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ニヤリ
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『そろそろ寝る時間』
ミヤよ、まだ陽は高と思うぞ。
俺の背中からミヤが降りてきたのは、どうやら眠くなったかららしい。
らしいと言うのは、どうにもミヤの言う事が信用できなかったかららだ。
何たって、最初のボーディの説明ではちゃんと言う事を聞くって聞いてたのに、こいつ全然言う事聞かないんだもん。
「あの…トールさま。ミヤさんは、何と言って…ます?」
俺がじっとミヤを見ていたから、ミレーラにも俺が頭の中でミヤと会話している事が分ったんだろう。
別に隠す事でも無いので、ここは正直に言おう。
「ああ。何か寝る時間だとか言ってる、こいつ」
『寝る時間!?』
全員、ハモったね…。
「まだおひさまたかいよ?」
「ユリアちゃん、それ…お兄ちゃんも言いました」
俺の言葉に、何故かむぅっとほっぺを膨らますユリアちゃん…むくれた顔も可愛い…。
「えっと…お兄さま、それは良いとして、結局さっきのは魔法だったんですか?」
コルネちゃんから、さっきのマチルダの質問を、再度改めて問われた。
が、俺の答えはさっき言ったはずだ。
もう一度言おうか?
「答えは、十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない…だ」
うん、やっぱ俺っていい事言うな。
「はぁ…」
何だ、その樹の無い返事は、コルネちゃん!
「つまり、先程のは魔法では無く、かがくぎじゅつ…と言う物なのですか?」
マチルダの言葉のニュアンスが何か変…あぁ、科学が分からないのか。
「ああ、科学技術だな。何と言うか、魔法では無く、自然界の摂理をつかった技術…かな?」
あまり詳しく聞かないでくれ…俺にも説明なんて出来ないから。
そもそも、シールドとか説明できんし、君達も変身したら使ってるでしょ?
それ、どうやって他の人に説明すんだよ。
まさか、シールドは魔法ですって説明すんの? 違うでしょ?
「自然界にはあの様な力が隠されているのですねそれはとても興味深いですねわぁすごいすごい」
リリアさんや、滅茶苦茶台詞棒読みですけど。
クソッ! 絶対にあんた分かってて言ってるよね?
「なるほど…シールドは自然界の力だったのか…」
イネスって、本当に扱いやすいな…脳筋なだけかもしれないけど…。
結局、ミヤの能力についてのあれやこれやは有耶無耶になった。
あと、あの巨大なマスケット銃の試射に関しても話はしたんだが、飛行に関する疑問よりも気にはしてないようだった。
そっかぁ…。攻撃力よりも、飛ぶ事の方が気になるんだねぇ…なんで?
「攻撃力は、ホワイト・オルター号の女神様の天罰で十分ですから。それよりも単独で、しかもあの速度で飛べることの方が気になります」
とは、コルネちゃんのお言葉。
なるほど、納得しました。
何か、バタバタしちゃったけど、本日のテストはこれでお終い。
まだ夕飯には早いので、食堂で全員で集まってお茶する事にしました。
ちなみに、ドワーフメイド衆の姿を全然見かけなかったのだが、俺達が裏庭でテストしている間中、掃除と洗濯をしていたとか。
徹底的に掃除をしたとドワーフメイド衆が言った瞬間、嫁ーずが猛ダッシュでどこかへ消えたのは、何だったのだろう?
残った俺達が、食堂でドワーフメイドさんが淹れてくれたお茶に口を付けようとしたした頃に戻ってきたけど、何をしてたのやら。
さて、食堂で一服しながら、俺は父さんに今後の方針を伝えた。
「それじゃ父さん、明後日ぐらいから、予定通り例の場所の調査に向かってくれるかな?」
この場にはサラやリリアさんも居るには居るが、俺達の会話の危険な単語は適当な別の言葉に置き換わるのは確認済み。
まあ、リリアさんであれば読唇術ぐらいは使う可能性は高いので、そんな危険をわざわざ犯す様な真似はしない。
ここでは、管理局に伝わっても問題ない情報だけで会話を行う。
「うむ、了解した。北の現地住民とは連絡が取れたのだな?」
そこは父さんも理解し、問題ない受け答えだけをしてくれている。
「もちろん。現地へ向かう時には、カジマギーが案内役となって同行するから大丈夫。あと、往復にはホワイト・オルター号に乗って行ってもらうけど、操縦は王都行きに引き続き、サラとリリアさんにお願いする事になると思うんでヨロシク」
俺が話を管理局員の2人に振ると、もの凄くいやそうな顔をした。
「あ、あと2人には現地では父さん専属のメイドもして貰うんでお願いね」
更にしかめっ面になる2人。
そりゃ嫌だろうねえ。だって、父さん専属のメイドって事になると、あの地の調査が終るまで帰って来れないって事だ。
調査監視対象である俺から長期間離れなきゃならないんだから、2人にとってはとっても大きな問題だ。
かと言って、ここでそれを断る事も2人には出来ない。
公的には2人は俺のメイドである。
主人である俺の意向を真っ向拒否する事など出来るはず無い。
しかも一切の事情を勘案しないで、普通に俺は喋っているだけ…いや、お願いしているだけなのだ。
そもそも、この邸のほぼ全員が集まったこの場で拒否なんてすれば、父さん達に有らぬ疑いを持たれるかも知れない。
何故、主の命令を拒否するのか? 一体、どんな事情があるのか?
そんな風に問い詰められる可能性もあるし、俺の指示を拒否するに足る用件などあるはず無もいのだから。
そもそも、ホワイト・オルター号の操縦が出来るのは、俺とこの2人なのだから、どこからどう見たっておかしな指示では無い。
行きたくありません…などと、言えるはずがないのだ。
「分かりました。同行させて頂きます」「…ます」
リリアさんとサラが、渋々了承の返答をしたのを見て、俺を含めたこの場の全員が、心の中でニヤリと笑うのだった。
ちなみにミヤは、俺の横の椅子に座って、すやすやとお昼寝中だったりする。
ミヤよ、まだ陽は高と思うぞ。
俺の背中からミヤが降りてきたのは、どうやら眠くなったかららしい。
らしいと言うのは、どうにもミヤの言う事が信用できなかったかららだ。
何たって、最初のボーディの説明ではちゃんと言う事を聞くって聞いてたのに、こいつ全然言う事聞かないんだもん。
「あの…トールさま。ミヤさんは、何と言って…ます?」
俺がじっとミヤを見ていたから、ミレーラにも俺が頭の中でミヤと会話している事が分ったんだろう。
別に隠す事でも無いので、ここは正直に言おう。
「ああ。何か寝る時間だとか言ってる、こいつ」
『寝る時間!?』
全員、ハモったね…。
「まだおひさまたかいよ?」
「ユリアちゃん、それ…お兄ちゃんも言いました」
俺の言葉に、何故かむぅっとほっぺを膨らますユリアちゃん…むくれた顔も可愛い…。
「えっと…お兄さま、それは良いとして、結局さっきのは魔法だったんですか?」
コルネちゃんから、さっきのマチルダの質問を、再度改めて問われた。
が、俺の答えはさっき言ったはずだ。
もう一度言おうか?
「答えは、十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない…だ」
うん、やっぱ俺っていい事言うな。
「はぁ…」
何だ、その樹の無い返事は、コルネちゃん!
「つまり、先程のは魔法では無く、かがくぎじゅつ…と言う物なのですか?」
マチルダの言葉のニュアンスが何か変…あぁ、科学が分からないのか。
「ああ、科学技術だな。何と言うか、魔法では無く、自然界の摂理をつかった技術…かな?」
あまり詳しく聞かないでくれ…俺にも説明なんて出来ないから。
そもそも、シールドとか説明できんし、君達も変身したら使ってるでしょ?
それ、どうやって他の人に説明すんだよ。
まさか、シールドは魔法ですって説明すんの? 違うでしょ?
「自然界にはあの様な力が隠されているのですねそれはとても興味深いですねわぁすごいすごい」
リリアさんや、滅茶苦茶台詞棒読みですけど。
クソッ! 絶対にあんた分かってて言ってるよね?
「なるほど…シールドは自然界の力だったのか…」
イネスって、本当に扱いやすいな…脳筋なだけかもしれないけど…。
結局、ミヤの能力についてのあれやこれやは有耶無耶になった。
あと、あの巨大なマスケット銃の試射に関しても話はしたんだが、飛行に関する疑問よりも気にはしてないようだった。
そっかぁ…。攻撃力よりも、飛ぶ事の方が気になるんだねぇ…なんで?
「攻撃力は、ホワイト・オルター号の女神様の天罰で十分ですから。それよりも単独で、しかもあの速度で飛べることの方が気になります」
とは、コルネちゃんのお言葉。
なるほど、納得しました。
何か、バタバタしちゃったけど、本日のテストはこれでお終い。
まだ夕飯には早いので、食堂で全員で集まってお茶する事にしました。
ちなみに、ドワーフメイド衆の姿を全然見かけなかったのだが、俺達が裏庭でテストしている間中、掃除と洗濯をしていたとか。
徹底的に掃除をしたとドワーフメイド衆が言った瞬間、嫁ーずが猛ダッシュでどこかへ消えたのは、何だったのだろう?
残った俺達が、食堂でドワーフメイドさんが淹れてくれたお茶に口を付けようとしたした頃に戻ってきたけど、何をしてたのやら。
さて、食堂で一服しながら、俺は父さんに今後の方針を伝えた。
「それじゃ父さん、明後日ぐらいから、予定通り例の場所の調査に向かってくれるかな?」
この場にはサラやリリアさんも居るには居るが、俺達の会話の危険な単語は適当な別の言葉に置き換わるのは確認済み。
まあ、リリアさんであれば読唇術ぐらいは使う可能性は高いので、そんな危険をわざわざ犯す様な真似はしない。
ここでは、管理局に伝わっても問題ない情報だけで会話を行う。
「うむ、了解した。北の現地住民とは連絡が取れたのだな?」
そこは父さんも理解し、問題ない受け答えだけをしてくれている。
「もちろん。現地へ向かう時には、カジマギーが案内役となって同行するから大丈夫。あと、往復にはホワイト・オルター号に乗って行ってもらうけど、操縦は王都行きに引き続き、サラとリリアさんにお願いする事になると思うんでヨロシク」
俺が話を管理局員の2人に振ると、もの凄くいやそうな顔をした。
「あ、あと2人には現地では父さん専属のメイドもして貰うんでお願いね」
更にしかめっ面になる2人。
そりゃ嫌だろうねえ。だって、父さん専属のメイドって事になると、あの地の調査が終るまで帰って来れないって事だ。
調査監視対象である俺から長期間離れなきゃならないんだから、2人にとってはとっても大きな問題だ。
かと言って、ここでそれを断る事も2人には出来ない。
公的には2人は俺のメイドである。
主人である俺の意向を真っ向拒否する事など出来るはず無い。
しかも一切の事情を勘案しないで、普通に俺は喋っているだけ…いや、お願いしているだけなのだ。
そもそも、この邸のほぼ全員が集まったこの場で拒否なんてすれば、父さん達に有らぬ疑いを持たれるかも知れない。
何故、主の命令を拒否するのか? 一体、どんな事情があるのか?
そんな風に問い詰められる可能性もあるし、俺の指示を拒否するに足る用件などあるはず無もいのだから。
そもそも、ホワイト・オルター号の操縦が出来るのは、俺とこの2人なのだから、どこからどう見たっておかしな指示では無い。
行きたくありません…などと、言えるはずがないのだ。
「分かりました。同行させて頂きます」「…ます」
リリアさんとサラが、渋々了承の返答をしたのを見て、俺を含めたこの場の全員が、心の中でニヤリと笑うのだった。
ちなみにミヤは、俺の横の椅子に座って、すやすやとお昼寝中だったりする。
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