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帰宅の挨拶を!
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さて、数日ぶりにトールヴァルドと嫁ーず&妖精ずは、ネス湖の畔の美しい佇まいの邸へと帰って来た。
「お帰りなさいませ、伯爵様」
ホワイト・オルター号が裏庭近くの湖面に着水したのを見ていたのだろ。・
ユズキが裏口から出て来て綺麗に腰を折って出迎えてくれた。
その横には、ドワーフメイド衆も並んでおり、無言ではあったが、ぺこりと頭を下げた。
「うん、只今。何か問題は?」
そんなユズキ達に問いかけると、
「お戻りになって早々で申し訳ないのですが…実は侯爵様が…大奥様の部屋で監禁されてます…」
「…………」
何を言っているのだろうか、ユズキ君は。
監禁? 父さんが? 母さんの部屋で? って、ちょっと待てよ?
「母さんの部屋って…コルネちゃんとユリアちゃん、それとユズカも居たんじゃないのか?」
確か一緒に居た様な記憶が…間違ってたかな?
「えっと、侯爵様が最初に置き去り…お見えになった時には、確かに一緒にいました」
ユズキ、今…置き去りって言わなかったか? いや、確かに言ったよな?
ま、まあ…その通りとも言えなくも無いかも知れないかも知れないな…何言ってんだろう、俺。
「今は?」
「ユズカは、僕の部屋に戻って来てます。コルネリア様とユリアーネ様は、2つ隣の部屋に移動してもらいました」
あれ?
「ユズカは良いとして、コルネちゃんとユリアちゃんって、母さんの隣の部屋じゃ無かったけ?」
「いえ…隣ですと、色々と漏れ聞こえてしまう恐れが…」
な、なるへそ! ユズキなりに色々と気を使ったって事か!
そうだよなあ~前世で住んでたアパートの隣にはおばさんが住んでたんだけど、壁が薄くて夜な夜な変な喘ぎ声が聞こえたりしてたんだよなあ…誰も訪ねて来た形跡もなかったのに…。
翌朝、あのおばさんと顔を合わせるのが辛かったなあ。
あっちは、まさか声が聞こえてるとか思っても見なかったんだろうけど…。
毎晩『あう”あ”ぁあぁ~!』とか、『いぐいぐいぐぅぅぅ!』とか、『ぎもぎい”い”い”ーーー!』とか、しまいには『じぬぅぅぅぅぅ!』とかの叫び声を聞いた翌日だぞ?
顔を合わせにくいよな? 普通にニッコリ笑って、『おはようございます』とか挨拶できないよな!?
「あ、ああ、うん。ユズキ…色々と気遣ってくれてありがとうな…」
「いえ、ご理解いただけて幸いです…」
色員な意味で、この転移者である若い執事には感謝だな。
「あれ? でも、母さんってば、もうすぐ出産じゃなかったっけ?」
「伯爵様…アレを絞り取る方法は色々とあるそうです…」
えっと…。
「…今は、いけません、伯爵様…後ろ手聞き耳を立てている方々が居られますよ…」
急にユズキが顔を寄せて小声になったんで、何事かと思ったら…俺のすぐ背筋がゾクゾクとしてきた。
ただならぬその気配の元へとそっと視線を遣ると…嫁ーず&妖精ずが、めちゃめちゃ鼻の穴を広げて鼻息荒く俺とユズキの話に耳がダンボになっていた。
これって、俺の身が物理的にも精神的にも危険なのではなかろうか?
「あ、うん。まあ、その辺は俺から母さんに言っておこう。確かに今回母さんと父さんは長い時間離れていたのだから、久しぶりに当て嬉しいのだろう。恋しくて離れたくないのも分かるが、コルネちゃんやユリアちゃんも父さんと色んな話をしたり遊んだりしたいはずだから、そろそろ父さんを解放する様に母さんに俺から言っておこう」
「そ、そうですね!是非ともお口添えよろしくお願いいたします!」
俺もユズキも早口でそう捲くし立てると、2人でさっさと裏口から邸と入った。
何か背後で盛大な舌打ちが聞こえた気がするのだが、俺は絶対に振り返らない。
生れ来〇子供達の為に、何〇語ろう…何を語〇う…。
「…伯爵様、私の子供には奥様方との変態プレイの内容は語らないでください…」
そんな事しねーよ!
神聖なるオフ〇ース様の歌詞に対して、なんたる言い種か!
「…だって、それぐらいしか伯爵様が語り告げる事って無いでしょう?」
あ、あるわい! きっと何かあるわい!
「…まさか、僕を狙ってませんよね! BLは駄目です! 衆道は教義に反します!」
「お前は何教の教徒だよ! ってか、俺だって男となんか拒否するわ!」
その瞬間、廊下中に響く声が背後から。
『では、私達がじっくりとお話をお聞きしましょう!』
「んぎゃーー! お前達、聞いてたのかよーー!」
嫁ーず&妖精ずが、狭い廊下いっぱいぎゅーぎゅーで俺とユズキに迫って来た。
「ひぃぃ!」
主人である俺を突き飛ばして、一目散に駆け出すユズキ。
背後に目を向ていたため、咄嗟に避ける事も出来ず、ユズキに突き飛ばされた俺。
そして突き飛ばされた先には…言わずもがな、嫁ーず&妖精ず…が両手を広げて待っていた。
『いらっしゃーい!』
ってか、どこの新婚さんのエピソードを聞きまくる番組の司会者みたいに 何で声揃えんだよ!
『では参りましょう!』
ちょ、どこへ? ねえ、どこへ連れてく気なの、この僕ちんを!?
『今日は久々のキングサイズ・ベッドですねえ!』
まさか、真っ昼間から寝室へ直行なの!?
せ、せめて母さん達に帰宅の挨拶を!
挨拶をぉぉぉぉぉぉぉぉさせてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
………夕方まで挨拶出来ませんでした。
「お帰りなさいませ、伯爵様」
ホワイト・オルター号が裏庭近くの湖面に着水したのを見ていたのだろ。・
ユズキが裏口から出て来て綺麗に腰を折って出迎えてくれた。
その横には、ドワーフメイド衆も並んでおり、無言ではあったが、ぺこりと頭を下げた。
「うん、只今。何か問題は?」
そんなユズキ達に問いかけると、
「お戻りになって早々で申し訳ないのですが…実は侯爵様が…大奥様の部屋で監禁されてます…」
「…………」
何を言っているのだろうか、ユズキ君は。
監禁? 父さんが? 母さんの部屋で? って、ちょっと待てよ?
「母さんの部屋って…コルネちゃんとユリアちゃん、それとユズカも居たんじゃないのか?」
確か一緒に居た様な記憶が…間違ってたかな?
「えっと、侯爵様が最初に置き去り…お見えになった時には、確かに一緒にいました」
ユズキ、今…置き去りって言わなかったか? いや、確かに言ったよな?
ま、まあ…その通りとも言えなくも無いかも知れないかも知れないな…何言ってんだろう、俺。
「今は?」
「ユズカは、僕の部屋に戻って来てます。コルネリア様とユリアーネ様は、2つ隣の部屋に移動してもらいました」
あれ?
「ユズカは良いとして、コルネちゃんとユリアちゃんって、母さんの隣の部屋じゃ無かったけ?」
「いえ…隣ですと、色々と漏れ聞こえてしまう恐れが…」
な、なるへそ! ユズキなりに色々と気を使ったって事か!
そうだよなあ~前世で住んでたアパートの隣にはおばさんが住んでたんだけど、壁が薄くて夜な夜な変な喘ぎ声が聞こえたりしてたんだよなあ…誰も訪ねて来た形跡もなかったのに…。
翌朝、あのおばさんと顔を合わせるのが辛かったなあ。
あっちは、まさか声が聞こえてるとか思っても見なかったんだろうけど…。
毎晩『あう”あ”ぁあぁ~!』とか、『いぐいぐいぐぅぅぅ!』とか、『ぎもぎい”い”い”ーーー!』とか、しまいには『じぬぅぅぅぅぅ!』とかの叫び声を聞いた翌日だぞ?
顔を合わせにくいよな? 普通にニッコリ笑って、『おはようございます』とか挨拶できないよな!?
「あ、ああ、うん。ユズキ…色々と気遣ってくれてありがとうな…」
「いえ、ご理解いただけて幸いです…」
色員な意味で、この転移者である若い執事には感謝だな。
「あれ? でも、母さんってば、もうすぐ出産じゃなかったっけ?」
「伯爵様…アレを絞り取る方法は色々とあるそうです…」
えっと…。
「…今は、いけません、伯爵様…後ろ手聞き耳を立てている方々が居られますよ…」
急にユズキが顔を寄せて小声になったんで、何事かと思ったら…俺のすぐ背筋がゾクゾクとしてきた。
ただならぬその気配の元へとそっと視線を遣ると…嫁ーず&妖精ずが、めちゃめちゃ鼻の穴を広げて鼻息荒く俺とユズキの話に耳がダンボになっていた。
これって、俺の身が物理的にも精神的にも危険なのではなかろうか?
「あ、うん。まあ、その辺は俺から母さんに言っておこう。確かに今回母さんと父さんは長い時間離れていたのだから、久しぶりに当て嬉しいのだろう。恋しくて離れたくないのも分かるが、コルネちゃんやユリアちゃんも父さんと色んな話をしたり遊んだりしたいはずだから、そろそろ父さんを解放する様に母さんに俺から言っておこう」
「そ、そうですね!是非ともお口添えよろしくお願いいたします!」
俺もユズキも早口でそう捲くし立てると、2人でさっさと裏口から邸と入った。
何か背後で盛大な舌打ちが聞こえた気がするのだが、俺は絶対に振り返らない。
生れ来〇子供達の為に、何〇語ろう…何を語〇う…。
「…伯爵様、私の子供には奥様方との変態プレイの内容は語らないでください…」
そんな事しねーよ!
神聖なるオフ〇ース様の歌詞に対して、なんたる言い種か!
「…だって、それぐらいしか伯爵様が語り告げる事って無いでしょう?」
あ、あるわい! きっと何かあるわい!
「…まさか、僕を狙ってませんよね! BLは駄目です! 衆道は教義に反します!」
「お前は何教の教徒だよ! ってか、俺だって男となんか拒否するわ!」
その瞬間、廊下中に響く声が背後から。
『では、私達がじっくりとお話をお聞きしましょう!』
「んぎゃーー! お前達、聞いてたのかよーー!」
嫁ーず&妖精ずが、狭い廊下いっぱいぎゅーぎゅーで俺とユズキに迫って来た。
「ひぃぃ!」
主人である俺を突き飛ばして、一目散に駆け出すユズキ。
背後に目を向ていたため、咄嗟に避ける事も出来ず、ユズキに突き飛ばされた俺。
そして突き飛ばされた先には…言わずもがな、嫁ーず&妖精ず…が両手を広げて待っていた。
『いらっしゃーい!』
ってか、どこの新婚さんのエピソードを聞きまくる番組の司会者みたいに 何で声揃えんだよ!
『では参りましょう!』
ちょ、どこへ? ねえ、どこへ連れてく気なの、この僕ちんを!?
『今日は久々のキングサイズ・ベッドですねえ!』
まさか、真っ昼間から寝室へ直行なの!?
せ、せめて母さん達に帰宅の挨拶を!
挨拶をぉぉぉぉぉぉぉぉさせてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
………夕方まで挨拶出来ませんでした。
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