システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
1,052 / 1,466

高速ジャンピング土下座

しおりを挟む
 まさかのモフレンダ!
「え、そんな裏技あんの!?」
 そりゃ誰だっれ驚くってもんでしょうよ!
 天上天下唯我独尊…じゃないな、独立独歩…もちょっと違う、とにかく誰の言う事も聞かず好き勝手に行動していたミヤの事を、モフレンダはたった一言で止めてしまった!
「そ、そうじゃ! モフレンダよ、お主…そんな方法があるならあると、何故妾に教えてくれなかったのじゃ!」
「そうですよ、モフレンダさん! 私も聞いてません!」
 おいおい、ミヤの共同制作者でじゃないのかよ、ボーディにモフリーナも。
 その2人にも言ってないって、ちょっとあんまりにもあんまりじゃね?
「わ、わたくちもちりまちぇんでちた…」「同じく…」
 ほら見ろ! ちびっこのもふりん&カジマギーも軽く落ち込んでんぞ!?
「…説明…面倒…」
 いや、そんなこと言ったら…。
「「「重要な事は言え!」」」「…でち!」
 ほら、誰だって怒るって…。
 まあ、何を言われたところで、モフレンダの表情筋は1ミリも動いて無いけどさ。

 さて、動きを止めたミヤ(流石に可愛そうだったので、ちゃんとソファーに寝かせた)を見ながら、全員でお話タイム。
 問題は、何故ミヤが俺の言う事だけでなく、製作者たるダンジョンマスターの言う事まで聞かないのか…だ。
「トールヴァルドよ。お主は、こ奴の性能を試したかや?」
 真面目な顔でミヤを凝視しながら、そうボーディが聞いて来たので、
「そりゃ試したさ。ちょっと俺の想定外の性能だったけど、ちゃんとやったぞ。テストしたのは………」
 昨日のテストの事を、憶えている限りの内容ではあるが説明した。
 もちろん、嫁ーずのLシリーズに関しても、ちゃんと話しておいた。
「うぅむ…所定の性能は出ておる様じゃのぉ…」
 俺の説明を聞いたボーディは、小さく唸るりながらミヤを見つめた。
「Lシリーズは、皆さんの言う事を聞いているのですよねぇ…おかしいですねえ…」
 モフリーナも同様に、黙ってミヤを見つめる。
「おかちいでちゅねぇ…」「壊れた?」
 もふりんも首を捻り、カジマギーは怖い事を言う。
「っと言うかじゃ。何でモフレンダの命令は聞いたのじゃ?」
 ミヤを凝視していたボーディが、不意にモフレンダへと視線を向けた。
 確かにそうだとも言えるけど、あれって言う事を聞いたって事になるのか?

「あっ、思い出した!」
 すると、突然モフリーナが叫んだ。
 何だ何だ?
「このミヤのソフトの設計者は、モフレンダでした!」
「「「あっ!」」」
 いや、ボーディももふりんもカジマギーも、そんな大事な事を忘れてたのかよ!
「そう…設計者は、私…」
 何故にドヤ顔なんだ、モフレンダよ。
「いや、確かにソフトはお主に組ませたが…あんなおかしな要件定義はしておたんかったじゃろ?」
「そ、そうです! 仕様書ではちゃんと指示に従う様にと…」
 ボーディとモフリーナが詰め寄るが、
「…人格と個性を持たせろって言ったのは2人。そうしたら、こうなった…」 

 モフレンダの言い分はこうだ。
 Lガール製造は、ハード面(肉体等の製造)は、モフリーナとボーディで、ソフト面(LガールのOS的な物)の設計と構築はモフレンダと、役割を分けていた。
 元々の仕様では、嫁ーず達のLシリーズと同様、没個性で使用者の言う事に従う設定であり、使用時以外は基本的には自動で待機状態になる。
 兵器なんだから、当たり前といえば当たり前の事。
 しかし、モフリーナとボーディが、せっかく人型に仕上げたんだから、人格や個性を持たせるのも面白いといい出したらしい。
 ほぼ完成状態の決戦用特殊兵装・重戦機Lガールに、後付けで人格と個性を持たせろというのは、かなり無茶な要求。
 前世でもソフトウエア開発現場はのブラックが多いって良く聞いたな…。
 モフレンダは頑張ったらしい。それはそれは頑張ったらしい。
 頑張った結果、無理やり人格や個性を出すためのアレヤコレを無理やりLガールの脳に詰め込んだ結果がこれだとか…。
 つまりは、最終的に起動してエネルギー補充をしたら、バグ…つまり誤作動発生。
 誤作動の原因は、元々人格や個性など付ける予定では無かったソフトに、個性を無理やり付けたためと考えられるらしい。

「よーっくわかった。つまりは、その誤作動の原因の元を作ったのは、モフリーナとボーディって事って事だな?」
 モフレンダの長い説明を聞いた俺には、そうとしか思えなかった。
「え…っとじゃな…」「え~っと…」
 ボーディとモフリーナが、俺と視線を合わせない様に…いや、そっぽ向きやがった、こいつら! 
「お・ま・え・ら・が、原因なんだよな!?」
「「すいませんでしたーーーーー!!!」」
 俺が怒鳴った瞬間、目の前でダンジョンマスターの2人が、高速ジャンピング土下座したのであった。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...