システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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 ボーディの発言には、嫁ーずだけでなく俺も大いに驚いた。
 ドワーフさん達はちょっと驚いた程度だけど、流石に嫁ーずは絶句したまま固まってしまった。
 ちなみにナディア達は寿命が有って無い様なものなので、俺達の寿命が延びたって事は歓迎気味だ。

 あ、でも…嫁ーずの寿命が100年伸びたって…もしかして、俺って嫁ーずの人生を変えちゃった?
 あ、待てよ…それって、父さんや母さん、コルネちゃんに…ユリアちゃんは元々スーパー女児だからいいとしても、ユズユズの2人の人生も狂わせちゃったりしたんでないかい?
 そう考えながらボーディへと視線を向けると、ニカッっと滅茶苦茶いい笑顔でサムズアップしやがった。
 俺の考えは全部お見通しで、しかもそれは紛うこと無く正しい認識であるといっているも同然。
 え、って事は…俺に近しい人は、漏れなく寿命が伸びちゃうって事なんだよな? 
 よぼよぼしわくちゃ年寄りになっても、死ねないって…それってもの凄く辛い事なんじゃね?
 そんな俺の心の声を聞いたからかどうかは知らないが、モフリーナが俺達に向かってボーディの言葉に捕捉をしてくれた。
「皆様、寿命が100年近く伸びたなどと急に言われて不安かも知れませんが、どうぞご安心ください。皆様の肉体は最も活動に適した年齢であと数十年は固定されたままです。その後、ゆるりと廊下が始まります。人族としては見た目などに問題が出る可能性もあるかと思いますが、その時は我々の大陸にお越しいただければ問題ございません」
 問題ないって…そこまでの過程が問題なんじゃないかな?
 嫁ーずも、大陸に引っ越しするまでの事が気掛かりみたいだ。
 そりゃ、パンゲア大陸に引っ越して、あの塔にでも住んでれば、知人に会う事も無いだろうし、容姿が変わらない姿を奇異の目で見る人も居ないだろう。
 でも、いきなり俺達全員がこの国から消えたりしたら、大問題が起きないか?
 いやそれだけでなく、他にも色々と問題が出てくるような…。 
「ああ、老化が始まるまで容姿が変わらない事が気がかりな様でしたら、そこも対処いたしましょう。具体的には、皆様そっくりの人形を用意しまして、徐々に容姿が老化するようにいたしましょう。それらと逐次入れ替わって頂ければ誰にもそうとはわからないはずですよ」
 モフリーナの説明に、嫁ーずがほっと息を飲むのが分かった。
 俺も、ほっとしたよ…取りあえず考えられる諸問題は、それで大体解決しそうだな。
「それなら色々と安心…かな?」「それなら…いっぱい愛して…頂ける?」「沢山子供を産めそうですね」「倦怠期には気を付けねば!」
 ミルシェさん、何が安心なの? ミレーラさん、君凄いこと言ってるよ? マチルダさん、何人産むつもりなんですか? イネスさん…倦怠期って、まだ考えるの早くね? 
「これで我々にもチャンスが…」「「「間違いなく愛してもらえますね」」」
 な、ナディアさん…まだ狙ってたの? ってか、アーデ、アーム、アーフェンよ、間違いなくって断言されても困るんだが…。 

 ま、取りあえず寿命問題はこれで取りあえず解決…なのかな。
 えっと、そんで何の話してたっけ? ああ、そうだそうだ思い出した。
 俺が色々と創造してたって話だったな。
 んでは、その続きをば…。
「ま、まあ…ボーディやモフリーナの説明で色々と理解もして貰えたようで、何よりです。んで、さっきまでの話の続きなんだけど…つまりは俺が色々と今まで創り出して来たって事なんだけど、実はそれは俺が転生する時に管理局長からもらった転生時の特典の道具で、俺が創造した物なんだ。これは俺の魂のエネルギーってのを利用して俺が考えた何かを創造するための道具なんだけど、ここに秘密があったんだ」
『秘密?』
 うちの奥さん達ってば、何でこんなに声が揃うんだろう? もしかして、普段から練習してるとか?
「ああ、実は創造するための道具で創り出せる物には、どうやら制限があるらしい。創り出そうとしている物に問題が有るか無いかを、サラが管理局に毎回問い合わせているんだよ。んで、許可が出たものだけが創造できるっていう仕組み」
 それを聞いたマチルダが、何やら考え込んだ後に少し冷たい声をあげる。
「…それは少しおかしいですね。サラさんか管理局長とかいう者が、トール様の意思や考え方を自分達に都合の良いように誘導しているという可能性は無いでしょうか? 想像するための道具なのに、創造できる物が許可制とは…おかしくないでしょうか」
 まぁ! マチルダさんったら、お鋭くいらっしゃいますわね。
 余りの鋭いマチルダの考察に俺が驚いていると、それを聞いていたボーディは、ニヤリと笑って俺の方を見た。
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