システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
937 / 1,466

今回の旅のお供

しおりを挟む
 ダンジョンマスターズとの会談を終え、俺は家族の待つ例の砂浜まで戻って来た。 
 まあ、今更誰も俺の事など心配してなどいない様で、普通に『お帰りなさい』としか言われなかったのが、少々寂しい。
 かと言って、嫁ーずにダンジョンマスターズとの浮気を疑われたりするのも面倒なので、これはこれで良いのかもしれない。

 さて、俺が不在であっても、ドワーフさん達と人魚さん達による内装工事は順調に進んでいた。
 まあ、実際のところ、幾ら器用なドワーフさん達とは言っても、海中の工事には手が出せない。
 なので、主に海上の施設の工事だけしか進んでいないわけなのだが。
 ドワーフさん達によると、完成までは約7日は掛かるという。
 いや、めっちゃ早いんですけど? 想定していた機関の1/3ぐらいな気がする。
 そんな短期間で200室もの宿泊施設が完成するのであれば、早々に王都でまつ生贄を連れて来なければ。
 あ、生贄って言っちゃったよ…口癖になったらやばいな、これ。
 一応、人魚さん達には10日後にパーティを開催するとだけ伝えて、俺達一家は屋敷への帰路についた。

 さて、帰ってからする事と言えば、例の王女様達への献上品である車の最終調整とか、王城への納品物の手配とか、意外と忘れてた事(駄目だけど)をあれやこれや。
 勿論、ダンジョンマスターズからの報告を、全員で協議したりもしてたぞ?
 実際、調査は急ぐ事でもないので後回しって事になったけど、きちんと調べるよ。
 バタバタとした数日を過ごした俺は、1人王都へ向けてホワイト・オルター号で出かける事にした。
 嫁ーずも俺に付いていくとか駄々を捏ねるかと思いきや、今回は全員で大人しく留守番をするという。 
 まあ、王都行きの最大の目的は、人魚さん達のお見合いパーティの参加者を迎えに行く事なんだから、あまり気乗りはしないのかもしれないんだろう。
 取りあえず献上品や納品物を満載して、俺は王都へと旅立った。
 出発前に父さんへの連絡も忘れないでしておいた。

 今回の旅のお供は、最近目立った出番も無く、玄関ホールで昼寝を貪る日々を過ごしているブレンダー君。
 めっちゃ幸せそうな顔で、黒い猫又のノワールと日向ぼっこしながら昼寝してるのを見て、無性に腹が立ったので捕獲した。
 飛行船にブレンダーを連れて行くと、すんごく迷惑そうな顔をしていたが、そんな事は知らん!
 そう思っていると、やっぱりキャビンでウロウロしていたかと思うと、寝心地の良い場所を見つけたのか、また昼寝してやがる。
 こいつ、どうも俺の戦闘を補助するために造り出された狼だって事を忘れている様だ。動物園の檻の中の狼どころか、ご家庭の番犬君よりもだらけまくっている。
 いや、そんな普通の動物よりも野性味が無い。
 人の言葉を理解出来る頭脳を持っているはずなのに、食っちゃ寝している駄狼だ。
 ここらでちょっと喝を入れる為にも、厳しい戦場にでも放り込む必要がある気がするな。うん、ナディア達が危険な目に遭った、例の場所に放り出しててやろうか?
 と、俺が考えていると、やおら起き上がって俺の横まで来て、キリリと引き締まった顔でコックピットのガラスの先を睨んでいた。
 うん、そんなポーズ決めても駄目だぞ、たまには働かせるからな?
 え、絶対に行きたくない? 行くなら俺と一緒に行きたい?
 計画ではお前だけを斥候として1匹だけで行かすよ?
 絶対に嫌? やだやだやだって、駄々こねる子供かよ!
 はぁ、わかったよ…でも、俺が行くときには連れて行くからな?
 どうやら、俺の言葉に安心したのか、また昼寝に戻ろうとしてるな、お前?
 やっぱ、1匹で行かすか…。
 おい、何をビクッとして戻って来たんだ?
 え、前方哨戒は任せてください?
 いや、この飛行船に哨戒とか要りませんけど…。
 

 そこそこの速度で飛び続けたので、夜半には王都に到着予定ではあるが、本日は王都周辺をグルグル周回する事にする。
 王城横の練兵場には、夜間着陸できるような施設も設備も無いし、そもそも夜に飛行船がやって来ても迷惑だろう。
 父さんには、慌ただしいが明日の午前中に到着し、王城へ納品とか王女様達への献上を駆け足で済ませ、午後には王都を出発する旨は伝えてある。
 なので、明日の昼頃には、連れて帰る人達も練兵場に集まる事だろう。
 明日は朝から結構バタバタしそうなので、今夜は飛行船の中でゆっくりと寝る事にしよう。
 
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...