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伝言?
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毎朝の日課となっている鍛錬を済ませた俺は、軽くシャワーで汗を流した後、食堂で皆と朝食を頂いた。
食事中は誰もが無言であったが、別に雰囲気が悪いわけでは無い。
普段から食事中の会話は必要最低限にしているだけである。
ほんとだよ?
さて、朝食も終わり食後のお茶をのんびりと愉しんでいる皆に向かって、これもいつもの如く俺は本日の予定を話す。
「本日の午後に、サラ達がここに戻ってくる予定だ。出来る限り普段通りに接する様にしてくれ。少しでも言動や行動に疑念を抱かれると、今までの作戦が水泡に帰す可能性があるので、くれぐれも慎重にね」
昨夜、メリルから無事帰路についたと連絡が入った。
その時、大凡の到着時間を聞いていたのだ。
往路で船内における家族との会話に、結構危険な単語も混ぜてみて、サラとリリアさんの反応に変化が無かったとは聞いていたので、まずはあの薬の効果が間違いない事が判った。
実際、この場にダンジョンマスター達がやって来て、多分もっと危険な会話をしていたにも関わらず、サラもリリアさんも何の連絡も無かったのも確認出来ているのだから、あの2人の前で転生だとか解脱だとか話しても問題ないとは思う。
だが、油断大敵雨霰…後半は違うけど、油断は大敵なのであーる!
何せ敵は巨大組織である、輪廻転生管理局なのだから。
なので、我々は慎重を期する必要があるのだ。
「ところでトールさま、帰りの船内では実験はしなかったのですか?」
注意を促そうとしていた俺に、マチルダがそう問いかけて来た。
実験…ああ、丁度今考えていた、例の危険な単語を混ぜた会話の事だな?
「ああ…それはしてない様なのだが、どうにもメリルの通信の内容が、いまいち分からなくてな。っと言うか、何か歯切れが悪いと言うか、奥歯にものが挟まった様な感じと言うか…いまいち俺には理解出来なかったんだよ。何だろうな?」
無論、帰宅予定時間だけでなく、ちょっと突っ込んで帰路の船内での会話についても確認を入れてある。
往路と同じ実験を期待していたわけでは無いが、メリルは結構頭がいい…普段の言動からは想像付かないかもしれないけど。
なので、もしかしたら再度検証の為に、幾らかは実験を試みたかもしれないと思って聞いたんだ。
だけど返って来た言葉が、「お話する様な事は…。確認はこれからです…。報告するような事は、無いと思いますよ?」等々で、一体どんな会話をしていたのか、全くもって俺には理解不能なのだ。
「では、帰りは実験をしていないのでしょうか? あのメリルさまが?」
マチルダも、ちょっとおかしいと思った様だ。
「あ、そう言えばメリルからみんなに伝言があったんだ」
俺の言葉に、嫁ーずの視線が集中した。やっぱ皆も気になるよね?
俺も意味不明な伝言を聞いて、めっちゃ気になったんだよ。
「…伝言…ですか?」
ミレーラだって、気になるよね?
「ああ、伝言だ。えっと、メリルからは、『例のブツが手に入ったので、帰ったらすぐに第197回の会議を開催します』だってさ」
室内だと言うのに、それを聞いた嫁ーずの背後に、何故かド派手な落雷が見えた。
「あぁ…あああぁ!」
ど、どうしたミルシェ?
「そ、そんな…まさか…」
お、おい…ミレーラも、どうしたんだ!?
「そうですか。では、ユズカは例の作戦を実行したのですね…」
例の作戦て何だよ、マチルダ?
「でかした、ユズカ!」
イネス、何を言ってんだよ? 王都でユズカが何かしたのか?
ってか、第197回の会議って、何の会議なの? え、何で嫁ーずだけで輪になってこそこそ話してんの?
『トールさまには、関係ありません!』
ちょ、俺も入れてくれよ! 何なんだよ、例の作戦って!
あと、ブツって何? 197回目の会議って、何の会議なの!?
ねえ、俺も仲間に入れてくれよー! 俺、寂しいよ? 悲しいよ?
また俺だけ蚊帳の外なの? これって、イジメめなの? イジメよくないよ!
『乙女の秘密です!』
いや、あんた達、一応俺の嫁さんだよね? 乙女って…。
『何か文句でも?』
あ、いえ…ございません…ええ、乙女ですよね、みなさん…はぁ…。
結局、何の会議なのか、どんな作戦だったのかなど、一切教えてくれない嫁ーず。
その輪の中には、ナディア達も入れてもらえず、俺と一緒に輪になって話し合う嫁ーずを遠巻きに見ているしか出来なかった。
やがて、朝のこの予定を話し場は有耶無耶の内に終わってしまい、嫁ーずは連れだってそそくさと何処かに消えた。
帰ったらユズカに何があったのか、絶対に聞かねば。 あ、でもユズカはアレでも女だから、教えてくれないかもしれない。
何せ、乙女の秘密だそうだからな…でも、乙女ねぇ。?
あ、そうだ! どうせユズキはユズカと王都でもくっついて行動してたはず。
ならば、ユズキに聞けばいいじゃまいか! 男同士だし、同じ元日本人だし!
でも、あの悪知恵だけは妙に働くユズカだから、もしかしてきっちり口止めしてるかも。
ユズキに思いっきりの尻に敷かれてるユズキだからなあ…。
食事中は誰もが無言であったが、別に雰囲気が悪いわけでは無い。
普段から食事中の会話は必要最低限にしているだけである。
ほんとだよ?
さて、朝食も終わり食後のお茶をのんびりと愉しんでいる皆に向かって、これもいつもの如く俺は本日の予定を話す。
「本日の午後に、サラ達がここに戻ってくる予定だ。出来る限り普段通りに接する様にしてくれ。少しでも言動や行動に疑念を抱かれると、今までの作戦が水泡に帰す可能性があるので、くれぐれも慎重にね」
昨夜、メリルから無事帰路についたと連絡が入った。
その時、大凡の到着時間を聞いていたのだ。
往路で船内における家族との会話に、結構危険な単語も混ぜてみて、サラとリリアさんの反応に変化が無かったとは聞いていたので、まずはあの薬の効果が間違いない事が判った。
実際、この場にダンジョンマスター達がやって来て、多分もっと危険な会話をしていたにも関わらず、サラもリリアさんも何の連絡も無かったのも確認出来ているのだから、あの2人の前で転生だとか解脱だとか話しても問題ないとは思う。
だが、油断大敵雨霰…後半は違うけど、油断は大敵なのであーる!
何せ敵は巨大組織である、輪廻転生管理局なのだから。
なので、我々は慎重を期する必要があるのだ。
「ところでトールさま、帰りの船内では実験はしなかったのですか?」
注意を促そうとしていた俺に、マチルダがそう問いかけて来た。
実験…ああ、丁度今考えていた、例の危険な単語を混ぜた会話の事だな?
「ああ…それはしてない様なのだが、どうにもメリルの通信の内容が、いまいち分からなくてな。っと言うか、何か歯切れが悪いと言うか、奥歯にものが挟まった様な感じと言うか…いまいち俺には理解出来なかったんだよ。何だろうな?」
無論、帰宅予定時間だけでなく、ちょっと突っ込んで帰路の船内での会話についても確認を入れてある。
往路と同じ実験を期待していたわけでは無いが、メリルは結構頭がいい…普段の言動からは想像付かないかもしれないけど。
なので、もしかしたら再度検証の為に、幾らかは実験を試みたかもしれないと思って聞いたんだ。
だけど返って来た言葉が、「お話する様な事は…。確認はこれからです…。報告するような事は、無いと思いますよ?」等々で、一体どんな会話をしていたのか、全くもって俺には理解不能なのだ。
「では、帰りは実験をしていないのでしょうか? あのメリルさまが?」
マチルダも、ちょっとおかしいと思った様だ。
「あ、そう言えばメリルからみんなに伝言があったんだ」
俺の言葉に、嫁ーずの視線が集中した。やっぱ皆も気になるよね?
俺も意味不明な伝言を聞いて、めっちゃ気になったんだよ。
「…伝言…ですか?」
ミレーラだって、気になるよね?
「ああ、伝言だ。えっと、メリルからは、『例のブツが手に入ったので、帰ったらすぐに第197回の会議を開催します』だってさ」
室内だと言うのに、それを聞いた嫁ーずの背後に、何故かド派手な落雷が見えた。
「あぁ…あああぁ!」
ど、どうしたミルシェ?
「そ、そんな…まさか…」
お、おい…ミレーラも、どうしたんだ!?
「そうですか。では、ユズカは例の作戦を実行したのですね…」
例の作戦て何だよ、マチルダ?
「でかした、ユズカ!」
イネス、何を言ってんだよ? 王都でユズカが何かしたのか?
ってか、第197回の会議って、何の会議なの? え、何で嫁ーずだけで輪になってこそこそ話してんの?
『トールさまには、関係ありません!』
ちょ、俺も入れてくれよ! 何なんだよ、例の作戦って!
あと、ブツって何? 197回目の会議って、何の会議なの!?
ねえ、俺も仲間に入れてくれよー! 俺、寂しいよ? 悲しいよ?
また俺だけ蚊帳の外なの? これって、イジメめなの? イジメよくないよ!
『乙女の秘密です!』
いや、あんた達、一応俺の嫁さんだよね? 乙女って…。
『何か文句でも?』
あ、いえ…ございません…ええ、乙女ですよね、みなさん…はぁ…。
結局、何の会議なのか、どんな作戦だったのかなど、一切教えてくれない嫁ーず。
その輪の中には、ナディア達も入れてもらえず、俺と一緒に輪になって話し合う嫁ーずを遠巻きに見ているしか出来なかった。
やがて、朝のこの予定を話し場は有耶無耶の内に終わってしまい、嫁ーずは連れだってそそくさと何処かに消えた。
帰ったらユズカに何があったのか、絶対に聞かねば。 あ、でもユズカはアレでも女だから、教えてくれないかもしれない。
何せ、乙女の秘密だそうだからな…でも、乙女ねぇ。?
あ、そうだ! どうせユズキはユズカと王都でもくっついて行動してたはず。
ならば、ユズキに聞けばいいじゃまいか! 男同士だし、同じ元日本人だし!
でも、あの悪知恵だけは妙に働くユズカだから、もしかしてきっちり口止めしてるかも。
ユズキに思いっきりの尻に敷かれてるユズキだからなあ…。
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