言いたい？
「トールさま、ミヤがいなくなったのは？」
「ええと…つい先日だね」
　そんなの全員知ってるだろ？
　でも、探偵に追い詰められる犯人って、こんな感じなんだろうな。
「では最後に。ミヤどこに預けたのですか？」
　…君のような勘のいいガキ（妻）は嫌い（じゃないけど）だよ…って、これはネタが違うか。
「ぼ、ボーディ達です…」
　連れて来たのもボーディ達なんだから、当たり前ではないでしょうか？
「それで、何のために預けたのでしたっけ？」
　ふと気づくと、全員の目が俺に集中している。
　あれ、これって言葉を間違えたら、めっちゃヤバい感じなの？
「えっと…調整のためです…」
　嘘はついてない！
「ミヤの調整という事は、当然ですが出来を確認されるのですわよね？」
　ここでメリル参戦…だと！？
「あ、ああ…うん。そうなるかもしれないかなぁ……………なんて」
　いや～な汗が足らりと流れた気がする。
『ほぉ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～』
　え、全員揃って、ナニその『ほ～～』は？
　俺が皆の顔を見まわしていると、コルネちゃんとユリアちゃんの冷たい視線が！
「お兄さま、ダンジョンで数日…ですか？」
　ぎくりっ！
「おにいちゃん、ひとりじゃないよね？」
　ぎくぎく！
「マスター、上手く誤魔化そうとしても駄目ですよ？」「「「駄目です！」」」
　ナディアにアーデ達までもか！
「トールさま…私、悲しいです…」
「そうね、ミレーラさん。私達嘘を吐かれてたのね…よよよ…」
　何だミレーラ、その泣きまねは！　あと、ミルシェの『よよよ』もだ！
「こういうの知ってるか？　嘘と誤魔化しは浮気の始まりって言葉を」
　し、知らねーよ！　初耳だよ！
『怪しい……』
　何でこんな時は、全員の息がばっちり合うんだよ！　
「怪しくなーーーーーい！」
　俺の絶叫は、誰の心にも響かなかった様だ…。

　食堂で仁王立ちしたマチルダの前で、俺はの床に正座させられた。
「つまりは、パンゲア大陸にいるダンジョンマスター達の元へ行き、調整完了したミヤを受け取って実戦テストを行うと？」
　結局詳しく話す事となりました。
「はぃ…」
「何で数日なのですか？」
「それはですね、メリルさん。もしもミヤがまだきちんという事を聞かない様だったら、その場で再調整を…と」
「だったら、ミヤをもう一度預ければいいのではないでしょうか？」
「それはですね、ミルシェさん。いちいち戻ってくるより、現現地で待つ方が気が楽といいますか…」
「…私達と一緒だと…気が休まらない…と？」
「いえいえ、ミレーラさん。そんな事はございません。皆と居る時も、十分心は休まっております」
「心は…と言う事は、身体は休まらないという事か…」
「そんな事はございません、イネスさん。身体もこれ以上ないぐらいに癒されております」
「お兄さま、夜寝れてる？」
「いや～それがコルネちゃん。実は全然寝かせてくれな…はっ、謀ったな！？」
「あらあら、トールちゃんは、寝かせて貰えないぐらい夜の夫婦生活が激しいというのね？」
「そうそう…って、実の母親がそんな生々しいこと言うな！」
「おかあさん、ふよるのふうふせいかつってな～に？」
　ユリアちゃん、そんな事に興味を持っちゃだめです！
「ユリアちゃんにはまだ早いわよ…そうね、メリルお義姉ちゃんか、ミルシェお義姉ちゃんにお聞きなさい」
「「お義母さまったら～」」
　ああ、また場が混とんとしてきた…。
「それでマスターは、私達という順番待ちをすっ飛ばして、パンゲア大陸で猫耳巨乳ダンジョンマスターと、コウモリ羽のじゃロリと、天パ羊陰キャとめくるめく快楽の時を数日過ごそうとしてたんですか？」「「「順番待ちです！？」」」
「違うわ！　あと、ナディア達に順番なんて行かないからな！」
「っと言う事は、ミレーラさんとイネスさんと私は妊娠しないと？」「…そうなんですか…？」「何だと！？」
　ぐっ…そう言えば順番の話の時、そんな事も言ってたな。
「いや、そうじゃ無くて…」
「それじゃ順番は回ってきますね？」「「「良かったです～」」」
「いや、そうでも無くて…」
「それじゃ、私達は妊娠できないと？」「…私…ダメな妻なんですね…」「そうか…畑がダメだから種を植えても芽が出ないと…」
「いやいやいや、そう言う事じゃ無いんだって！」

　場の収集がつかねーーーーーー！　
　誰か助けてくれーーーーー！　
　って、何でユズユズ夫妻は食堂の隅っこで笑ってん？
　お前等、ちょっと俺を助けようとか思わないのか！
　何だ、ユズカの口が…ん？　
　『がんばれ』って、口パクかよ！
　せめて声にしろよ！

　ここに俺の味方は居ないのかよーーーーー！！