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2割り増しぐらい
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今回の捜索について来てくれた精霊さんのほとんどは、風の精霊さん。
どうしてもスピードを重視した結果なので、それは仕方ない。
ただ、少数だけどついて来てくれた火の精霊さん達は、この捜索では大活躍だった
ホワイト・オルター号には離着陸用にキャビンの下部に、下方を照らすための照明が有る。
だが、あくまでも真下を見る為だけの照明なので、真下だけしか照らさないので捜索にはあまり役立たってはない。
何せ捜索するここは、真っ暗な大海原。
山の捜索と違い、対象は常に海流に流され、波に翻弄されている為、捜索範囲は広大な物になる。
なのに飛行船の真下しか照らさない照明なんぞ、大して役に立つはずもない。
数少ない火の精霊さん達は、飛行船の周囲に散らばり、煌々と燃え上がる事で海面を照らしてくれた。
もちろん、充分な数では無かったが、それでも役立つことは間違いない。
しかも、漂流しているナディア達を蜂達が見つけ出し、方向を示す為に一直線に並んだ蜂達の両サイドに、綺麗に並んで飛行船の行く先を示してくれた。
まるで飛行場の様に、規則正しく等間隔で並んだ日の精霊さん達…本当にありがとう。
君たちのおかげで、迷わず夜の海を進むことが出来る。
嫁ーずも綺麗に左右に並んだ火の精霊さんの明かりに、こんな時だがその美しい光景に感動していた。
前世で見た、夜間の滑走路の様なその光景は、不謹慎だが俺でもちょっと見入ってしまった。
そんな火の精霊さんが並ぶ空の滑走路をまっすぐ進むと、波間にきらりとその明かりを受けて光る物が微かに見えた。
「トール様、あそこ!」
俺が見つけるとほぼ同時に、ミルシェも見つけた様だ。
ブレンダーも『ウォーーーン!』と吠えて、発見した事を俺に知らせた。
「ああ、俺にも見えた!」
叫ぶように俺もそう言いつつ、ホワイト・オルター号をその物体へと近づけた。
見つけたソレの真上へと飛行船を近づけ、海面近くまで降下すると、そこには半透明の球体の中に身を寄せ合うようにしてナディア達4人がいるのを確認した。
俺はホワイト・オルター号を自動操縦モードに切り替え、ダッシュで支柱と船体を繋いでいる支柱へと駆け込み、梯子を使ってカーゴルームへと移動。
「全員、変身しておくように!」
後に嫁ーずもついて来ている様なので、全員に支柱内に反響するほどの大声で告げた。
カーゴルームにたどり着いた入れは、即座に飛行船本体の横やや後方にある搬出入用のクレーンに駆け寄り、銀ピカヒーローに変身してからクレーンを操作する。
ジェムファイターに変身をしたイネスとミルシェも乗り込んできたが、そのままクレーンを下げる。
変身してれば、多少の波風など問題にならないだろう。
クレーンが徐々に海面に近づき、シールドの中でぐったりとしているナディア達の姿がはっきりと見えてくると、居てもたってもいられなくなる。
だが、ここで海に飛び込んだところで意味はない。
大人しく船体の一部がゲート状になっているクレーンで降りると、目の前には波間を漂う球体。
蜂達と精霊さん達が協力して俺たちの方へとそれを押してくれたので、イネスとミルシェと協力してゲートに引き上げ、そのままリフトを上げた。
どうやら、見た感じでは大きな怪我などはない様だが、シールドのせいではっきりとは分からない。
船体に開いたクレーンの穴からは、残る嫁ーず達もこちらを覗き込んでいた。
心配なのだろう…仮面で顔は見えないけど、皆の姿が如実にそう語っていた。
やがてクレーンが船体横まで持ち上がると、すぐさまシールドで包まれた4人をカーゴルームに移動させ、ゲートを元の位置に戻した。
何とか救助出来た…そう思った時、俺の膝から力が一気に抜けたが、まだ安心は出来ないと、気合を入れ直す。
さて、この球状のシールドなのでが、解く事が出来るのは本来はシールドを張った本人だけ。
もちろん、強力な物理的な衝撃を与えれば、強制的に破壊することも可能ではある。
だが、彼女たちは俺の眷属。
俺の力でシールドの解除は出来るのだ。
そんな分けで、俺は両手をシールドにあてて、心の中で『解除!』と命じた。
目いっぱい膨らんだ風船が破裂したかのように、一瞬で消えてなくなるシールド。
微かにシールドのおかげで宙に浮いていたナディア達が床へと落下しそうになるが、変身していた嫁ーずが瞬時に彼女たちを抱えこみ、頭が床に衝突するのを防いだ。
よほ俺も慌てていたんだな…こうなるのは分かってたはずなのに、配慮出来てなかった。
「トール様、全員息が有ります!」
メリルが少しだけほっとしたような、喜んでいる様な声で、そう告げた。
「分かった。では、カーゴルーム内の休憩スペースに横にしよう。見た感じ大きな怪我とかはないけれども、見えない場所に怪我があるかもしれないから、十分に注意するように」
それを受けて、俺は心を静めつつ、指示を出す。
『はいっ!』
「あと、身体の確認ついでに出来たら服も替えてやって欲しい。同性の皆にしか頼めない事だから、宜しく頼んだ」
『任せてください!』
「俺は、急ぎ邸へとホワイト・オルター号を飛ばす。落ち着いたら状況を教えてくれ」
皆にそう伝えた俺は、変身を解きながらキャビンへと支柱の中の梯子を伝って降りた。
降りるまで変身してたらよかった…しんどい…俺って、馬鹿だなあ。
いや、そんな事はどうだっていい。
今は暗い海を漂って辛く不安な思いをしていた4人を、早く邸のあったかいベッドで寝かせねば!
さあ、精霊さんも蜂達も全員撤収!
全速力で邸に戻ろう!
あ、でも風の精霊さんはちょっと抑え気味にね…怪我人が乗ってるから。
流石に布団に縛り付ける訳には行かないから、普段の2割り増しぐらいの速度でお願いしまっす!
どうしてもスピードを重視した結果なので、それは仕方ない。
ただ、少数だけどついて来てくれた火の精霊さん達は、この捜索では大活躍だった
ホワイト・オルター号には離着陸用にキャビンの下部に、下方を照らすための照明が有る。
だが、あくまでも真下を見る為だけの照明なので、真下だけしか照らさないので捜索にはあまり役立たってはない。
何せ捜索するここは、真っ暗な大海原。
山の捜索と違い、対象は常に海流に流され、波に翻弄されている為、捜索範囲は広大な物になる。
なのに飛行船の真下しか照らさない照明なんぞ、大して役に立つはずもない。
数少ない火の精霊さん達は、飛行船の周囲に散らばり、煌々と燃え上がる事で海面を照らしてくれた。
もちろん、充分な数では無かったが、それでも役立つことは間違いない。
しかも、漂流しているナディア達を蜂達が見つけ出し、方向を示す為に一直線に並んだ蜂達の両サイドに、綺麗に並んで飛行船の行く先を示してくれた。
まるで飛行場の様に、規則正しく等間隔で並んだ日の精霊さん達…本当にありがとう。
君たちのおかげで、迷わず夜の海を進むことが出来る。
嫁ーずも綺麗に左右に並んだ火の精霊さんの明かりに、こんな時だがその美しい光景に感動していた。
前世で見た、夜間の滑走路の様なその光景は、不謹慎だが俺でもちょっと見入ってしまった。
そんな火の精霊さんが並ぶ空の滑走路をまっすぐ進むと、波間にきらりとその明かりを受けて光る物が微かに見えた。
「トール様、あそこ!」
俺が見つけるとほぼ同時に、ミルシェも見つけた様だ。
ブレンダーも『ウォーーーン!』と吠えて、発見した事を俺に知らせた。
「ああ、俺にも見えた!」
叫ぶように俺もそう言いつつ、ホワイト・オルター号をその物体へと近づけた。
見つけたソレの真上へと飛行船を近づけ、海面近くまで降下すると、そこには半透明の球体の中に身を寄せ合うようにしてナディア達4人がいるのを確認した。
俺はホワイト・オルター号を自動操縦モードに切り替え、ダッシュで支柱と船体を繋いでいる支柱へと駆け込み、梯子を使ってカーゴルームへと移動。
「全員、変身しておくように!」
後に嫁ーずもついて来ている様なので、全員に支柱内に反響するほどの大声で告げた。
カーゴルームにたどり着いた入れは、即座に飛行船本体の横やや後方にある搬出入用のクレーンに駆け寄り、銀ピカヒーローに変身してからクレーンを操作する。
ジェムファイターに変身をしたイネスとミルシェも乗り込んできたが、そのままクレーンを下げる。
変身してれば、多少の波風など問題にならないだろう。
クレーンが徐々に海面に近づき、シールドの中でぐったりとしているナディア達の姿がはっきりと見えてくると、居てもたってもいられなくなる。
だが、ここで海に飛び込んだところで意味はない。
大人しく船体の一部がゲート状になっているクレーンで降りると、目の前には波間を漂う球体。
蜂達と精霊さん達が協力して俺たちの方へとそれを押してくれたので、イネスとミルシェと協力してゲートに引き上げ、そのままリフトを上げた。
どうやら、見た感じでは大きな怪我などはない様だが、シールドのせいではっきりとは分からない。
船体に開いたクレーンの穴からは、残る嫁ーず達もこちらを覗き込んでいた。
心配なのだろう…仮面で顔は見えないけど、皆の姿が如実にそう語っていた。
やがてクレーンが船体横まで持ち上がると、すぐさまシールドで包まれた4人をカーゴルームに移動させ、ゲートを元の位置に戻した。
何とか救助出来た…そう思った時、俺の膝から力が一気に抜けたが、まだ安心は出来ないと、気合を入れ直す。
さて、この球状のシールドなのでが、解く事が出来るのは本来はシールドを張った本人だけ。
もちろん、強力な物理的な衝撃を与えれば、強制的に破壊することも可能ではある。
だが、彼女たちは俺の眷属。
俺の力でシールドの解除は出来るのだ。
そんな分けで、俺は両手をシールドにあてて、心の中で『解除!』と命じた。
目いっぱい膨らんだ風船が破裂したかのように、一瞬で消えてなくなるシールド。
微かにシールドのおかげで宙に浮いていたナディア達が床へと落下しそうになるが、変身していた嫁ーずが瞬時に彼女たちを抱えこみ、頭が床に衝突するのを防いだ。
よほ俺も慌てていたんだな…こうなるのは分かってたはずなのに、配慮出来てなかった。
「トール様、全員息が有ります!」
メリルが少しだけほっとしたような、喜んでいる様な声で、そう告げた。
「分かった。では、カーゴルーム内の休憩スペースに横にしよう。見た感じ大きな怪我とかはないけれども、見えない場所に怪我があるかもしれないから、十分に注意するように」
それを受けて、俺は心を静めつつ、指示を出す。
『はいっ!』
「あと、身体の確認ついでに出来たら服も替えてやって欲しい。同性の皆にしか頼めない事だから、宜しく頼んだ」
『任せてください!』
「俺は、急ぎ邸へとホワイト・オルター号を飛ばす。落ち着いたら状況を教えてくれ」
皆にそう伝えた俺は、変身を解きながらキャビンへと支柱の中の梯子を伝って降りた。
降りるまで変身してたらよかった…しんどい…俺って、馬鹿だなあ。
いや、そんな事はどうだっていい。
今は暗い海を漂って辛く不安な思いをしていた4人を、早く邸のあったかいベッドで寝かせねば!
さあ、精霊さんも蜂達も全員撤収!
全速力で邸に戻ろう!
あ、でも風の精霊さんはちょっと抑え気味にね…怪我人が乗ってるから。
流石に布団に縛り付ける訳には行かないから、普段の2割り増しぐらいの速度でお願いしまっす!
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