システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
928 / 1,466

ここは地球ではないのだよ!

しおりを挟む
 俺は人魚さん達によって執務室にて捕獲された。
 何故か嫁ーずも、全力で全面的に人魚さん達に協力体制を敷いている様に見える。

 えっと…何で皆さんは、人魚さん達に協力を?
「もちろん、この先の事を考えると、私達が例の場所に出向くこともあるかと思いますので、今後も協力して頂くためです」
 嫁ーず代表のメリルがそう言うと、人魚さんの1人とがっしりと握手をしていた。
 えっと…人魚さん達がいるからか、言葉をにごしてはいるが、例の場所って…ひよこが居る所の事だよね?
 もしかして、君達も出向くつもりなの?
「お義母様が、『アルテアン家の総力を挙げる時が来たのだ!』と仰っていたではありませんか。当然ですが、私達も行きます」
 そう言えば、確かに母さんがそんな事を熱く演説してたね。
「それに、ナディアさん達の様子を見る限りでは、普通の兵では難しいでしょうし」
 まあ、確かにそれは言えるな。
 メリルとの話は、ちょっと危険な情報に触れようとしている。
 なので、そっと人魚さん達の様子を見てみたのだが…全員綺麗にこっちは無視していた。
 もしかして、人魚さん達って、すごく空気を読める種族なの?
「ご安心ください。彼女達とは色々と契約をしておりますので、この場での出来事に関しては、完全に守秘してくれます」
「契約!?」
 マチルダの言葉に、思わず叫んでしまった俺。
「ええ、契約です。我が領や我が家の極秘事項に関する書類の処理もお願いしているのですから、約定を結ぶのは当然の事かと」
 た、確かに!
「初めてお手伝いいただいた時に、すでに人魚族との間に、しっかりとした契約を結んでおりますが?」
「知らねーよ! 初耳だわ!」
 我が家と領の政治と経済を取り仕切るマチルダだから、抜かりはないのかもしれないが、教えて欲しかった。
「契約書にはトール様のサインも頂いておりますが?」
 え?
「もしかして、気付かずにサインしていた…とか?」 
 は?
「ですが、すでに決裁を終えた契約ですので、有効です」
 ま、まあ…決済処理を終えた契約だったら、仕方ないね。
 ん? マチルダ、ちょい待て。
「その契約っていつから?」
「初めて彼女達にお仕事をお願いした時にですが?」
 …そりゃそうだよね。
 って事は、結構前に契約したって事か。
 お仕事を頼むんだったら、当然契約も交わしてるよね…。
「っと言う分けで、トール様には彼女達の種族の繁殖の為、若くて元気な男性の用意と、場所の提供の義務があります」
 そっかぁ…それが条件だったのかあ。
 言われてみれば、最初に人魚さん達にお仕事を頼んだ時の交換条件ってそれだったよなあ。
 まさか、あれがすでに契約されていた話だとは、思いもよらなかったよ。
『領主様~、よろぴく!』
 人魚さん、こんな時は会話に入ってくるのね。
 ああ、うん…頑張って集めますとも…。

 そんなドタバタもありましたが、兎にも角にも俺のお仕事は、とてもスムーズに処理出来たのであった。
 人魚さん達への生贄問題を残して。
 いや、リアルに考えてみよう。
 今までの人魚さん達の凶宴…いや饗宴において、何名かの人魚さん達が見事に懐妊することに成功? した。
 だが、人魚さん達は結婚などは求めていない。
 ただ繁殖がしたいだけなので、そこら辺は実は男にとっては嬉しい事なのではないだろうか?
 避妊もせずにヤル事をヤリまくって、その結果相手が妊娠しても責任を取れとも言われない。
 もしや、これは男にとっては、天国なのでは?
 俺はその中に混ざりたいとは思わないが、それを歓迎する男もいるのではなかろうか。
 まあ、人魚さんの凶乱期間中は、一切男性の帰還は認められず、枯れるまで絞り取られる事になるのだけれど。
 今まであまり細かい事まで人魚さん達と話したことはなかったが、どうも男性は見た目よりも精力重視らしい。
 見た目ハンサムな優男より、多少不細工でも何度でも頑張れる男の方が良いとの事なんだろうが…ちょっと人魚さん達が怖く見えるのは、気のせいだと思いたい。
 むぅ…今までの大お見合い会とかの時って、必死になって若くて見た目がそこそこの男を集めてたけど、別にそんな事は気にしなくても良かったのかも。
 これは、父さんに王城勤めの独身の騎士とか兵士を連れて来て貰ったら、簡単に手配できるのではないだろうか?
 騎士とか兵士って、王城勤めだとあんまり女性との接点もないし、飢えてるのも多いはず。しかも、無駄に体力だけはあるんだから…あ! 良い事思いついた!
 騎士や兵士の休暇、もしくは実地訓練とかの名目で、この地に1部隊ほど定期的に連れてきて貰ったらどうだろうか?
 飢えた男と飢えた人魚さん達。
 これはナイスなアイディアかもしれないな…ぐふふふふふ…。

 あれ? ひょっとしたら、男側からなら参加料も取れるかな?
『大河さん…それって、どっかの婚活パーティどころか、乱交パーティの主催者の思考ですよ?』
 サラ、ここは地球ではないのだよ。
『いや、そりゃそうですけど…倫理的に問題あるのでは?』
 サラに倫理観があるとは驚きだ。
『ちょ、ちょっとは…あるんです…よ?』
 へ~、そりゃおったまげ~!
『ば、馬鹿にしてますね! 信じてませんね?』
 うん、信じられる要素が皆無だし。
『……………』
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

スローライフとは何なのか? のんびり建国記

久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。 ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。 だけどまあ、そんな事は夢の夢。 現実は、そんな考えを許してくれなかった。 三日と置かず、騒動は降ってくる。 基本は、いちゃこらファンタジーの予定。 そんな感じで、進みます。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

処理中です...