システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
1,002 / 1,466

だめだめでちゅ!

しおりを挟む
 あの後、俺&嫁ーずとユズキは、ライタ〇軍団改造計画に夢中になったダンジョンマスター達に、完全に忘れられてしまった。

 まあ、特に今日はする事も無かったので、ホテルのラウンジに似たな造りの、このパンゲア大陸の塔の上層階から美しい夜景を楽しんでいたりした。
 流石に惑星の反対側にある大陸だけあって、家を出た時はまだ昼前であったのだが、こちらでは真っ暗な夜だ。
 当たり前のことだが、地球よりも文化も文明も遅れたこの世界、俺達が夜景を眺めている様な塔に匹敵する高層建築物は、同じ形状である他の塔しかない。
 しかも、排気ガスなどで空気が汚れているというわけでも無いので、とても空気が澄んでいて遠くまで見渡せる。
 この広大な大陸に100基存在するダンジョン塔だが、俺達のいる場所からも遠くにいくつか見える。
 真っ暗なのに何で見えるのかというと、塔の所々にある窓から明かりが漏れているからだ。
 きっとダンジョンとして冒険者に開放している塔の階層は、不夜城よろしく照明が煌々と焚かれているのだろう。
 上を見上げれば満天の星空なのだが、前世で子供の頃に見たような天の川とかは見えない。
 お月様も無いこの星では、地球よりも夜空が暗く感じられる。
 相対的に、星々は地球で見たのよりも明るく見えるのだが、知っている星座が全く無いのは、少し寂しいかも知れない。 
 とは言っても、ただ夜景を眺めているだけでは飽きる。
 いや、娯楽も何も無い世界なんだから、何時までも星空を眺めて、「わ~綺麗だね~」などどいつまでも言ってられない。
 だって、俺の領地でだって見る事が出来る星空なんだから。
 大体、人魚さん達の住んでいる海辺まで行けば、潮騒というヒーリング効果のあるBGMを枕に寝転がって、満天の星空を見る事だって出来るんだ。
 こんな所で何時まで喜んで眺めるような物でも無い。

 ってな分けで、そろそろお暇しようかと思って、何故改造計画の話し合いの輪に入れないで、輪の外をうろうろしていたもふりんに声をかける事にした。
「え~っと、もふりんさんや。ちょっといいかな?」
 話し合いの中に入りたいのに入れない? 話し合いに参加するだけの知識が無いのかな? 
 話の輪の外から話し合いの様子を眺めながら、所在無さげに歩き回っているもふりんだったが、俺が声をかけたのが嬉しかったのか、ダッシュで俺の元へとやってきた。
「はい、なんでちょうか! わたくちにごようじでちか?」
 1人でウロウロしてて、寂しかったのか? やたらと嬉しそうだな。
 あまりのもふりんの勢いに、俺だけでなく、嫁ーずもユズキもちょっと引き気味。
「あ、ああ…うん。そろそろお暇しようかなぁ…って。なぁ?」
 一応、背後に控える皆にも同意を求めておく。
「ええ、そろそろ…良いお時間かと…」
 ユズキがそう答えると、もふりんが、
「わかりまちた! すぐおやちきにおくらせていただきまちゅ!」
 そう言い残して、バヒュン! っと話し合いの輪に向かって走って行った。

 とても良い笑顔で、もふりんはダンジョンマスター達に向かい胸を張って告げた。
「おきゃくちゃまをほうって、おはなちにむちゅうになってるなんて、だめだめでちゅ! おきゃくさまがおこまりでちゅ!」
 うん、もう口調は以前の君に戻ってるね…。
 まあ、これがもふりんの個性なのかもしれないから、あえて口を出す事じゃないけれど…。
「おぉ、忘れておった! なんじゃ、もう時間かえ?」
 鼻息荒いもふりんに怒られたからか、ボーディが俺達に声を掛ける。
 うん、忘れてたって、はっきり言ったな…。
「ああ、もういい時間だからな。それに、俺達が居たって、あの人形? の改造には力になれそうもないしな」
 光り輝く太陽電池のボディーへの改造なんて、どうやるのか分かんねえからな。
 だけど、俺的にはビジ〇ダーの方が好きだったから、そっち方面だったら色々とアドバイスできるぞ?
 ミニスカートで白いブーツ履かせるとかどうだろう?
 でも、けっして彼女の第3ボタンは外してはいけない。体内の水素爆弾が爆発するから、絶対にダメだ。
 あ、でもあの幼女姿では、ちょっと太もも的に寂しくないだろうか?
 それに変身後の、あのおっぱいからでるビジン〇ーレーザーは無理があるな。
 やはり、幼女ではだめだ、そこは変更を希望する!
「あぁ…うん、妄想はもうそろそろ終わってくれると、妾嬉しいのじゃが…」
「な、何を言うか! 誰が妄想してるってんだ!」
 失礼な事を…。
「お主じゃ」「トールヴァルド様です」「…お前…」「貴方様です」「とーるちゃまでち」『トール様です』「伯爵様です」
 え~っと、何故に全員で口々に俺を責めるのでしょうか?
『全部声に出てました』
 …またやっちゃいましたか、俺…。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...