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まさか…ねぇ
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母さんの語る戦争の話の一端からですら、何かヤバイ臭いがプンプンと漂う。
直接父さんの話を聞いていたコルネちゃんだけでなく、同席していた嫁ーずも、事の重大さに気付いた様だ。
「トール様…何かおかしくはありませんか…敵の死体が見当たらないなんて…」
メリルがそう呟くと、
「お兄さまの危惧されていた事を、漸くはっきりと理解が出来た気がします」
コルネちゃんも、何かを考えつつ、そう呟いた。
「流石はマチルダだな。昨夜のうちに、即ナディア達を山脈の向こうへと派遣したのは、これを感じ取っていたからなんだな」
「ええ…しかし、これ程とは思いませんでした」
イネスの称賛の声に、素直に喜ぶことが出来ないマチルダ。
「で、でも…どうして姿が見えないんでしょうか…?」
「あ、私もミレーラと同じ事が気になってた」
ミレーラが素朴な疑問の声をあげると、ミルシェもそれに同意した。
それだけ母さんの話は、各人に色々と考えさせられるものであったのだろう。
斯く言う俺も、この問題の核心に近くための情報のピースが、大量に集まって来ているというのに、実はその全く全容が見えなくなるという、表現しようがない相反する事態に見舞われていた。
ちなみにユリアちゃんは、ずっとぽへ~っとしていた。
難しい話は、退屈らしい…うん、幼女だもんね。
そんなユリアちゃんも、ス・テ・キだよ。
そう言えば、大人の古いおとぎ話は、色あせたアルバムの様な物だったな。
あの時のときめきを確かに思い出せるけど、もう二度と感じる事は出来ない…だったな。
うん、あの銀河を漂流する少年達のアニメでの最終回の別れのシーンは、一生忘れない。
よくよく考えてみたら、あのアニメも決してハッピーエンドじゃ無かったなあ。
最終話でも戦争は終わっていなかったし、最終話で宇宙空間に広がる無数の紙飛行機は、きっと未来への希望を表現したものだったのだろうな…涙が止まらんかったよ、当時は。
そう、父さんと母さんが経験した戦争は、完全に終結したわけじゃない。
アニメを思い出したからって考えついた結論じゃないぞ。
どうにもおかしい所が多すぎるんだ、この昔の戦争は。
そもそも、戦争の終結を宣言したのは、あくまでも専守防衛に徹したグーダイド王国であり、攻め込んだ敵軍を撃退しただけであり、敵国が降伏したわけでも、終戦の条約を結んだ訳でも無い。
単に、責めこんで来た敵軍の指揮官であろう者の首級を父さんがあげただけの事。
父さんが手柄を立てたあと、何故か王国から消えた敵兵。
生きている者だけでなく、死体すら跡形も無く消えてしまった。
それは何故だ?
父さん達は、本当に『生物』と戦ったのか?
幻と戦ったとは考えてはいない。
何故なら、大勢の王国市民が殺されているのだから、敵は実態を持っていたのは間違いないだろう。
だが、それは果たしてそれは人なのか?
翼か羽かを持った人であると、証言から分かってはいるのだが、何故か正確な姿は未だにはっきりしない。
とどめに、銃器としか思えない武器だ。
この世界にしたら、明らかにオーバーテクノロジー(俺のは別として)であり、それを量産出来るほどの文化・文明を持っていた国が、なぜグーダイド王国程度の小国との戦いで敗れて消え去った?
いや、そうじゃ無い。
グーダイド王国は、そもそも攻め込んでも居ない。
なのに、何故滅んだ?
あの山脈の向こうに高度な文化や文明を持つ国なんて無い事は、とっくにナディア達が調査して確認している。
だからこそ、地図が出来たんだ。
今、ナディア達が再調査に向かっているが…あの山脈の向こうに、一体何があると言うのだろう。
「私が思いますに…」
「でも、私はあの戦争は確かに…」
「どうやって来たのでしょう…」
「何故…?」
「お兄さまの推測ですと…」
「わ、私の実家にもお話を…」
「祖父母の事は母から聞いてましたが、まさかそんな事が…」
俺が考え込んでいる間も、嫁ーずと、母さん、コルネちゃんで、喧々諤々の会議が続行していた。
そうだな…まずはナディア達の帰還を待ち、報告を聞く事だな。
その後は、もう一度父さんに話を…いや、王都に行くなら陛下にも聞いた方が良いか。
出来るなら、勲民・貴民が集合する議会で、これを話題にするのも良いかもしれない。
当時を知っている人もまだまだ多く存命だし、きっともっと多くのパズルのピースが集まるに違いない。
まてよ…? サラとリリアさんが、何でこんな大問題に首を突っ込んでこないんだ?
まさか…まさか、ねぇ…。
直接父さんの話を聞いていたコルネちゃんだけでなく、同席していた嫁ーずも、事の重大さに気付いた様だ。
「トール様…何かおかしくはありませんか…敵の死体が見当たらないなんて…」
メリルがそう呟くと、
「お兄さまの危惧されていた事を、漸くはっきりと理解が出来た気がします」
コルネちゃんも、何かを考えつつ、そう呟いた。
「流石はマチルダだな。昨夜のうちに、即ナディア達を山脈の向こうへと派遣したのは、これを感じ取っていたからなんだな」
「ええ…しかし、これ程とは思いませんでした」
イネスの称賛の声に、素直に喜ぶことが出来ないマチルダ。
「で、でも…どうして姿が見えないんでしょうか…?」
「あ、私もミレーラと同じ事が気になってた」
ミレーラが素朴な疑問の声をあげると、ミルシェもそれに同意した。
それだけ母さんの話は、各人に色々と考えさせられるものであったのだろう。
斯く言う俺も、この問題の核心に近くための情報のピースが、大量に集まって来ているというのに、実はその全く全容が見えなくなるという、表現しようがない相反する事態に見舞われていた。
ちなみにユリアちゃんは、ずっとぽへ~っとしていた。
難しい話は、退屈らしい…うん、幼女だもんね。
そんなユリアちゃんも、ス・テ・キだよ。
そう言えば、大人の古いおとぎ話は、色あせたアルバムの様な物だったな。
あの時のときめきを確かに思い出せるけど、もう二度と感じる事は出来ない…だったな。
うん、あの銀河を漂流する少年達のアニメでの最終回の別れのシーンは、一生忘れない。
よくよく考えてみたら、あのアニメも決してハッピーエンドじゃ無かったなあ。
最終話でも戦争は終わっていなかったし、最終話で宇宙空間に広がる無数の紙飛行機は、きっと未来への希望を表現したものだったのだろうな…涙が止まらんかったよ、当時は。
そう、父さんと母さんが経験した戦争は、完全に終結したわけじゃない。
アニメを思い出したからって考えついた結論じゃないぞ。
どうにもおかしい所が多すぎるんだ、この昔の戦争は。
そもそも、戦争の終結を宣言したのは、あくまでも専守防衛に徹したグーダイド王国であり、攻め込んだ敵軍を撃退しただけであり、敵国が降伏したわけでも、終戦の条約を結んだ訳でも無い。
単に、責めこんで来た敵軍の指揮官であろう者の首級を父さんがあげただけの事。
父さんが手柄を立てたあと、何故か王国から消えた敵兵。
生きている者だけでなく、死体すら跡形も無く消えてしまった。
それは何故だ?
父さん達は、本当に『生物』と戦ったのか?
幻と戦ったとは考えてはいない。
何故なら、大勢の王国市民が殺されているのだから、敵は実態を持っていたのは間違いないだろう。
だが、それは果たしてそれは人なのか?
翼か羽かを持った人であると、証言から分かってはいるのだが、何故か正確な姿は未だにはっきりしない。
とどめに、銃器としか思えない武器だ。
この世界にしたら、明らかにオーバーテクノロジー(俺のは別として)であり、それを量産出来るほどの文化・文明を持っていた国が、なぜグーダイド王国程度の小国との戦いで敗れて消え去った?
いや、そうじゃ無い。
グーダイド王国は、そもそも攻め込んでも居ない。
なのに、何故滅んだ?
あの山脈の向こうに高度な文化や文明を持つ国なんて無い事は、とっくにナディア達が調査して確認している。
だからこそ、地図が出来たんだ。
今、ナディア達が再調査に向かっているが…あの山脈の向こうに、一体何があると言うのだろう。
「私が思いますに…」
「でも、私はあの戦争は確かに…」
「どうやって来たのでしょう…」
「何故…?」
「お兄さまの推測ですと…」
「わ、私の実家にもお話を…」
「祖父母の事は母から聞いてましたが、まさかそんな事が…」
俺が考え込んでいる間も、嫁ーずと、母さん、コルネちゃんで、喧々諤々の会議が続行していた。
そうだな…まずはナディア達の帰還を待ち、報告を聞く事だな。
その後は、もう一度父さんに話を…いや、王都に行くなら陛下にも聞いた方が良いか。
出来るなら、勲民・貴民が集合する議会で、これを話題にするのも良いかもしれない。
当時を知っている人もまだまだ多く存命だし、きっともっと多くのパズルのピースが集まるに違いない。
まてよ…? サラとリリアさんが、何でこんな大問題に首を突っ込んでこないんだ?
まさか…まさか、ねぇ…。
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