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てへぺろかよ!
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「はいはい。みなさん、時間もあまり無いのですから、本当にそんな事はあとにしてくださいね?」
にっこり笑いながらそう告げるモフリーナだったが、その目は決して笑ってなかった。
ボーディも少し青い顔をしながら頷いていたが、モフリーナって怒らせたら怖いタイプなのかな?
もちろん、俺の指を見つめていた嫁ーずもナディア達も、揃って一斉に顔をそむけた。
ミヤだけは、餌を前にしてお預けを食らった子犬みたいに、涎を垂らしながら俺の指を見てたけど…。
「うむ…無事に起動できたようで何よりじゃ。この決戦用特殊兵装・重戦機LガールMark.Ⅱ≪ミヤ≫は、声帯をつけておらぬで、声を発することはできぬ」
会話できないと聞いて、全員ちょっとびっくり。
こんなに可愛い少女が喋れないなんて…でも、よく見たらやっぱり何処かで見た様な気がする顔…。
「当たり前ではあるが、奥方用のLシリーズにも会話機能は無いぞよ?」
そっか…ラ〇タン軍団じゃ無いんだから、当然と言えば当然…かな。
「Lシリーズは、底部にある丸い模様に指を当てると個人認証が完了じゃ。後で必ずするようにの」
というか、モフリーナの視線が冷たくなって急にボーディが真面目に説明し始めたな…。
「認証が完了すれば、使い方は自然に頭に入ってくるはずじゃ」
へぇ~自動インストールなのか。
あれ? んじゃ、ミヤは?
「何じゃ、不思議そうな顔をしおってからに?」
俺の顔を見て、ちょっと馬鹿にしたようにボーディが言う。
「いや、ミヤはどうなのかなぁ…って」
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥って言うぐらいだから、ここは正直に疑問をぶつけよう。
「ん? もうお主の頭に入っておらぬか?」
何を言ってんだ、こいつ…って顔でボーディは言うけれど、何も頭に入って来て無いんですけど?
俺とボーディが視線をミヤに移すと、何やら握った左手で自分の頭をこつんと叩き、ウィンクしながらペロっと舌を出して…って、てへぺろかよ!
「「ま、まさか…」」
珍しくも、俺とボーディの声が重なった!
「「忘れてたんかー--い!」」
突っ込みも重なったよ…マジ珍しい。
ミヤは、目の前で手を合わせて、ごめんちゃいって言ってる様だった。
ミヤからの使用方法のインストールはとりあえず後で良からと告げて、取り合えずボーディに話の続きを俺は促した。
とは言っても、今後予想される敵の動向やその巨大さぐらいだったので、左程時間はかかっていない。
敵の巨大さは、何度聞いても全員きちんと理解はできてないようだったが、それでも過去最強の難敵であり、総力戦である事だけは理解できたようだ。
最後にボーディが、
「全員で文字通り死力を尽くしても勝てぬかもしれぬ。誰かが命を落とす事に…いや、全員が死ぬ事になるやもしれぬ。それほどまでに恐ろしい敵じゃ」
真剣な顔で全員の顔を見回しながら、ボーディは続ける。
「無論、あっけなく勝ててしまう可能性もある。じゃが、敵は必ずやってくる。それが何時になるかは分からぬが、その心積もりでおるようにの」
命を落とす事に…下手をすると全滅するかもしれないという話に、全員が一斉に息を飲んだ。
だが、誰も逃げるとも、戦いを避けるとも言わなかった。
いずれ、自分たちの住むこの世界に訪れるであろう危難を、全力で叩き伏せ乗り越えてやる、そして全員で生き残ってやるという、強い意志がその瞳から感じられた。
「うむ、皆良い目をしておる。妾達ダンジョンマスターも、全力でお主らと共に戦おう。まだ時間的猶予は幾らかあるはずじゃから、まずは妾達が彼の地に赴き、お主の案を実行に移すとしよう」
俺の案? ああ、父さん達を送り込んで調査するっていうアレね。
「では、これで失礼する。もしLシリーズを試すのであれば、絶対にダンジョンに来るのじゃぞ」
そう言って、ボーディは食堂の扉へと向かった。
「皆様、くれぐれも今は目立つ行動は避けてください。新装備は管理局に嗅ぎつけられる恐れが有りますので、使うときはダンジョンに来て下さいませ」
モフリーナも、ボーディ同様に念押しをしてから、出口へと続いた。
「…またね…」
モフリーナは、一体全体何しに来たんだ?
「では、しつれいしまちゅ」「お邪魔致しました」
もふりんとカジマギーは、丁寧にお辞儀をしてから、ダンジョンマスター達の後を追った。
そんなダンジョンマスター達に、俺達は立ち上がって頭を下げた。
廊下にはドワーフメイド衆が待機していて、彼女達を先導して裏庭へ…と思ったら、入口からボーディが顔を出して言った。
「おお、言い忘れておったわい。ミヤのモデルはユリアーネじゃ。あの素体の容姿をモデルに設計しておるでの。間違い無くお主の好みじゃぞ。ついでに決戦用特殊兵装・重戦機LガールMark.Ⅰは妾達の方で保管しておるが、今後は改造する予定じゃ。完成したらLガールMark.Ⅰ改としてまた持って来るやもしれんがな」
そう言い残し、ボーディは姿を消した…って、ただ帰っただけなんだけどね。
ダンジョンマスター達の帰った後、俺はミヤを見ながら考えた。
Mark.Ⅰ改って…この可愛いらしい、どこかユリアちゃん似の幼女を改造するって事なのか? 世界征服を企むショ〇カーみたいで、そっちの方が悪役っぽくね?
にっこり笑いながらそう告げるモフリーナだったが、その目は決して笑ってなかった。
ボーディも少し青い顔をしながら頷いていたが、モフリーナって怒らせたら怖いタイプなのかな?
もちろん、俺の指を見つめていた嫁ーずもナディア達も、揃って一斉に顔をそむけた。
ミヤだけは、餌を前にしてお預けを食らった子犬みたいに、涎を垂らしながら俺の指を見てたけど…。
「うむ…無事に起動できたようで何よりじゃ。この決戦用特殊兵装・重戦機LガールMark.Ⅱ≪ミヤ≫は、声帯をつけておらぬで、声を発することはできぬ」
会話できないと聞いて、全員ちょっとびっくり。
こんなに可愛い少女が喋れないなんて…でも、よく見たらやっぱり何処かで見た様な気がする顔…。
「当たり前ではあるが、奥方用のLシリーズにも会話機能は無いぞよ?」
そっか…ラ〇タン軍団じゃ無いんだから、当然と言えば当然…かな。
「Lシリーズは、底部にある丸い模様に指を当てると個人認証が完了じゃ。後で必ずするようにの」
というか、モフリーナの視線が冷たくなって急にボーディが真面目に説明し始めたな…。
「認証が完了すれば、使い方は自然に頭に入ってくるはずじゃ」
へぇ~自動インストールなのか。
あれ? んじゃ、ミヤは?
「何じゃ、不思議そうな顔をしおってからに?」
俺の顔を見て、ちょっと馬鹿にしたようにボーディが言う。
「いや、ミヤはどうなのかなぁ…って」
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥って言うぐらいだから、ここは正直に疑問をぶつけよう。
「ん? もうお主の頭に入っておらぬか?」
何を言ってんだ、こいつ…って顔でボーディは言うけれど、何も頭に入って来て無いんですけど?
俺とボーディが視線をミヤに移すと、何やら握った左手で自分の頭をこつんと叩き、ウィンクしながらペロっと舌を出して…って、てへぺろかよ!
「「ま、まさか…」」
珍しくも、俺とボーディの声が重なった!
「「忘れてたんかー--い!」」
突っ込みも重なったよ…マジ珍しい。
ミヤは、目の前で手を合わせて、ごめんちゃいって言ってる様だった。
ミヤからの使用方法のインストールはとりあえず後で良からと告げて、取り合えずボーディに話の続きを俺は促した。
とは言っても、今後予想される敵の動向やその巨大さぐらいだったので、左程時間はかかっていない。
敵の巨大さは、何度聞いても全員きちんと理解はできてないようだったが、それでも過去最強の難敵であり、総力戦である事だけは理解できたようだ。
最後にボーディが、
「全員で文字通り死力を尽くしても勝てぬかもしれぬ。誰かが命を落とす事に…いや、全員が死ぬ事になるやもしれぬ。それほどまでに恐ろしい敵じゃ」
真剣な顔で全員の顔を見回しながら、ボーディは続ける。
「無論、あっけなく勝ててしまう可能性もある。じゃが、敵は必ずやってくる。それが何時になるかは分からぬが、その心積もりでおるようにの」
命を落とす事に…下手をすると全滅するかもしれないという話に、全員が一斉に息を飲んだ。
だが、誰も逃げるとも、戦いを避けるとも言わなかった。
いずれ、自分たちの住むこの世界に訪れるであろう危難を、全力で叩き伏せ乗り越えてやる、そして全員で生き残ってやるという、強い意志がその瞳から感じられた。
「うむ、皆良い目をしておる。妾達ダンジョンマスターも、全力でお主らと共に戦おう。まだ時間的猶予は幾らかあるはずじゃから、まずは妾達が彼の地に赴き、お主の案を実行に移すとしよう」
俺の案? ああ、父さん達を送り込んで調査するっていうアレね。
「では、これで失礼する。もしLシリーズを試すのであれば、絶対にダンジョンに来るのじゃぞ」
そう言って、ボーディは食堂の扉へと向かった。
「皆様、くれぐれも今は目立つ行動は避けてください。新装備は管理局に嗅ぎつけられる恐れが有りますので、使うときはダンジョンに来て下さいませ」
モフリーナも、ボーディ同様に念押しをしてから、出口へと続いた。
「…またね…」
モフリーナは、一体全体何しに来たんだ?
「では、しつれいしまちゅ」「お邪魔致しました」
もふりんとカジマギーは、丁寧にお辞儀をしてから、ダンジョンマスター達の後を追った。
そんなダンジョンマスター達に、俺達は立ち上がって頭を下げた。
廊下にはドワーフメイド衆が待機していて、彼女達を先導して裏庭へ…と思ったら、入口からボーディが顔を出して言った。
「おお、言い忘れておったわい。ミヤのモデルはユリアーネじゃ。あの素体の容姿をモデルに設計しておるでの。間違い無くお主の好みじゃぞ。ついでに決戦用特殊兵装・重戦機LガールMark.Ⅰは妾達の方で保管しておるが、今後は改造する予定じゃ。完成したらLガールMark.Ⅰ改としてまた持って来るやもしれんがな」
そう言い残し、ボーディは姿を消した…って、ただ帰っただけなんだけどね。
ダンジョンマスター達の帰った後、俺はミヤを見ながら考えた。
Mark.Ⅰ改って…この可愛いらしい、どこかユリアちゃん似の幼女を改造するって事なのか? 世界征服を企むショ〇カーみたいで、そっちの方が悪役っぽくね?
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