システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
983 / 1,466

ナノマシンだよね?

しおりを挟む
 その後、ボーディから長い話を聞いた。
 ひよこ達は、普通に悟りを開いた者達の保有するエネルギーなど耳クソ程度に感じられるほどの巨大なエネルギーを持っていたから、魂魄解放庁の管轄下に入るのを拒否出来た…何かシステム的にどうとか言ってたけど…らしい。
 そんなひよこ達よりも巨大なエネルギー保有者である俺は、確実に魂魄解放庁の管理課には収まらないそうだ。
 過去に悟りを開いて解脱した偉い人達は、一般人よりも魂のエネルギー量こそ多い物の、俺やひよこのそれと比較すれば、数千分の一程度なんだとか。
 んで、魂魄解放庁の管轄下に入る = 輪廻転生の輪から外れる と言う事であり、 全宇宙のエネルギー総量という分母から引き算されるそうで、特に輪廻の輪から外れても問題は無いのだとか。
 俺やひよこ達ほどの巨大なエネルギーともなると、かなりの問題が起きる可能性もあるそうだが…。
 あと、どうも異世界のラノベや漫画でアジア系の人が多く転生や転移をしているのも、そう間違いでも無いらしい。
 何らかの道を極めんとするのは、アジア系が多いから、その影響だとか。
 そう言われてみれば、空手や柔道も、欧米ってパワー…つまり筋力の方を重視してるもんな。
 結構、技とか型って軽視されてたっぽいから、道を極めるとかいう発想が無いのかもしれん。
 そもそも茶道や華道って無いだろうし…。
 中国とかだと少林寺ってお寺の僧侶が功夫やってたけど、なるほど武道って禅に通ずるものがあるのかもしれん。
 ふむ…道を極めるか。
 この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる
 迷わず行けよ 行けばわかるさ ダーーーーーーー!
 しか思い出せんが、なるほどこの詩の内容も、もしかしたらもしかするのかもしれないな…。
 
 まあ、そんな事を長々と話していたわけだ。
 モフリーナは、ずっと不貞寝してたけど…。
 
「お待たせしました」
 ボーディとの話がちょうど一段落したところで、モフリーナが戻ってきた。
 何か小さな箱を抱えて。
 その箱何ですか?
「おお、ご苦労じゃったの。例の物も?」
「はい、ばっちりです」
 ボーディとモフリーナの間で、何やら怪しい会話が。
「お帰り…んで、例の物って?」
 いや、気になるだろ? 誰だって訊くよな? 
 その手に持ってる箱の中身は何なんだよ。
「ただいま戻りました。この箱の中身ですか? えっと、ボーディ様…よろしいでしょうか?」
「ああ、構わぬ。渡してやれ」
 鷹揚にボーディが応えると、モフリーナは小さく頷いてはこの蓋を開けた。
 そして無造作に中に手を突っ込み取り出した物は…ナニソレ?
「これは、超極小機械式疑似分霊装置とでも言ったら分りますでしょうか?」
 いや、全然意味わからん!
「私が持っているこの小さなプセルの中には、最初にこれを体内に取り込んだ人の魂のエネルギーの一部に強制という形で体内に留まり、特定の動作をする機会であります。つまり、体内に分け身を造るような物ですね」
「分け身…? それってもふりんとかカジマギーみたいな?」
 でも、それってカプセル怪獣…じゃない、ナノマシンだよね?
「いや…分け身は幼女型が…」
「モフリーナの説明の通りの優れ物じゃ。お主の希望などそもそも考慮にも値せぬわ!」
 ボーディに怒られた…。
「トールヴァルド様。これは管理局からの監視を逃れる為に必要な物です。これを体内に入れた者の思考を常に監視し、危険な情報などを別情報に自動的に変換して管理局に流してくれる物なのです」
「ん?」
 どゆこと?
 俺が首を捻っていると、ボーディが分かりやすく解説してくれた。
「つまりじゃな…そうじゃのぉ…お主に分り易く説明するとじゃな、自動翻訳装置を体内に取り込んだと考えるのじゃ」
「ほう?」
「その自動翻訳装置は、あえて間違った翻訳をしてくれるのじゃ。そう、管理局が重点的に監視しておるワードなどをな」
「おぉ! つまり、管理局が俺に知られたら都合の悪い情報を俺がもし考えたりしても、違う内容にそれを変換して管理局に流してくれるって事か?」
「うむ、理解が早くて助かるわい」
 これは結構凄い物なんじゃないか?
「完全に肉体や精神には影響はありません。ただ、この装置の特徴として音声まで偽情報に変換されますので、管理局の関係者に話を聞かれますと少々問題が起きます」
 音声まで変換するのか、そりゃすげえ! でも、問題って?
「唇の動きと音声が違う現象が起きてしまいます」
 あ、唇の動きか…なるほど。
 サラはともかく、リリアさん辺りは持ってそうだな、読唇術。
「トールヴァルド様のご家族分、ユズキとユズカ分、妖精達やペット達の分まで用意してあります」
「ああ、ありがとう…でも、そんなに数いるかなあ?」
「現在、100個ほど製造完了しております。管理局の手の者以外、全員に飲ませるのがよろしいかと」
 モフリーナが、めっちゃずずいっと迫ってきた。
 顔、怖いんですけど…。
「ここを出る前に、お主は飲め。それを確認した後、本日の会談は終了じゃ」
 ボーディの顔も怖いんですけど…。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...