システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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神に等しい存在?

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 だとしたら、幾つか腑に落ちない点もあるぞ?
 まず第一に、ひよこ達って結局のところ、輪廻転生の枠から外れたんだよな? 
 だったら、彼らの持っていたエネルギーって、質量保存の法則…とは違うかもしれないけど、全宇宙のエネルギー総量って監視されてるらしいのに、大丈夫なの?

「彼奴らはのぉ…輪廻転生の輪から外れて悟りの境地にも至った。じゃが、解放魂魄統轄庁の管理課にも入っておらぬのじゃ。つまり、この宇宙にそのままの状態で存在しておる。じゃから宇宙のエネルギー総量には影響ないのじゃ」
 え、何で管轄下に入って無いの? だって、悟りに到った者は漏れなく…?
「あ奴らが管轄下に入るのを拒否したのじゃ。まあ、普通は拒否できぬのじゃが」
 そうなんだ…拒否できるんだ。
「えっと…確か、全次元・全時間軸って言ってたけど…、それじゃひよこ達って何年生きてんの?」
「覚醒した彼奴等は、不老じゃ。老いという概念を超越してしもうた。とは言っても、自ら生命活動を止めようと思えば止める事は出来るのじゃから、不死と言うわけではないぞよ?」
 って事は、ほとんど不老不死なのか?
「お主、気づいておらぬのか?」
「何を?」
「覚醒せずとも、お主もすでにそれに近い者へと、変わりつつあるのじゃぞ?」
「Whattttt???」
 俺、変化してんの?
「すでにお主の影響を受けた、お主の周囲の者たちは、寿命が数十年は伸びておるぞ? 周囲にまで影響を与えるとは、やはり只者ではないのぉ…お主…」
 ボーディが感心した様に、うんうんと頷きながら俺に向かってそう言った…が、思い当たる事もある。

 確か随分と前に、サラかリリアさんだか忘れたけど、言われた事があるんだ。
 ガチャ玉で創った装備を身に着けている、嫁-ずや妹ず、装備に何度も触れていた父さんや母さん、あとユズユズ夫妻は、単純に魂のエネルギーの保有量が増えて寿命が延びているって。
 だけど、それを通り越して不老不死に近い存在になってたひよこ、凄ぇよ。
 いや、次元を渡る能力もあるって言ってたな……あれ?

「それって、もしかして…管理局長も一緒なんじゃ?」
 俺が、つい…って感じで、沸き上がった疑問をポロリと口にすると、
「やっとそこに気が付きおったか」
 ボーディがニヤリと悪い顔で笑った。
「え…んじゃ、局長も…もしかして…」
「ああ、お主と元は同じ存在という事じゃな。じゃが…」
 俺と局長の元は一緒…でも、じゃがって?
「じゃが、確定ではないと妾は考えとる」
「トールヴァルド様、私たちは管理局長は、貴方と同格の存在から能力を奪ったのか譲渡されたのかは不明ですが、その特殊な能力を得たのだと考えております」
 ボーディに続いて、モフリーナがそれを補足してくれた。
「モフリーナの言う通りじゃ。あ奴は元々は解放魂魄統轄庁の下部組織である輪廻転生管理局で、ただシステムを管理するだけの存在じゃった。いつの頃からか、あ奴は不思議な能力をもって管理局を解放魂魄統轄庁と同格の組織にまでしてのけたのじゃ。元より能力を持っていたとは考え難いのじゃよ」
 う~~む…どういう事なんだろう…いまいち理解できん。

「時に、お主に確認したことがあるのじゃが…お主、あ奴の手先に将来について何か言われておらぬか?」
「将来?」
 手先って、サラとリリアさんの事だよなあ? 
 えっと…何か言われたっけ…えっと、えっと…あっ!
「そう言や、将来俺は神になるとか馬鹿々々しい事を言われた事もあったなぁ」
 懐かしいや。
「なるほど…それは当然じゃな」
「ひょえ!?」
「お主、忘れておらぬか? お主は元々この宇宙を生み出した神に等しい存在の一部なのじゃぞ?」
「あっっ!」
「つまり、元々神なのじゃ…今までの流れで気づかぬかや?」
 馬鹿にしたような目で俺を見つめるボーディとは対照的に、呆けた顔になった俺であった。
「あ奴らは、嘘の情報の中に巧みに自分達にとって都合が良い様に真実を微妙に混ぜていたんじゃのぉ」
 それって、確実に詐欺師の話法だよな…。
「これで、確実にトールヴァルド様が我々の祖の一部であるという事が真実であると確信出来ました。管理局長は、確実に何か解放魂魄統轄庁に仕掛けようとしていますね。それと、どうやら局長の傍には、トールヴァルド様と同格の存在があることもほぼ確実となりました」
 そうなの?
 もしかして、こんな情報の欠片を分析して答えを導き出すって、君たちってすごい頭脳をお持ちなのでしょうか?
「さて、そこでじゃ。ここまで色々と管理局の闇に迫ってみて考えたのじゃが、あ奴がこの状況をただ指を咥えて見ているとは、とても思えん」
「え? だって、局長に情報が覗かれ無いためのこの空間なんじゃ?」
 でっかい竜の胃の中って、気色悪い場所だけど…。
「阿呆! そんな事はあ奴も承知の上じゃ。そもそも妾達ダンジョンマスターと仲良うして居ることが、あ奴の想定外のはずじゃ。そして、度々管理局がお主の行動を見失う事も…の」
 あ、なるほど!
「じゃからこそ、以前頼まれていた物を、お主に渡す良いタイミングなのじゃ」
 えっと、俺…何か頼んだっけ?
「え、ボーディ様…あれを渡すのですか?」
 モフリーナさん、そんなに驚く様な物なんですか? 危険な物なんですか?
「ああ、丁度良いタイミングじゃからの。帰りを楽しみにしておれ」
 楽しみに待ってて良い物なの?
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