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両手にクッキー
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父さん達のいる応接室の扉をノックすると、静かに扉が開いた。
扉を開けたのは、ちょっとびっくりリリアさんだ。
「どうぞ、お入りください」
いつものメイド服に身を包んだリリアさんは、超が付くほどのド変態とは思えぬほどの綺麗な礼をして俺を迎え入れてくれた。
応接室には、中央のローテーブルの四方に少し大き目のソファーが置いてある。
ソファーはテーブルを挟んで向かい合う1対が普通なのだが、ここはどちらかと言えば家族が主に使う応接室。
それってリビングなんじゃないの? って思われるかもしれないが、俺と嫁ーずで使うリビングは別にあるし、来客時の少々堅苦しい感じの応接室も別にある。
ここは、俺や嫁ーずがその家族を迎えた時に、のんびりとくつろげるように造られた部屋なので、一応は応接室だ。
室内を見回さずとも、駄メイドのサラの姿がいの一番に目に飛び込んで来る。
駄メイドはユリアちゃんと並んでソファーに座り、ボリボリとお菓子を貪り喰ってた。
向かいの席にはコルネちゃんが、その様子を呆れ顔で見ながら、ティーカップを優雅に傾けている。
父さんと母さんは、テ -ブルを挟んで向こう側に並んで座り、母さんが抱くエド君を見てニマニマしていた。
室内の様子をぼうっと突っ立って眺めていると、リリアさんが先立って空いているソファーへと俺を誘導した。
ちなみに、この応接室と家族オンリーのリビングでは、上座も下座も関係なく、好きな場所へ好きな様に座る事にしている。
ただでさえ嫁が5人もいるのだ。
公的には第1夫人~第5夫人まで序列はあるにはあるが、公の場でもない所でそんな事を気にしていたら息が詰まってしまう。
なので、基本的には家族しか居ない場所では席順は気にしない様に言っている。
ただ、嫁ーずによって、食堂でだけはきっちりと席順が決められている。
どうやら、他の貴族などの会食に呼ばれた時の最低限のマナーだと言って、これだけは決して譲らなかったのだ。
この嫁ーずの(特にメリルとマチルダの)マナー教育の賜物か、俺もそうだがミルシェやイネスもどこに出しても恥ずかしくないマナーを身に付ける事が出来たのだから、これはこれで良しとした。
とは言っても、家長である俺よりも爵位が高い父さんが来たりすると、席順も色々とややこしくなるので、両親が逗留中だけは、
ちょっと特殊な並びとなっているのだが。
さて、俺は右手にぶら下がるミヤと共に、空いているソファーへと向かい、そして腰を下ろした。
リリアさんが俺とミヤの前にお茶を並べてくれたところで、家族に隣でぼ~っと座るミヤの事を説明した。
内容はメリルに話したのと同じだ。
下手に違った事を言ってしまうと、どこかで会話に齟齬が出るかもしれないので、そこだけは慎重に話した。
「なるほどね。それで、そのミヤちゃんはダンジョンマスターから神具の強化用に遣わされた兵装って事なのね?」
母さんがミヤを見ながら、そう俺に問いかけた。
「ああ、その通り。敵がどれほど巨大なのか分からないので、出来る限り戦力を強化しようって事らしいよ」
ちなみに、父さんはミヤの説明の時からずっと無言だ。
ミヤを見たコルネちゃんは、
「お兄さま…。そのミヤ…さん? は、本当に人では無いのですか?」
「ああ、どうやら違うらしい。人と全く同じように動いたり考えたりできるけど、声での会話は出来ないし、食事も不要なんだって」
俺の言葉を完全に信じた顔ではないけれど、一応理解は出来た様だ。
「みやちゃん、おかしたべないの?」
「そうだぞ~。ミヤはお菓子を食べないから、ユリアちゃんが全部食べちゃって良いからね」
両手にクッキーを持ってミヤに見せてているけど、もしかしてコルネちゃんは、ミヤと一緒にお菓子を食べたったのかな?
サラとリリアさんがダンボの耳で聞き耳を立てているが、今のところの説明までに怪しい部分は無いはずだ。
「なるほど…。それで、説明にあったLシリーズと言うのは、何時もらえるのだ?」
黙って説明を聞いていた父さんだったが、どうやらLシリーズに興味津々だ。
ミヤの説明に集中するあまり、Lシリーズの説明は軽く流しちゃったから、ずっと気になってたらしい。
「ああ、それは夕飯の時にでも渡すよ。ユズキとユズカ、それにコルネちゃんとユリアちゃんの分もあるから、まとめて全員分ね」
俺の答えに満足したのか、父さんは大きく頷いていた。
ちなみにコルネちゃんは静かに微笑み、ユリアちゃんは理解できずに首を捻った。
そして、我が家の最強母ちゃんは、少し俯き加減で不敵な笑い声をあげていた。
怖いよ、母さん!
扉を開けたのは、ちょっとびっくりリリアさんだ。
「どうぞ、お入りください」
いつものメイド服に身を包んだリリアさんは、超が付くほどのド変態とは思えぬほどの綺麗な礼をして俺を迎え入れてくれた。
応接室には、中央のローテーブルの四方に少し大き目のソファーが置いてある。
ソファーはテーブルを挟んで向かい合う1対が普通なのだが、ここはどちらかと言えば家族が主に使う応接室。
それってリビングなんじゃないの? って思われるかもしれないが、俺と嫁ーずで使うリビングは別にあるし、来客時の少々堅苦しい感じの応接室も別にある。
ここは、俺や嫁ーずがその家族を迎えた時に、のんびりとくつろげるように造られた部屋なので、一応は応接室だ。
室内を見回さずとも、駄メイドのサラの姿がいの一番に目に飛び込んで来る。
駄メイドはユリアちゃんと並んでソファーに座り、ボリボリとお菓子を貪り喰ってた。
向かいの席にはコルネちゃんが、その様子を呆れ顔で見ながら、ティーカップを優雅に傾けている。
父さんと母さんは、テ -ブルを挟んで向こう側に並んで座り、母さんが抱くエド君を見てニマニマしていた。
室内の様子をぼうっと突っ立って眺めていると、リリアさんが先立って空いているソファーへと俺を誘導した。
ちなみに、この応接室と家族オンリーのリビングでは、上座も下座も関係なく、好きな場所へ好きな様に座る事にしている。
ただでさえ嫁が5人もいるのだ。
公的には第1夫人~第5夫人まで序列はあるにはあるが、公の場でもない所でそんな事を気にしていたら息が詰まってしまう。
なので、基本的には家族しか居ない場所では席順は気にしない様に言っている。
ただ、嫁ーずによって、食堂でだけはきっちりと席順が決められている。
どうやら、他の貴族などの会食に呼ばれた時の最低限のマナーだと言って、これだけは決して譲らなかったのだ。
この嫁ーずの(特にメリルとマチルダの)マナー教育の賜物か、俺もそうだがミルシェやイネスもどこに出しても恥ずかしくないマナーを身に付ける事が出来たのだから、これはこれで良しとした。
とは言っても、家長である俺よりも爵位が高い父さんが来たりすると、席順も色々とややこしくなるので、両親が逗留中だけは、
ちょっと特殊な並びとなっているのだが。
さて、俺は右手にぶら下がるミヤと共に、空いているソファーへと向かい、そして腰を下ろした。
リリアさんが俺とミヤの前にお茶を並べてくれたところで、家族に隣でぼ~っと座るミヤの事を説明した。
内容はメリルに話したのと同じだ。
下手に違った事を言ってしまうと、どこかで会話に齟齬が出るかもしれないので、そこだけは慎重に話した。
「なるほどね。それで、そのミヤちゃんはダンジョンマスターから神具の強化用に遣わされた兵装って事なのね?」
母さんがミヤを見ながら、そう俺に問いかけた。
「ああ、その通り。敵がどれほど巨大なのか分からないので、出来る限り戦力を強化しようって事らしいよ」
ちなみに、父さんはミヤの説明の時からずっと無言だ。
ミヤを見たコルネちゃんは、
「お兄さま…。そのミヤ…さん? は、本当に人では無いのですか?」
「ああ、どうやら違うらしい。人と全く同じように動いたり考えたりできるけど、声での会話は出来ないし、食事も不要なんだって」
俺の言葉を完全に信じた顔ではないけれど、一応理解は出来た様だ。
「みやちゃん、おかしたべないの?」
「そうだぞ~。ミヤはお菓子を食べないから、ユリアちゃんが全部食べちゃって良いからね」
両手にクッキーを持ってミヤに見せてているけど、もしかしてコルネちゃんは、ミヤと一緒にお菓子を食べたったのかな?
サラとリリアさんがダンボの耳で聞き耳を立てているが、今のところの説明までに怪しい部分は無いはずだ。
「なるほど…。それで、説明にあったLシリーズと言うのは、何時もらえるのだ?」
黙って説明を聞いていた父さんだったが、どうやらLシリーズに興味津々だ。
ミヤの説明に集中するあまり、Lシリーズの説明は軽く流しちゃったから、ずっと気になってたらしい。
「ああ、それは夕飯の時にでも渡すよ。ユズキとユズカ、それにコルネちゃんとユリアちゃんの分もあるから、まとめて全員分ね」
俺の答えに満足したのか、父さんは大きく頷いていた。
ちなみにコルネちゃんは静かに微笑み、ユリアちゃんは理解できずに首を捻った。
そして、我が家の最強母ちゃんは、少し俯き加減で不敵な笑い声をあげていた。
怖いよ、母さん!
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