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ちょびっとゴタゴタ
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「奥様、アンまリ激シく動ク、ダメね。あト、腹スするヨ。わカたネ?」
妊娠初期…なのかな? の注意事項と説明を、魔族の女医さんより真剣な表情で聞くメリルとミルシェ…だけでなく、なぜか残る嫁ーず&妖精ず&コルネちゃん。
いや嫁ーずは良いとして、妖精ずとコルネちゃんは聞かなくても良いんじゃないかなあ?
え、後学の為、将来の為の知識は必要? 男は黙っとけ?
そですか、申し訳ありませんです…。
その後、女医さんの細やかな注意事項を手分けしてメモに取ったり、各自疑問に感じた事などを質問していた様だ。
無論、その輪の中に俺や父さん、ユズキが入れるはずも無く、3人で隅っこでお茶しておりました。
静かに誰の邪魔にもならない様に、細心の注意を払って、そっと男3人でお茶をしていると、ドワーフさんが、
「伯爵様さ~、通信はっとぉべゃ」
うん、もうどこの方言か全然分からないが、どうやら俺に通信が入ったと言いたいらしいという事は分かった。
「ああ、ありがとう」
父さんとユズキに、中座する断りを入れて、俺は通信の呪法具が置いてある小部屋へと向かった。
そして小部屋に入った俺は、固定式の我が家だけの特製呪法具を手にした。
「もしも~し!」
そう声を掛けると、呪法具から聞きなれた声が聞こえた。
『なんじゃ、気の抜ける呼びかけじゃのぉ…』
この言葉から、通信相手が誰であるかはすぐにわかった。
「何だ、ボーディか。何かわかったか?」
こいつ相手に、長々とした前置きも挨拶も不要だ。
さっさと本題に入るのが吉ってもんだろう。
『少しは言葉のやり取りってものをじゃなぁ…まあ、良いわ。例の場所の件で話がある。今から少々時間を取れるかや?』
言葉のキャッチボールなんて時間の無駄だ。
さっきまでの俺と家族のキャッチボールの様に、ちょっとボールを受け損ねたら、飛んでも無い事になるし、ストレートに行こう。
「ああ、大丈夫だが…家族が一緒でも大丈夫か?」
『いや、お主だけの方が良いじゃろう…今の所は…の…』
何か奥歯に物が挟まった様な言い回しだなあ。
「まあ、そっちの方が良いなら。だが、ちょっと今は家を離れる事が出来ないんだよなあ…」
『ん? 何かあったのかや?』
ま、そりゃ疑問にも思うか。
「ああ、実はちょどさっき嫁さん2人の妊娠が発覚してな。ちょびっとゴタゴタしてるんだ」
そう言うと、何やら呪法具の向こうでゴニョゴニョと誰かと話をするボーディ。
まあ、相手はモフリーナとモフレンダだろうが。
『そうか、それは目出度い事じゃ。お主への話のついでに、ちょっと祝辞でも述べに行こう。じゃから、少しだけ時間を作れ』
「そうか、それは嫁さんも喜ぶ。どうせすぐに来るんだろ?」
『ああ、すぐに行くぞ』
ま、あいつらって基本は暇人だからな。
「んじゃ待ってるから、裏口から入って来てくれ。ドワーフさんを待たせておくよ」
『うむ、すまぬが宜しく頼む』
そう言って、ボーディは通信を切った。
廊下ですれ違ったドワーフメイドさんに、ダンジョンマスター達が裏口に来るから、案内してくれるように頼んだ俺は、姦しいであろう食堂へと、何だか重く感じる足を引きずる様に交互に踏み出しながら向かった。
未だワイワイと魔族の女医さんを囲んで色々な話で盛り上がっている食堂に戻ると、俺は真っすぐにその輪に向かった。
「えっと、今からちょっと仕事の話とかでダンジョンマスター達が来るから、そのつもりで」
俺が女だらけの輪に向かって言葉を掛けると、
『は~い』
誰も俺の顔も見ないで返事だけ返して来た。
うん、今は俺の事なんでどうでも良いのね…そんなに女医さんとのお話が大切ですか、そうですか。
「んじゃ、来たら声かけるから…」
女性陣の輪に向かって、そうぼそっと呟いた俺は、小さくなってお茶を啜る父さんとユズキの元へ戻り席に着いた。
「トール、誰からの通信だ?」
着席すると、すぐに父さんから質問が飛んで来た。
同じ部屋で女性だけで盛り上がる話の輪が出来てしまうと、どうしても男だけの集まりってのは話題が乏しくなる。
俺への通信という、せっかくの話の切っ掛けを父さんが見逃すはずも無い。
「ああ、うん。ダンジョンマスター達からだよ。ちょっと大切な話があるってんで、また少し中座するけど、ごめんね」
「そうか…」
だけど、ダンジョンマスターが来るってだけじゃ、大した話題にもならないなあ。
もう話が途切れちゃったよ。
まあ、女性陣が飽きるまでは、男だけでこのまま寂しくお茶でもしようよ。
そう思い、冷めたお茶をずずずっと啜ると、食堂の扉が開き、ドワーフメイドさんが俺の元に小走りでやって来た。
ドワーフさんって大人でも結構小柄なので、その彼女が小走りになると何となく小型犬が一生懸命走ってるのと似てて、ちょっと可愛く見える。
そんなドワーフさんが俺の元にやって来て、ぺこりと頭を下げると、一言。
「ダンジョンマスター達が到着しますたぁー」
これって方言? それとも駄洒落?
妊娠初期…なのかな? の注意事項と説明を、魔族の女医さんより真剣な表情で聞くメリルとミルシェ…だけでなく、なぜか残る嫁ーず&妖精ず&コルネちゃん。
いや嫁ーずは良いとして、妖精ずとコルネちゃんは聞かなくても良いんじゃないかなあ?
え、後学の為、将来の為の知識は必要? 男は黙っとけ?
そですか、申し訳ありませんです…。
その後、女医さんの細やかな注意事項を手分けしてメモに取ったり、各自疑問に感じた事などを質問していた様だ。
無論、その輪の中に俺や父さん、ユズキが入れるはずも無く、3人で隅っこでお茶しておりました。
静かに誰の邪魔にもならない様に、細心の注意を払って、そっと男3人でお茶をしていると、ドワーフさんが、
「伯爵様さ~、通信はっとぉべゃ」
うん、もうどこの方言か全然分からないが、どうやら俺に通信が入ったと言いたいらしいという事は分かった。
「ああ、ありがとう」
父さんとユズキに、中座する断りを入れて、俺は通信の呪法具が置いてある小部屋へと向かった。
そして小部屋に入った俺は、固定式の我が家だけの特製呪法具を手にした。
「もしも~し!」
そう声を掛けると、呪法具から聞きなれた声が聞こえた。
『なんじゃ、気の抜ける呼びかけじゃのぉ…』
この言葉から、通信相手が誰であるかはすぐにわかった。
「何だ、ボーディか。何かわかったか?」
こいつ相手に、長々とした前置きも挨拶も不要だ。
さっさと本題に入るのが吉ってもんだろう。
『少しは言葉のやり取りってものをじゃなぁ…まあ、良いわ。例の場所の件で話がある。今から少々時間を取れるかや?』
言葉のキャッチボールなんて時間の無駄だ。
さっきまでの俺と家族のキャッチボールの様に、ちょっとボールを受け損ねたら、飛んでも無い事になるし、ストレートに行こう。
「ああ、大丈夫だが…家族が一緒でも大丈夫か?」
『いや、お主だけの方が良いじゃろう…今の所は…の…』
何か奥歯に物が挟まった様な言い回しだなあ。
「まあ、そっちの方が良いなら。だが、ちょっと今は家を離れる事が出来ないんだよなあ…」
『ん? 何かあったのかや?』
ま、そりゃ疑問にも思うか。
「ああ、実はちょどさっき嫁さん2人の妊娠が発覚してな。ちょびっとゴタゴタしてるんだ」
そう言うと、何やら呪法具の向こうでゴニョゴニョと誰かと話をするボーディ。
まあ、相手はモフリーナとモフレンダだろうが。
『そうか、それは目出度い事じゃ。お主への話のついでに、ちょっと祝辞でも述べに行こう。じゃから、少しだけ時間を作れ』
「そうか、それは嫁さんも喜ぶ。どうせすぐに来るんだろ?」
『ああ、すぐに行くぞ』
ま、あいつらって基本は暇人だからな。
「んじゃ待ってるから、裏口から入って来てくれ。ドワーフさんを待たせておくよ」
『うむ、すまぬが宜しく頼む』
そう言って、ボーディは通信を切った。
廊下ですれ違ったドワーフメイドさんに、ダンジョンマスター達が裏口に来るから、案内してくれるように頼んだ俺は、姦しいであろう食堂へと、何だか重く感じる足を引きずる様に交互に踏み出しながら向かった。
未だワイワイと魔族の女医さんを囲んで色々な話で盛り上がっている食堂に戻ると、俺は真っすぐにその輪に向かった。
「えっと、今からちょっと仕事の話とかでダンジョンマスター達が来るから、そのつもりで」
俺が女だらけの輪に向かって言葉を掛けると、
『は~い』
誰も俺の顔も見ないで返事だけ返して来た。
うん、今は俺の事なんでどうでも良いのね…そんなに女医さんとのお話が大切ですか、そうですか。
「んじゃ、来たら声かけるから…」
女性陣の輪に向かって、そうぼそっと呟いた俺は、小さくなってお茶を啜る父さんとユズキの元へ戻り席に着いた。
「トール、誰からの通信だ?」
着席すると、すぐに父さんから質問が飛んで来た。
同じ部屋で女性だけで盛り上がる話の輪が出来てしまうと、どうしても男だけの集まりってのは話題が乏しくなる。
俺への通信という、せっかくの話の切っ掛けを父さんが見逃すはずも無い。
「ああ、うん。ダンジョンマスター達からだよ。ちょっと大切な話があるってんで、また少し中座するけど、ごめんね」
「そうか…」
だけど、ダンジョンマスターが来るってだけじゃ、大した話題にもならないなあ。
もう話が途切れちゃったよ。
まあ、女性陣が飽きるまでは、男だけでこのまま寂しくお茶でもしようよ。
そう思い、冷めたお茶をずずずっと啜ると、食堂の扉が開き、ドワーフメイドさんが俺の元に小走りでやって来た。
ドワーフさんって大人でも結構小柄なので、その彼女が小走りになると何となく小型犬が一生懸命走ってるのと似てて、ちょっと可愛く見える。
そんなドワーフさんが俺の元にやって来て、ぺこりと頭を下げると、一言。
「ダンジョンマスター達が到着しますたぁー」
これって方言? それとも駄洒落?
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