システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
1,029 / 1,466

監視?

しおりを挟む
 妖精ともっち君を握りしめたまま、気を付けの姿勢で俺のベッドで眠る、決戦用特殊兵装のミヤ。

 いや、さっきは驚いたけど、どう考えてもおかしいよな?
 だって、どう考えても、寝返りをうったぐらいで、妖精ともっち君を握りしめる様な事態に陥る事などありえない。
 俺も結構寝相が悪くて、何度も寝返り打ったりしてるけど、絶対にあんな姿勢で寝返り打って移動したりしないぞ?
 もしかして、これって決戦用特殊兵装の特徴…って事は無いよね。
 嫁ーずも妖精達も、俺と似た様な事を考えているみたいで、全員の疑わし気な目でミヤを見ていた。

 じ~~~っと皆で見つめていると、何かに気付いたのか、「あっ!」と、ナディアが不意に声をあげた。
「ど、どうした?」
 俺が訊ねるよりも早く、イネスがナディアへと声を掛けると、
「今、確かに口が動きました! あと、瞼もピクピクしてます!」
『なにー!?』
 ナディアの言葉に、全員の視線がミヤの顔に一斉に集中!
 確かに、微かに口元がさっきとは違って笑いを堪えている様な…?
 あ、こいつ、起きてるな!?
 皆のほぼ同時に俺とおなし答えにたどり着いた…って大層に言う程でも無いけれど、取りあえず気付いたみたいだ。
「おい、ミヤ! お前起きてるだろう!?」
 俺がちょにっと大きな声でミヤに問いかけるが、返事は無し。
 すると、何を思ったかイネスがミヤの足元へと移動して…いなり足の裏をくすぐった!
 そんな事をされたら、幾らなんでもミヤだって…微動だにしない…だと?
 あ、そんな事無いや。口元が微妙にひくひくしてる。
 掴まっている妖精ともっち君を助けようとしたのかどうかは分からない(多分、調子に乗ってるだけだと思う)が、いきなりミヤの両脇をアーデとアームがくすぐり始め、アーフェンがわき腹をめっちゃツンツンし始めた。
 すると、いままで直立不動(寝ててもそう言うんだろうか?)だったミヤが、いきなりどったんばったん身をよじり始めた。
『やっぱり起きてました!』
 動いた時に手が開いたのか、妖精ともっち君は開放されて、俺の後ろへ大慌てて逃げ込んでいた。
「起きてたんじゃねーか! 何で狸寝入りなんてしてんだよ!」
 一頻り暴れていた…いや、足の裏&両脇くすぐりの刑とわき腹ツンツンの刑から、身を捩って逃げようとしていたミヤが、俺の声でその動きを止めてゆっくりとベッドの上に上半身を起こした。

 何だか眠たそうな目で、ミヤはわきわきと動かして両手をじっと見つめるが、妖精ももっち君もすでに俺の背中に隠れる様にそこから逃げている。
 ゆっくりと首を動かして俺の方に目を向けたミヤは、俺の肩から様子をそっと窺っていた妖精ともっち君を見つけると、両手でおいでおいでと手をちょいちょいっと動かした。
 いや、さっきまで握りしめられてた妖精ともっち君が、またそこに戻るとでも?
 案の定、俺の背中に妖精ももっち君も、さっと隠れた。
 その様子を見たミヤは、 Σ(゚Д゚|||) って顔して驚いてるけど、君って表情変えれるんだ…知らなかったよ。
 でも、もっち君じゃ無いんだから、もちょっと別の表現方法ないんか?
 ってか、目覚めてたならさっさとベッドから起きろ!

  なかなかベッドから離れないミヤを、イネスが首根っこ掴んで強引にベッドから引き離すと、そのまま執務室まで連行。
 昨晩ぶっ倒れた時と同じく、黒髪で黒い着物姿の幼女ミヤ。   
 イネスに首根っこ掴まれてぶらぶら揺れながら連行されるその姿は、捕まった黒猫にしか見えなかった。  
 俺の執務室にやってきたイネスと連行されたミヤ…だけじゃなくて、嫁ーずも妖精達も来ちゃったから、めちゃ狭苦しく感じるな。
 じゃない、連行されてきたミヤは、もの凄くほっぺを膨らませて不満顔。 
 こんな大人数が座る事など想定してないから、ソファーに全員座りきれないが、応接室か食堂にすればよかったな。
 取りあえず、俺の両横にはミルシェとミレーラ、向かいの席にはマチルダとイネスに挟まれたミヤ。
 そして、俺の後ろに立っているのがナディアで、ミヤの後ろに立っているのはアーデ、アーム、アーフェン。
 ちなみに、妖精ともっち君は、何時の間にやら姿を消して逃げていた。
 
 ところで、全員でここに来てるけど…君達にはミヤと会話する手立てないよね?
 俺とミヤだけが思念波で会話できるんだけど、何で皆でここに集まってるの?
 え、2人きりにしたら俺のエロが爆発するかもしれないから、監視…だと?
 んなもん、爆破するかーーーーー!
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...