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味見だけなら
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何故か熱く燃え上がっていた母さんの部屋だが、本日は一旦お開きという母さんの言葉で、全員解散となった。
よく考えたら、一旦お開きって言ってたけど、またあの燃え上がるような集まりを再開するつもりなんだろうか?
気にしたら負けな気がするから、忘れよう…。
さて、モフリーナ達の方の調査の進捗状況はどうかな?
俺は通信の呪法具を取り出し、モフリーナに気になる調査内容を聞こうとして、それを止めた。
よく考えたら、あのナディア達でさえ危険な状況になった場所である事を踏まえたうえで、ダンジョンマスターズは調査をしてうるのだから、かなり慎重にダンジョン化と調査を進めているに違いない。
いらん通信して邪魔をしては悪いと思い、通信を取りやめたのだ。
もしも俺の力が必要だったり、何らかの不測の事態が起きたのであれば、あっちから連絡が入るだろう。
それまでは、待っておこう。
だが、そうするとちょっと暇だなあ。
ドワーフメイド衆に任せっきりにしていた、お仕事はどうなったかな?
俺のサインが必要な書類も溜まってるはずだし、執務室にでも行ってみましょうかね。
うむ、仕事はためる前に処理せねばならない物だ、領主は遊んでいては駄目だという、俺の中の正義感的なものが何故か沸々と沸き上がって来た。
ここは一丁、出来る領主って所を見せる為、嫁ーずと妹ずに男を見せる為、頑張りますか!
そう思った時が、俺にもありました。
執務室の扉を開けると、そこは眼鏡をかけた出来る秘書さんっぽい人魚さん達が大勢た。
確かにナディア達の救出に出る時、ドワーフメイド衆に『不在の間の仕事に関しては人魚さんの女王様に連絡をして、人員を確保するように』と言いつけたは俺だよ。
俺のサインが必要な書類以外は、彼女達に任せておいたら、まあ何とかしてくれると思ったからだよ。
意外にも人魚さん達の事務処理能力が高いを知ってるから、そう言いつけたよ。
だけど、まさかこんなに…えっと、ひのふのみ…6人も来なくてもいいんじゃね?
こりゃ、やばい!
人魚さん達に仕事を手伝わせたとなると、あの恐怖の人魚さん達の乱こ…サバト…もとい、大見合いパーティの準備を、またせねばならんじゃないか!
全然、準備なんてしてないぞ…当てなんて全然ねぇよ…どうする? どうしたらいい? ここは一時撤退が吉か?
俺は、逃げる為に開けた扉をそっと締め…1歩後退った。
が、しっかり人魚さん達に姿を目撃され、捕獲されてしまいました。
そして、逃げ出そうとする俺を人魚さん達が取り囲み、口まで塞がれた俺は、執務室へと引きずっり込まれた。
執務室の扉は、音もなくそっと締められたのでした。
って、外から見たらホラー映画じゃねーか!
んで、何で俺は口をふさがれて組み敷かれてんだ? まさか、ここで俺を襲おうってのか?
人魚さんの大軍に俺の坊ちゃんが性的に喰われちゃうのか!? この執務室の中で!?
女に襲われるなんて、確かに男はちょっと夢見るシチュエーションだけど、俺は嫁ーずだけで十分だぞ?
頼むから、俺だけは見逃してくれ! 生贄の男はどっかから見繕ってくるから! 頼む!
「皆様、確保ご苦労様でした」
俺の思考が斜め上に飛びまくっていると、メリルによく似た声が執務室の扉の方から聞こえて来た。
「その様子だと、逃げ出そうとしてたみたいですね…」
これもミルシェによく似た聞き覚えのある声だ。
「…もしかして…人魚さん達に囲まれて、嬉しそう?」
ミレーラの声によく似ている…。
「書類は分別済みですか。有難うございます」
…これ、絶対にマチルダの声だよな?
「味見だけなら、許可するぞ?」
イネスだな、間違いなくイネスだよな!? ってか、何の味見を許可するつもりなんだよ!
人魚さん達に抑えつけられた俺は、声の主が近寄って来るまで、その姿は見えなかった。
だが、人魚さん達の間から顔を覗かせて俺を見下ろすのは、間違いなく嫁ーずの5人だ。
「ドワーフさん達、ロープを」
メリルの声に、そっとドワーフメイドさんが、ロープをイネスに手渡す。
「人魚さん達、そのまま抑えつけておいてくださいませ。イネスさん、トール様の腰にロープを」
マチルダの指示で…何故かイネスに腰をロープで巻かれた俺。
「さぁ、もう逃げられませんよ。まずはお仕事を終わらせましょう」
晴れやかな笑みで俺に手を差し伸べるミルシェ。
人魚さん達がそっと俺を解放してくれたのだが、ミルシェの手を取るのが怖い。
「…トール様、お仕事の後は…人魚さん達のお見合い会の…」
言い辛そうなミレーラの後を継ぎ、イネスが続ける。
「生贄を準備だな!」
生贄ってはっきり口にしたよ! 俺でも心の中でしか言ってないのに!
ミレーラとイネスの言葉に、大喜びする人魚さん達。
だから逃げようとしたんだよ!
俺にだって理性ってものがあるんだよ! 尊い犠牲を俺が選ぶのなんて嫌だよ!
というか、何で嫁ーずはそんなに人魚さん達に協力的なんだ?
ってか、どうして俺が人魚さん達に捕獲されたの知ったんだよ!
「えっ、全部見てましたけど?」
見てたの!? と言うかメリルさん、俺の心の声に反応するのは止めようか…。
「私達に隠し事ができるとでも?」
マチルダの鋭い視線が俺に突き刺ささる。
「いえ、全部口に出てましたけどね」
んぉ? ミルシェさん、マジっすか?
「…いつもの様に…」
あ、いつもの様にですね、ミレーラさん…。
「その癖だけは、死んでも治らないな!」
イネスよ、俺はすでに1回死んでるんだけどね。
よく考えたら、一旦お開きって言ってたけど、またあの燃え上がるような集まりを再開するつもりなんだろうか?
気にしたら負けな気がするから、忘れよう…。
さて、モフリーナ達の方の調査の進捗状況はどうかな?
俺は通信の呪法具を取り出し、モフリーナに気になる調査内容を聞こうとして、それを止めた。
よく考えたら、あのナディア達でさえ危険な状況になった場所である事を踏まえたうえで、ダンジョンマスターズは調査をしてうるのだから、かなり慎重にダンジョン化と調査を進めているに違いない。
いらん通信して邪魔をしては悪いと思い、通信を取りやめたのだ。
もしも俺の力が必要だったり、何らかの不測の事態が起きたのであれば、あっちから連絡が入るだろう。
それまでは、待っておこう。
だが、そうするとちょっと暇だなあ。
ドワーフメイド衆に任せっきりにしていた、お仕事はどうなったかな?
俺のサインが必要な書類も溜まってるはずだし、執務室にでも行ってみましょうかね。
うむ、仕事はためる前に処理せねばならない物だ、領主は遊んでいては駄目だという、俺の中の正義感的なものが何故か沸々と沸き上がって来た。
ここは一丁、出来る領主って所を見せる為、嫁ーずと妹ずに男を見せる為、頑張りますか!
そう思った時が、俺にもありました。
執務室の扉を開けると、そこは眼鏡をかけた出来る秘書さんっぽい人魚さん達が大勢た。
確かにナディア達の救出に出る時、ドワーフメイド衆に『不在の間の仕事に関しては人魚さんの女王様に連絡をして、人員を確保するように』と言いつけたは俺だよ。
俺のサインが必要な書類以外は、彼女達に任せておいたら、まあ何とかしてくれると思ったからだよ。
意外にも人魚さん達の事務処理能力が高いを知ってるから、そう言いつけたよ。
だけど、まさかこんなに…えっと、ひのふのみ…6人も来なくてもいいんじゃね?
こりゃ、やばい!
人魚さん達に仕事を手伝わせたとなると、あの恐怖の人魚さん達の乱こ…サバト…もとい、大見合いパーティの準備を、またせねばならんじゃないか!
全然、準備なんてしてないぞ…当てなんて全然ねぇよ…どうする? どうしたらいい? ここは一時撤退が吉か?
俺は、逃げる為に開けた扉をそっと締め…1歩後退った。
が、しっかり人魚さん達に姿を目撃され、捕獲されてしまいました。
そして、逃げ出そうとする俺を人魚さん達が取り囲み、口まで塞がれた俺は、執務室へと引きずっり込まれた。
執務室の扉は、音もなくそっと締められたのでした。
って、外から見たらホラー映画じゃねーか!
んで、何で俺は口をふさがれて組み敷かれてんだ? まさか、ここで俺を襲おうってのか?
人魚さんの大軍に俺の坊ちゃんが性的に喰われちゃうのか!? この執務室の中で!?
女に襲われるなんて、確かに男はちょっと夢見るシチュエーションだけど、俺は嫁ーずだけで十分だぞ?
頼むから、俺だけは見逃してくれ! 生贄の男はどっかから見繕ってくるから! 頼む!
「皆様、確保ご苦労様でした」
俺の思考が斜め上に飛びまくっていると、メリルによく似た声が執務室の扉の方から聞こえて来た。
「その様子だと、逃げ出そうとしてたみたいですね…」
これもミルシェによく似た聞き覚えのある声だ。
「…もしかして…人魚さん達に囲まれて、嬉しそう?」
ミレーラの声によく似ている…。
「書類は分別済みですか。有難うございます」
…これ、絶対にマチルダの声だよな?
「味見だけなら、許可するぞ?」
イネスだな、間違いなくイネスだよな!? ってか、何の味見を許可するつもりなんだよ!
人魚さん達に抑えつけられた俺は、声の主が近寄って来るまで、その姿は見えなかった。
だが、人魚さん達の間から顔を覗かせて俺を見下ろすのは、間違いなく嫁ーずの5人だ。
「ドワーフさん達、ロープを」
メリルの声に、そっとドワーフメイドさんが、ロープをイネスに手渡す。
「人魚さん達、そのまま抑えつけておいてくださいませ。イネスさん、トール様の腰にロープを」
マチルダの指示で…何故かイネスに腰をロープで巻かれた俺。
「さぁ、もう逃げられませんよ。まずはお仕事を終わらせましょう」
晴れやかな笑みで俺に手を差し伸べるミルシェ。
人魚さん達がそっと俺を解放してくれたのだが、ミルシェの手を取るのが怖い。
「…トール様、お仕事の後は…人魚さん達のお見合い会の…」
言い辛そうなミレーラの後を継ぎ、イネスが続ける。
「生贄を準備だな!」
生贄ってはっきり口にしたよ! 俺でも心の中でしか言ってないのに!
ミレーラとイネスの言葉に、大喜びする人魚さん達。
だから逃げようとしたんだよ!
俺にだって理性ってものがあるんだよ! 尊い犠牲を俺が選ぶのなんて嫌だよ!
というか、何で嫁ーずはそんなに人魚さん達に協力的なんだ?
ってか、どうして俺が人魚さん達に捕獲されたの知ったんだよ!
「えっ、全部見てましたけど?」
見てたの!? と言うかメリルさん、俺の心の声に反応するのは止めようか…。
「私達に隠し事ができるとでも?」
マチルダの鋭い視線が俺に突き刺ささる。
「いえ、全部口に出てましたけどね」
んぉ? ミルシェさん、マジっすか?
「…いつもの様に…」
あ、いつもの様にですね、ミレーラさん…。
「その癖だけは、死んでも治らないな!」
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