943 / 1,466
作戦名は…
しおりを挟む
翌日は、この広大な砂浜を使い、騎士さん達や兵士さん達の訓練にあてた。
これには、嫁ーず&妖精ずも参加をさせた。
合計200名からなる、騎士&兵士連合Vs.アルテアン家の女性陣9名。
…言葉にすると、ものすごい違和感があるけど、気にしないようにしよう。
違和感バリバリではあるが、変身した嫁ーずと全力全開の妖精ずは、はっきり言って勝負にならない。
まあ、そもそも変身した嫁ーずと言えば、これまでも難敵を相手に戦ってきたし、ダンジョンでも戦闘訓練を重ねて来ているし、その上にシールドを自在に操り海の上すら疾走する妖精達なのだから、いくら戦闘がお仕事の男性200名が立ち向かったところで、傷の1つも負わせられない。
なので、事前に嫁ーずにも妖精ずにも、手加減を厳重に言い渡してある。
ここで彼等のプライドだけでなく身体まで傷つけてしまわない様にと。
疲労で倒れるぐらいならば、全く問題ない。ちゃんと色々と癒してもらえるから…翌日には人魚さん達に…。
そう伝えると、全員がきっちり納得し、ぎりぎりで戦力が拮抗している様にしてくれた。
そして訓練終了時には、本当にぎりぎりで引き分けたと思われるように、全員が息も荒く座り込む演技のおまけ付き。
君達の演技力はアカデミー賞ものだよ、いやマジで。
その後、またもや宴会に突入。
今夜もお酒は解禁…と、言いたいところだが、1人2杯までの限定とし、飲み過ぎは禁止を言い渡してある。
何でかって? そりゃ、酔ったらアレがナニしてゴニョゴニョ…なのよ。
んで、しっかりと寝て体力回復に努めてもらうためにも、本日は宴会は俺が早々に終了を告げ、就寝させる事に。
無論、ちょっと冷たいかもしれないけれど、全員で川で身体を洗わせる事も忘れない。
訓練で汗をかいただろうから念入りに洗えと、伯爵様からの命令だ。
まあ、当然ではあるが、身体を洗わせる事の本当の理由なんて、誰も気付かない。
俺と嫁ーず&妖精ずも、全員が天幕に入った事を確認し、ホワイト・オルター号に戻った。
っと、見せかけて…例のバギー・コースの発着場からもう少し離れた所へと向かう。
俺は共に嫁ーず&妖精ずと共に、事前に打ち合わせしていた場所までやって来ると、明かりを得るために持っていた松明を高く掲げて円を描く様に振る。
やがて背後の椰子の様な樹々の合間から、何人かのドワーフさんとエルフさんが姿を見せ、波の合間からは海坊主…じゃない、磯女…でもなく、人魚さんが顔を覗かせた。
そして、俺達がどっかと砂浜に腰を下ろすと、その周囲をドワーフさんと人魚さんが周りを取り囲んだ。
俺は、頼りなくゆらゆらと揺れる松明の明かりを頼りに、ゆっくりと全員の顔を見まわす。
そして、俺は徐に立ち上がり、静かにゆっくりと噛みしめる様に、声を抑えつつこう宣言した。
「諸君、待たせた…。これより最終確認を行う」
誰も声は発さない。ただ小さく頷くのみ。
何故なら、ここで大声をあげたりすると、天幕で休む獲物が逃げ出してしまうかもしれないからだ。
「事前に打ち合わせた通り、まずはこの夜間の内に、天幕より対象全員を小舟に移す。ドワーフさん、船の数は十分か?」
俺の問いかけに、大きく頷くドワーフさん達。
「うむ、では俺の合図で予定通り予め隠しておいた小舟を出してくれ。船の準備が完了したら…エルフさん、分かってるな?」
同じく筋肉エルフさん達も、ゆっくりと大きく頷く。
「全員をそっと小舟に運び込む。一定数運び終わったら、エルフさんは海へと船を押し出し飛び乗る様に」
ここで、ちょっと一息。
「無事に船が海に出たら、人魚さん達であの崖の階段まで船を引っ張って欲しい。出来るな?」
人魚さん達、もの凄い高速コクコク。
「そして崖に着いたら、エルフさん達には申し訳ないが、今度は船から獲も…いや、対象を各部屋のベッドへと運んで欲しい。空になった船は、エルフさんを乗せて再度この浜辺まで。これを全員運び終えるまで繰り返す。何か質問は?」
そう言って、俺が全員の顔を見まわすが、誰も何も言って来ない。
いや、しっかりと打ち合わせしてたんだから、今更質問は…おっと、エルフさん質問ですか? どうぞどうぞ。
「アイツラ、オキナイ、ホントウカ?」
何度聞いても、エルフさんの言葉には慣れないなあ。
英語を自動翻訳ソフトで日本語にした様なこの変な話し方は。
「今はまだだろうが、もう少しすれば薬が完全に回るだろう。なにせ魔族さん特製の睡眠導入剤だ。しかも、アルコールと共に摂取したんだから、作戦決行から終了まで、完全に夢の中だ」
それを聞いたエルフさん、小さくガッツポーズしてるけど…何で?
え、もしも獲物を逃がしたら、人魚さんに攫われるのがエルフになるかもしれない? そ、そうか…そんな心配しなくて大丈夫だぞ、うん。
獲物が逃げたら、協力者まで食い物にする気か…人魚さん怖!
「質問はもう無いか?」
俺の言葉を聞いた全員が、大きくゆっくりと頷いた。
「うむ…では、我々が砂浜に戻り、対象が完全に寝入った事を確認した後、合図を送るので、それまで暫しの間待機だ。」
打ち合わせを終えた俺達は、ゆっくりと天幕が並ぶ砂浜へと戻って来た。
そっと各天幕の側で聞き耳を立てると、規則正しい寝息や鼾が聞こえて来る。
うむ、もう少ししたら作戦開始で良かろう。
作戦名は、『知らない天井作戦』だ!
これには、嫁ーず&妖精ずも参加をさせた。
合計200名からなる、騎士&兵士連合Vs.アルテアン家の女性陣9名。
…言葉にすると、ものすごい違和感があるけど、気にしないようにしよう。
違和感バリバリではあるが、変身した嫁ーずと全力全開の妖精ずは、はっきり言って勝負にならない。
まあ、そもそも変身した嫁ーずと言えば、これまでも難敵を相手に戦ってきたし、ダンジョンでも戦闘訓練を重ねて来ているし、その上にシールドを自在に操り海の上すら疾走する妖精達なのだから、いくら戦闘がお仕事の男性200名が立ち向かったところで、傷の1つも負わせられない。
なので、事前に嫁ーずにも妖精ずにも、手加減を厳重に言い渡してある。
ここで彼等のプライドだけでなく身体まで傷つけてしまわない様にと。
疲労で倒れるぐらいならば、全く問題ない。ちゃんと色々と癒してもらえるから…翌日には人魚さん達に…。
そう伝えると、全員がきっちり納得し、ぎりぎりで戦力が拮抗している様にしてくれた。
そして訓練終了時には、本当にぎりぎりで引き分けたと思われるように、全員が息も荒く座り込む演技のおまけ付き。
君達の演技力はアカデミー賞ものだよ、いやマジで。
その後、またもや宴会に突入。
今夜もお酒は解禁…と、言いたいところだが、1人2杯までの限定とし、飲み過ぎは禁止を言い渡してある。
何でかって? そりゃ、酔ったらアレがナニしてゴニョゴニョ…なのよ。
んで、しっかりと寝て体力回復に努めてもらうためにも、本日は宴会は俺が早々に終了を告げ、就寝させる事に。
無論、ちょっと冷たいかもしれないけれど、全員で川で身体を洗わせる事も忘れない。
訓練で汗をかいただろうから念入りに洗えと、伯爵様からの命令だ。
まあ、当然ではあるが、身体を洗わせる事の本当の理由なんて、誰も気付かない。
俺と嫁ーず&妖精ずも、全員が天幕に入った事を確認し、ホワイト・オルター号に戻った。
っと、見せかけて…例のバギー・コースの発着場からもう少し離れた所へと向かう。
俺は共に嫁ーず&妖精ずと共に、事前に打ち合わせしていた場所までやって来ると、明かりを得るために持っていた松明を高く掲げて円を描く様に振る。
やがて背後の椰子の様な樹々の合間から、何人かのドワーフさんとエルフさんが姿を見せ、波の合間からは海坊主…じゃない、磯女…でもなく、人魚さんが顔を覗かせた。
そして、俺達がどっかと砂浜に腰を下ろすと、その周囲をドワーフさんと人魚さんが周りを取り囲んだ。
俺は、頼りなくゆらゆらと揺れる松明の明かりを頼りに、ゆっくりと全員の顔を見まわす。
そして、俺は徐に立ち上がり、静かにゆっくりと噛みしめる様に、声を抑えつつこう宣言した。
「諸君、待たせた…。これより最終確認を行う」
誰も声は発さない。ただ小さく頷くのみ。
何故なら、ここで大声をあげたりすると、天幕で休む獲物が逃げ出してしまうかもしれないからだ。
「事前に打ち合わせた通り、まずはこの夜間の内に、天幕より対象全員を小舟に移す。ドワーフさん、船の数は十分か?」
俺の問いかけに、大きく頷くドワーフさん達。
「うむ、では俺の合図で予定通り予め隠しておいた小舟を出してくれ。船の準備が完了したら…エルフさん、分かってるな?」
同じく筋肉エルフさん達も、ゆっくりと大きく頷く。
「全員をそっと小舟に運び込む。一定数運び終わったら、エルフさんは海へと船を押し出し飛び乗る様に」
ここで、ちょっと一息。
「無事に船が海に出たら、人魚さん達であの崖の階段まで船を引っ張って欲しい。出来るな?」
人魚さん達、もの凄い高速コクコク。
「そして崖に着いたら、エルフさん達には申し訳ないが、今度は船から獲も…いや、対象を各部屋のベッドへと運んで欲しい。空になった船は、エルフさんを乗せて再度この浜辺まで。これを全員運び終えるまで繰り返す。何か質問は?」
そう言って、俺が全員の顔を見まわすが、誰も何も言って来ない。
いや、しっかりと打ち合わせしてたんだから、今更質問は…おっと、エルフさん質問ですか? どうぞどうぞ。
「アイツラ、オキナイ、ホントウカ?」
何度聞いても、エルフさんの言葉には慣れないなあ。
英語を自動翻訳ソフトで日本語にした様なこの変な話し方は。
「今はまだだろうが、もう少しすれば薬が完全に回るだろう。なにせ魔族さん特製の睡眠導入剤だ。しかも、アルコールと共に摂取したんだから、作戦決行から終了まで、完全に夢の中だ」
それを聞いたエルフさん、小さくガッツポーズしてるけど…何で?
え、もしも獲物を逃がしたら、人魚さんに攫われるのがエルフになるかもしれない? そ、そうか…そんな心配しなくて大丈夫だぞ、うん。
獲物が逃げたら、協力者まで食い物にする気か…人魚さん怖!
「質問はもう無いか?」
俺の言葉を聞いた全員が、大きくゆっくりと頷いた。
「うむ…では、我々が砂浜に戻り、対象が完全に寝入った事を確認した後、合図を送るので、それまで暫しの間待機だ。」
打ち合わせを終えた俺達は、ゆっくりと天幕が並ぶ砂浜へと戻って来た。
そっと各天幕の側で聞き耳を立てると、規則正しい寝息や鼾が聞こえて来る。
うむ、もう少ししたら作戦開始で良かろう。
作戦名は、『知らない天井作戦』だ!
0
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる