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どうか神様…
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「「どどどど…」」
父さんとユズキが、どどど星人に!
「どうしたらいいんだ、トール!?」「どうしましょう、伯爵様!?」
滅茶苦茶焦った顔で俺の両肩を掴み揺さぶる2人。
ちょ、止めて! 首がガックガクだから! そんな高速ヘドバンしたら、首が…首がーーー!
もう真っ暗になった廊下で、焦りまくり動揺しまくりの男3人がわちゃわちゃ。
そんな頸椎損傷寸前の俺だが、よくよく耳を澄ませてみれば聞こえてくる物もある。
それは、赤ちゃんの泣き声の陰に隠れて聞こえづらいが、確かにいきむ女性の声。
「ちょっと待て、落ち着け2人共! まだお産は終わってない! よく耳を澄ませて聞け!」
俺がガクガクされて舌を噛みそうになりながらも、扉を指さして叫ぶと、2人はピタッと俺を揺さぶるのを止めた。
そして、視線だけ扉へと向ける。
いやさ、この場の全員が扉の向こうへと意識を向けた。
「…もうすぐだべ!」
「もう少しです!」
「おぎゃー!」
「ほれ、そこでいきむっぺ!」
「んーー!」
「頑張って!」
「回復魔法かけるアル!」
「はいっ!」
「がんばっぺ!」
「んーーーーー!」
「産湯で洗うヨロし!」
「お任せください!」
「ほぎゃぁ…」
「んーーーーーーー!」
「よーす、頭見えたべなや!」
「次はココに回復アルね!」
「はいぃっ!」
「んーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
またしても訪れる静寂の時。
そして、またもやこの場の全員が呼吸すら忘れる瞬間。
誰もが手に汗握り、その時を待った。
「おぎゃーーーー!」
それは先の赤子の産声に負けず劣らず元気いっぱいの泣き声だった。
「「「や…」」」
男3人、顔がくっつくほどに近づき方を組んで、
「「「やったーーーーーーーー!」」」
両手を天に突き上げた。
ブレンダーもクイーンもノワールもクイーンも蜂達も妖精達ももっち君達も、全員が俺達の周りをグルグル周り、歓喜の踊り。
もう、男3人の目からは涙が溢れていた。
誰もそれを拭おうともしないで、ただただ喜び合っていた。
喜び合う俺達の耳には、産室から赤ちゃん2人分の産声がしばらく届いていた。
あれ、またまたちょっと待てよ?
こういう時って、TVとかだったらすぐに看護師さんとかが扉を開けて出て来て、『元気な男(女)の子ですよ! お母さんも元気です!』とか言ってくれたりしなかったっけ?
前世の俺は、産まれて少したってからしか病院に行ってなかったから、その辺は良くわからないけど?
だけど、おかしくないか? 誰もあの部屋から出てこないぞ?
もしかして、何かトラブルが…?
まさか…まさか、母さんかユズカのどちらかに何かトラブルが起きたのか!?
廊下が歓喜の渦に包まれる中、急に真面目な顔となった俺が扉を凝視している事に気付いたのだろう。
いや、父さんとユズキも俺と同じ事に思い至ったのか、歓喜の声が急速に小さくなっていき、やがて俺と同じく無言で扉をじっと見つめていた。
微かに聞こえるのは、先程よりも小さくはなったものの、聞き間違えようもない赤ちゃん2人分の産声。
そして微かに魔族さんとドワーフさんの声。
特に慌てた感じはしないが、それでも中の様子が分からない俺達には、何も出来ない。
誰か…誰でもいいから、早く何か言ってくれ!
またまた、男3人は息を飲み手を組んで神に祈った。
祈ってる神の名前が知りたい? 俺だって知りたいよ!
でも、ネスに祈ってるわけじゃないと思う。
いや、そこは水と生命の女神なんだから祈る所だろうって? 忘れてたよ、そんな設定!
でも父さんは祈ってるかも、ネスに…。
ユズキは、日本の神様か? でも、日本人って、その辺はいい加減だからなあ。
きっと、神様の名前なんて考えずに、『どうか神様…』ってぐらいの祈りなのかもしれない。
あ、これはユズキだけじゃなく、もちろん俺もそうだ。
ってな分けで結論。
祈ってる神様の名前なんて知らんわ!
俺がそんなアホな事を考えていると、音も立てずに産室の扉がゆっくりと開いた。
「2人共がへだてし!びっきも、どってもがへだてし!」
ドワーフメイドさんが顔を出し、そう俺達に向かって良い笑顔でそう言った。
うん、全然何言ってるのか意味わからん…。
でも…何となく意味は分かるぞ。
分る、分かるぞ!
だからこそ、今度こそ、本当の本気で喜んでいいんだよな?
またまた俺達男3人は顔を突き合わせ、緊張で乾燥しまくりカラカラになった口(ぽかんと口を開けてたからだろうって? うるさいわ!)に力を込めて唾を込めて、全力で叫んだ。
今度こそ全身全霊の全力で!
「「「やったーーーーーーーーーーーーー!!」」」
父さんとユズキが、どどど星人に!
「どうしたらいいんだ、トール!?」「どうしましょう、伯爵様!?」
滅茶苦茶焦った顔で俺の両肩を掴み揺さぶる2人。
ちょ、止めて! 首がガックガクだから! そんな高速ヘドバンしたら、首が…首がーーー!
もう真っ暗になった廊下で、焦りまくり動揺しまくりの男3人がわちゃわちゃ。
そんな頸椎損傷寸前の俺だが、よくよく耳を澄ませてみれば聞こえてくる物もある。
それは、赤ちゃんの泣き声の陰に隠れて聞こえづらいが、確かにいきむ女性の声。
「ちょっと待て、落ち着け2人共! まだお産は終わってない! よく耳を澄ませて聞け!」
俺がガクガクされて舌を噛みそうになりながらも、扉を指さして叫ぶと、2人はピタッと俺を揺さぶるのを止めた。
そして、視線だけ扉へと向ける。
いやさ、この場の全員が扉の向こうへと意識を向けた。
「…もうすぐだべ!」
「もう少しです!」
「おぎゃー!」
「ほれ、そこでいきむっぺ!」
「んーー!」
「頑張って!」
「回復魔法かけるアル!」
「はいっ!」
「がんばっぺ!」
「んーーーーー!」
「産湯で洗うヨロし!」
「お任せください!」
「ほぎゃぁ…」
「んーーーーーーー!」
「よーす、頭見えたべなや!」
「次はココに回復アルね!」
「はいぃっ!」
「んーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
またしても訪れる静寂の時。
そして、またもやこの場の全員が呼吸すら忘れる瞬間。
誰もが手に汗握り、その時を待った。
「おぎゃーーーー!」
それは先の赤子の産声に負けず劣らず元気いっぱいの泣き声だった。
「「「や…」」」
男3人、顔がくっつくほどに近づき方を組んで、
「「「やったーーーーーーーー!」」」
両手を天に突き上げた。
ブレンダーもクイーンもノワールもクイーンも蜂達も妖精達ももっち君達も、全員が俺達の周りをグルグル周り、歓喜の踊り。
もう、男3人の目からは涙が溢れていた。
誰もそれを拭おうともしないで、ただただ喜び合っていた。
喜び合う俺達の耳には、産室から赤ちゃん2人分の産声がしばらく届いていた。
あれ、またまたちょっと待てよ?
こういう時って、TVとかだったらすぐに看護師さんとかが扉を開けて出て来て、『元気な男(女)の子ですよ! お母さんも元気です!』とか言ってくれたりしなかったっけ?
前世の俺は、産まれて少したってからしか病院に行ってなかったから、その辺は良くわからないけど?
だけど、おかしくないか? 誰もあの部屋から出てこないぞ?
もしかして、何かトラブルが…?
まさか…まさか、母さんかユズカのどちらかに何かトラブルが起きたのか!?
廊下が歓喜の渦に包まれる中、急に真面目な顔となった俺が扉を凝視している事に気付いたのだろう。
いや、父さんとユズキも俺と同じ事に思い至ったのか、歓喜の声が急速に小さくなっていき、やがて俺と同じく無言で扉をじっと見つめていた。
微かに聞こえるのは、先程よりも小さくはなったものの、聞き間違えようもない赤ちゃん2人分の産声。
そして微かに魔族さんとドワーフさんの声。
特に慌てた感じはしないが、それでも中の様子が分からない俺達には、何も出来ない。
誰か…誰でもいいから、早く何か言ってくれ!
またまた、男3人は息を飲み手を組んで神に祈った。
祈ってる神の名前が知りたい? 俺だって知りたいよ!
でも、ネスに祈ってるわけじゃないと思う。
いや、そこは水と生命の女神なんだから祈る所だろうって? 忘れてたよ、そんな設定!
でも父さんは祈ってるかも、ネスに…。
ユズキは、日本の神様か? でも、日本人って、その辺はいい加減だからなあ。
きっと、神様の名前なんて考えずに、『どうか神様…』ってぐらいの祈りなのかもしれない。
あ、これはユズキだけじゃなく、もちろん俺もそうだ。
ってな分けで結論。
祈ってる神様の名前なんて知らんわ!
俺がそんなアホな事を考えていると、音も立てずに産室の扉がゆっくりと開いた。
「2人共がへだてし!びっきも、どってもがへだてし!」
ドワーフメイドさんが顔を出し、そう俺達に向かって良い笑顔でそう言った。
うん、全然何言ってるのか意味わからん…。
でも…何となく意味は分かるぞ。
分る、分かるぞ!
だからこそ、今度こそ、本当の本気で喜んでいいんだよな?
またまた俺達男3人は顔を突き合わせ、緊張で乾燥しまくりカラカラになった口(ぽかんと口を開けてたからだろうって? うるさいわ!)に力を込めて唾を込めて、全力で叫んだ。
今度こそ全身全霊の全力で!
「「「やったーーーーーーーーーーーーー!!」」」
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