システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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ちょっと黙っとけ!

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「ところでマスター、1つお伺いしたい事があるのですが…」
 頭の上にカチューシャが無い事をミヤに問いただしていると、ナディアが俺に声を掛けて来た。
「ん? 何か聞きたい事でもあるのか?」
 俺が首を捻っていると、
「このミヤは、マスターの事を何とお呼びしているのでしょうか?」
 えっと…。
「普通にマスターって呼んでるけど…?」
 それが何だって言うんだろ。
「やはり…。私はこのミヤを見た時から、危険な物を感じておりました」「「「おりました!」」」
 お、おお? ナディアだけでなく、アーデ、アーム、アーフェンもか!?
「お前等、口を揃えて危険な物って…何の話だか俺には理解出来無いんだが…」
 それだけで理解しって方が無理があるよな。
「「「「マスター!」」」」
「はいぃ!」
 な、なんだよ口を揃えてそんな大声で…。
「マスターをマスターと読んで良いのは、マスターに生み出された我々だけの権利です!」「「「権利です!」」」
「はっ?」
 何を言ってんだ、ナディア達は…。
「ぽっと出の新キャラが、勝手にマスターをマスターと呼ぶなど、言語道断です!」「「「ですっ!」」」
 ぽっと出ってどこでそんな言葉を…いや、またユズカだな…。
「我々妖精一同は、ミヤによるマスターへのマスター呼びに、断固反対します!」「「「即時中止を求める!」」」
 お、アーデ達が変わったこと言い始めたぞ。
「もしもミヤが呼び方を変えないと言うのであれば、我々が変えます!」「「「…えっ?」」」
 あ、ナディアの主張について来れなくなったな、アーデ達。
「マスター呼びから、『愛しき人』とします!」「「「おぉ!」」」
 いや、ちょっと待て! 何だ、その呼び方は?
「それが嫌なら、即時ミヤのマスター呼びを迅速果敢に変更させて頂きたい!」「「「じんそくかかん?」」」
 俺でも知らない四字熟語が出てきたぞ? それはユズキが元だな。
「いや、まぁ…呼び方って言ったって、皆にはミヤの声が聞こえ無いんだから、どうでもよくないか」
 どうせ俺の頭の中にしかミヤの事は届かないし。
「それでもです! マスターが狐疑逡巡される様でしたら、私達が呼び方を変えます!」「こぎ…しゅんじゅん?」」」
 ほら、またアーデ達がついて来れてないぞ。
 いや、俺もだけど…。

 さぁ、どうするどうすると迫りくるナディアの圧に押され、どうするべかとミヤへと目を向けると…まだ俺の指を見つめていた。
 君、まだ諦めてなかったのか?
「あのな、ミヤよ。俺の事をマスターって呼ぶの止めてくれないかな」
 愛しき人とかナディア達に呼ばれるのは、何かちょっと嫌だ。だったら、ミヤの呼び方を変えればいい。
『…ま…す…た? すまた?』
 おま、並び替えただけじゃねーか! しかもヤバイ方に! 
 お前の声が俺の頭の中にしか届かなくて助かったわ!
「いや、それは却下。別の呼び方で」
 俺がそう言うと、少し考えてから、
『主?』
 …意味は変わってない気がするけど、ナディア達はそれで納得するのだろうか?

「え~、ナディア君達。ミヤが俺の呼び方を『主』とするそうだが、これで問題は無いか?」
 俺がそう発表すると、ナディア、アーデ、アーム、アーフェンは、パチパチと拍手した。
 これで良いって事だよね。はぁ、色々と疲れる日だなあ…。
「ところでトールさま」
 主呼びの発表が終わり拍手も収まった執務室で、マチルダが俺へと声を掛けてきた。
「どうした、マチルダ?」
「いえ、無事にミヤによるトールさまへの呼び方が無事に決まった様でなによりです」
 何だろう、いやな予感がするんですけど…。
「ですが、確かに先ほど何かを却下されてましたね。一体、ミヤはどんな呼び方を提案したのですか?」
 えっ…何か却下した…ああああああああ!
 しまったーーー! 俺、声に出しちゃってたじゃんかよ! 頭の中でやり俊すりゃいいのに!!
「私…気になります!」
 える繋がりですか、そうですか! 
『私達も気になります!』
 いや、ちょっと待とうか、嫁ーずも妖精達も、ちょっと落ち着こう! 
『す…また?』
「ミヤもいらん事言うな! あっ……」
 また声に出してしまった!
「やはり、何か隠していますね、トールさま!」
 マチルダに悟られた!
「ねえ、トールさま。今ここで素直に白状すれば、まだお仕置きは軽くすむと思いますよ?」
 ちょ、ミルシェよ! それは正直に話しても、俺がお仕置きされるって事なのか?
『うふふふふふふふふふふふふふふふふ…』
 あのぉ…全員でその笑い方は、ちょっと怖いんですけど…。
『主…指、舐めても…いい?』
「ミヤはちょっと黙っとけ! …あ、また…」
「「「「トールさま!?」」」」「「「「マスター!?」」」」
 んぎゃーーーーーーーーーー!!  
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