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ひよこの正体?
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「はぁ…んで、調査の途中経過報告だったよな」
もう、こいつ等の赤ちゃん大好きムーヴについて抗議するのは止めて、さっさと話を進めよう。
そう思い、あの地の事を話そうとした俺を、ボーディが身振りで止めた。
そしてモフリーナへと視線を送ると、何やらアイコンタクト。
何してんの? っと思った瞬間、何時かみたダンジョンマスターの造った例の次元の狭間の部屋へと飛ばされた。
飛ばされたというか、移動? 転送させられたって言い方の方が正しいかな。
「いきなりで、すまぬな。あそこで重要な話をするわけにはいかぬのでな」
少々申し訳なさそうにそう言うボーディに続いて、モフリーナも、
「トールヴァルド様の邸の中にまで領域を広げた事は謝罪いたします。全てが終りましたら、元に戻しますのでお許しください」
そうですか…俺の邸の応接室もダンジョン領域化しましたか。
いや、別にモンスターとかがいきなり出現したりしなければ問題は無いよ?
「では、話しをしようかの」
そう言って、腕を組んで俺を見つめるボーディの目は、いつもと違いとても冷めていた。
「早速で悪いが、報告させてもらうぞ」
いや、早速じゃない…もういいや。
「まず、あの地へもふりんとカジマギーを派遣し、詳細な調査を行うと言ったが…」
「ああ、それは聞いたが…それが?」
何で持って回った様な言い方するんだ、ボーディは?
「あれは嘘だ」
「はぁ~!? 嘘って何だよ、ボーディ! モフリーナ、どういうことだ!?」
ボーディの言葉に、思わず俺はモフリーナに詰め寄った。
「どういう事と言われましても…その言葉の通りです」
「……へっ?」
どうゆこと?
「調査を行うという言葉が、完全に嘘という事では無い。じゃが2人を派遣した本当の目的は別にあるのじゃ。実はの…2人には、例の土地で見つけたひよこに接触を試みさせておったのじゃ」
「またひよこかよ? そのひよこって、一体何なんだ?」
本当に、みんなひよこ好きだな、おい!
「ひよこの正体ですが、それをお話する前に…貴方はご自分の事をどこまで覚えていますか?」
「俺の事?」
何を言ってんだ、モフリーナは?
「ああ、もちろん覚えているとも」
「お主、それは前世の事もかや?」
ボーディまで…何を言い出すんだ?
「そんな事、何か関係あるのか?」
「いいから、答えるんじゃ!」
急に真顔で怒鳴りつけるボーディに面食らったが、
「あ、ああ…覚えているが?」
俺の前世は大河芳樹だが…あれ?
「お主の両親の名前は? 妻の名は? 子供の名前は?」
「そんなの覚えてるに…決まって…る…だろ……………あれ?」
「どうした、言ってみろ」
ボーディにそう迫られるが、思い出せない…。
「思い出せぬじゃろう?」
「…ああ、確かに…思い出せない…」
どうなってんだ、俺の記憶は?
「やはりか」「やっぱりですね」「…間違いない…」
この反応…もしかして、原因を知ってんじゃないのか、こいつら?
「よいか、お主の前世の記憶を思い出してみるが良い。かなりの欠落があるはずじゃぞ」
欠落?
「つまりは、思い出せぬことが多いだろうと言うておるのじゃ。例えばお主の妻の名じゃが、はっきりと思い出せぬじゃろう?」
「…ああ、確かに妻がいた事は覚えているが…名前が…」
「子供の名前もじゃろ?」
「確か、妻の名前を取って付けた…色々と考えて、結局身近にあったものをもじって付けた記憶が…」
ボーディの畳みかける様な問いかけに、記憶を手繰ってみるが、何故か固有名詞だけが出てこない。
「ふむ…やはりのぉ。つまりはエピソード記憶に近い物であれば記憶しているようじゃの」
「えっと、どうゆう事だ?」
え、マジでどゆこと?
「うむ、そこで例のひよこの話に繋がるのじゃ」
「え、これがひよこに?」
一体、何の話だ? どんな繋がりなんだよ??
「トールヴァルド様、落ち着いてお聞きください。例のひよこの正体ですが…」
「ひよこの正体?」
いや、ひよこはひよこだろ? ナニ言い出すんだ、モフリーナは?
「…ひよこ…それは…」
変な間で引っ張るなよ、モフレンダ!
同じ気持ちだったのか、軽くモフレンダを睨んだボーディが答えを口にした。
「それは、お主自身じゃ」
「お、俺自身がひよこ!?」
一体、何を言い出すんだ?
俺、どっからどう見てもひよこじゃないよね?
あれ? 俺って、皆から見たら、ひよこに見えんの?
え、どうゆこと?
もう、こいつ等の赤ちゃん大好きムーヴについて抗議するのは止めて、さっさと話を進めよう。
そう思い、あの地の事を話そうとした俺を、ボーディが身振りで止めた。
そしてモフリーナへと視線を送ると、何やらアイコンタクト。
何してんの? っと思った瞬間、何時かみたダンジョンマスターの造った例の次元の狭間の部屋へと飛ばされた。
飛ばされたというか、移動? 転送させられたって言い方の方が正しいかな。
「いきなりで、すまぬな。あそこで重要な話をするわけにはいかぬのでな」
少々申し訳なさそうにそう言うボーディに続いて、モフリーナも、
「トールヴァルド様の邸の中にまで領域を広げた事は謝罪いたします。全てが終りましたら、元に戻しますのでお許しください」
そうですか…俺の邸の応接室もダンジョン領域化しましたか。
いや、別にモンスターとかがいきなり出現したりしなければ問題は無いよ?
「では、話しをしようかの」
そう言って、腕を組んで俺を見つめるボーディの目は、いつもと違いとても冷めていた。
「早速で悪いが、報告させてもらうぞ」
いや、早速じゃない…もういいや。
「まず、あの地へもふりんとカジマギーを派遣し、詳細な調査を行うと言ったが…」
「ああ、それは聞いたが…それが?」
何で持って回った様な言い方するんだ、ボーディは?
「あれは嘘だ」
「はぁ~!? 嘘って何だよ、ボーディ! モフリーナ、どういうことだ!?」
ボーディの言葉に、思わず俺はモフリーナに詰め寄った。
「どういう事と言われましても…その言葉の通りです」
「……へっ?」
どうゆこと?
「調査を行うという言葉が、完全に嘘という事では無い。じゃが2人を派遣した本当の目的は別にあるのじゃ。実はの…2人には、例の土地で見つけたひよこに接触を試みさせておったのじゃ」
「またひよこかよ? そのひよこって、一体何なんだ?」
本当に、みんなひよこ好きだな、おい!
「ひよこの正体ですが、それをお話する前に…貴方はご自分の事をどこまで覚えていますか?」
「俺の事?」
何を言ってんだ、モフリーナは?
「ああ、もちろん覚えているとも」
「お主、それは前世の事もかや?」
ボーディまで…何を言い出すんだ?
「そんな事、何か関係あるのか?」
「いいから、答えるんじゃ!」
急に真顔で怒鳴りつけるボーディに面食らったが、
「あ、ああ…覚えているが?」
俺の前世は大河芳樹だが…あれ?
「お主の両親の名前は? 妻の名は? 子供の名前は?」
「そんなの覚えてるに…決まって…る…だろ……………あれ?」
「どうした、言ってみろ」
ボーディにそう迫られるが、思い出せない…。
「思い出せぬじゃろう?」
「…ああ、確かに…思い出せない…」
どうなってんだ、俺の記憶は?
「やはりか」「やっぱりですね」「…間違いない…」
この反応…もしかして、原因を知ってんじゃないのか、こいつら?
「よいか、お主の前世の記憶を思い出してみるが良い。かなりの欠落があるはずじゃぞ」
欠落?
「つまりは、思い出せぬことが多いだろうと言うておるのじゃ。例えばお主の妻の名じゃが、はっきりと思い出せぬじゃろう?」
「…ああ、確かに妻がいた事は覚えているが…名前が…」
「子供の名前もじゃろ?」
「確か、妻の名前を取って付けた…色々と考えて、結局身近にあったものをもじって付けた記憶が…」
ボーディの畳みかける様な問いかけに、記憶を手繰ってみるが、何故か固有名詞だけが出てこない。
「ふむ…やはりのぉ。つまりはエピソード記憶に近い物であれば記憶しているようじゃの」
「えっと、どうゆう事だ?」
え、マジでどゆこと?
「うむ、そこで例のひよこの話に繋がるのじゃ」
「え、これがひよこに?」
一体、何の話だ? どんな繋がりなんだよ??
「トールヴァルド様、落ち着いてお聞きください。例のひよこの正体ですが…」
「ひよこの正体?」
いや、ひよこはひよこだろ? ナニ言い出すんだ、モフリーナは?
「…ひよこ…それは…」
変な間で引っ張るなよ、モフレンダ!
同じ気持ちだったのか、軽くモフレンダを睨んだボーディが答えを口にした。
「それは、お主自身じゃ」
「お、俺自身がひよこ!?」
一体、何を言い出すんだ?
俺、どっからどう見てもひよこじゃないよね?
あれ? 俺って、皆から見たら、ひよこに見えんの?
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