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はんつけ
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何故だろう。
その日の嫁ーずは、とっても優しかった。
晩飯の時も、何故か全員がニコニコしていた。
そして寝ようとして寝室へと向かったのだが、誰もベッドへと乱入してくる者は居なかった。
おかしい…静かすぎる。
いや、別に乱入されて、あんな事やこんな事をしたいとか思ってるわけじゃないぞ?
嫌いじゃなけど…そりゃ、俺だって色々と滾るし溜まっちゃう青少年だから、そりゃ嫌いじゃないです…はい。
どっかの異世界物の小説とかみたいに、エッチなシーンだって、本当はてんこ盛りでお届けしたいとか思ってますよ。
でも、何故か本日…今夜に限っては、何故かとっても静かなのです…何故だろう?
とにかく、俺はとっても静かで健全な夜を過ごしたのだった。
こんなに優しい(普通とも言う)嫁ーずは、新婚初期の頃以来かもしれない…。
それはそれとして、サラとリリアさんは、どこ行ったんだ?
さて、翌朝。
いつもの如く、清冽な朝の空気を胸いっぱいに吸い込みつつ、朝の鍛錬を行った。
これまたいつもの如く、イネスが俺に少し遅れてやって来て、特に言葉を交わすわけでも無く、すぐ隣で剣を振っていた。
ただ、時折チラチラと俺へと視線を送っていたのだが、怒ってるわけでも悲しんでいるわけでもなく、ただチラチラと見ていた。
屋敷の窓にもいつもの嫁ーずの姿が見えたが、誰もが俺を優しい目で見つめていた。
俺が朝食の場に姿を現すと、とても良い笑顔の嫁ーずと、コルネちゃん、ユリアちゃん、そして母さんがいた。
やっぱりサラとリリアさんも姿を見せなかったのだが、ナディアにアーデ、アーム、アーフェン達も姿が見えない。
ユズユズとドワーフメイド衆は…いる。
何で彼女達は姿を見せないんだ? どこかに行ってるんだろうか。
そうだよ、どっかに行ってるんだよ! そういう事にしておこう!
考えるの面倒くさいし。
んで、何で嫁ーずはニコニコしてんだ?
朝食の場はとっても和やかだったのだが、俺の心中は色々な物がぐーるぐると、どっかの香取の線香みたいに渦巻いていた。
朝食後、俺は玄関ホールでいつもの如くのんびりと昼寝(朝寝?)をしている、ブレンダーとクイーンとノワールをなでなで。
最近、さっぱり戦闘も無く、ブレンダーもクイーンもだらけ切っている。
ノワールは元々モフリーナとの連絡役だったのだが、その役目も無くなったので、こいつもだらけまくっている。
あれ? そういや、クイーン以外の蜂達って、どこ行ったんだろ?
クイーン、蜂達は? え、ナディア達に連れられてどっか行った?
ああ、なるほど…ナディア達は蜂達を連れて出かけているのか。
お散歩かな? あ、大樹に行ってるのかもしれないな。
でも、何で蜂達を連れて行ったんだろう…護衛? は、必要ないだろうし。
ま、いいや。
そんで、君達に聞きたいんだけど、サラとリリアさんがどこ行ったか知らない?
あ、知らないのか。え、昨日は見た?
そっか、ありがと。
ナディア達は散歩に行ってるとして、サラとリリアさんはどこ行ったんだろうなあ…。
居たら居たで五月蠅くて迷惑ばっか掛けるサラだけど、居ないとちょっと寂しい…かもしれない。
あんな駄メイドでも、居ないと寂しく感じるなんて、それだけ我が家に馴染んだって事かもしれないな。
リリアさんとは、まだそんなに長くは無い(とは言え、数年の付き合い)けど、サラとはもう7年? 8年? ぐらいの付き合いだ。
あんな絶壁でアホで成長しないお調子者でサボりまくりの駄メイドでも、我が家の良いムードメーカーなんだな。
まあ、その内帰ってくるだ…
「だーれーがー、絶壁でアホで成長しないお調子者でサボりまくりの駄メイドですかーーー!」
「うぉ! いきなり出てくるな! びっくりするだろうが、この粗忽メイド!」
俺の後ろに立つな!
「まあ、貴方様の仰っている事も、概ね間違いではありませんが…」
「おお、リリアさん! 姿を見なかったから、心配したよ」
「それは申し訳ございません」「ちょ! 私は!?」
ちょっとサラは黙ってろ! 今はリリアさんと話してるんだから。
「それで、リリアさんはどこに行ってたん?」
「実は管理局の仕事で、少々出かけておりまして、先ほど戻ってきた所なのです」「…えっと、私には聞かないんですか?」
何かサラが言ってる気がするけど、無視だ。
「なる程…そっちの仕事か。多分、俺には言えない事も有るんだろうから、まあいいよ。皆に、ネス様の仕事でたまに出かけるって言っておくんで、もしもそっち系の仕事で邸から姿を消す時は誰かに言っといてね」
「ご配慮、有難うございます。もし今後同様の事がありましたら、どなたかに伝言いたします」「…大河さん、私に冷たくね?」
うんうん、そうしてくれたら有り難い。
ところで、ナディア達の姿が見えないんだけど、何か知ってる? あ、知らないんだ。
まあ、それは別に良いや。
どうしても連絡しなければならない用事がある分けでも無いし。
「…………」
気付くと、サラが体操座りして、何やら床にのの字を書いていた。
そこ、大理石っぽい材質だから、お尻冷えるよ?
ま、次からは下痢ピー駄メイドと呼べばいいか。
「誰が、下痢ピー駄メイドかー! 私を、はんつけにすんなー!」
「半けつ?」「はみけつですか?」
俺がとリリアさんがサラの叫びに首を捻ると、
「ちゃうわ! はみけつだー! 仲間はずれって意味だよ!」
そんなん知ってるわけ無いやん。
せめて、はみごって言ってくれ。
「私はてっきり、パンツからケツがはみ出ているのかと思いました」
「あ、俺は半分だけケツがパンツから出てるのかと!」
「ですよね~!」「だよな~!」
俺はリリアさんと2人で深く頷いた。
「だーかーらー! 私も仲間にいれろーーーー!」
玄関ホールでは、とっても声が響くので、大声を出すのは止めましょう。
その日の嫁ーずは、とっても優しかった。
晩飯の時も、何故か全員がニコニコしていた。
そして寝ようとして寝室へと向かったのだが、誰もベッドへと乱入してくる者は居なかった。
おかしい…静かすぎる。
いや、別に乱入されて、あんな事やこんな事をしたいとか思ってるわけじゃないぞ?
嫌いじゃなけど…そりゃ、俺だって色々と滾るし溜まっちゃう青少年だから、そりゃ嫌いじゃないです…はい。
どっかの異世界物の小説とかみたいに、エッチなシーンだって、本当はてんこ盛りでお届けしたいとか思ってますよ。
でも、何故か本日…今夜に限っては、何故かとっても静かなのです…何故だろう?
とにかく、俺はとっても静かで健全な夜を過ごしたのだった。
こんなに優しい(普通とも言う)嫁ーずは、新婚初期の頃以来かもしれない…。
それはそれとして、サラとリリアさんは、どこ行ったんだ?
さて、翌朝。
いつもの如く、清冽な朝の空気を胸いっぱいに吸い込みつつ、朝の鍛錬を行った。
これまたいつもの如く、イネスが俺に少し遅れてやって来て、特に言葉を交わすわけでも無く、すぐ隣で剣を振っていた。
ただ、時折チラチラと俺へと視線を送っていたのだが、怒ってるわけでも悲しんでいるわけでもなく、ただチラチラと見ていた。
屋敷の窓にもいつもの嫁ーずの姿が見えたが、誰もが俺を優しい目で見つめていた。
俺が朝食の場に姿を現すと、とても良い笑顔の嫁ーずと、コルネちゃん、ユリアちゃん、そして母さんがいた。
やっぱりサラとリリアさんも姿を見せなかったのだが、ナディアにアーデ、アーム、アーフェン達も姿が見えない。
ユズユズとドワーフメイド衆は…いる。
何で彼女達は姿を見せないんだ? どこかに行ってるんだろうか。
そうだよ、どっかに行ってるんだよ! そういう事にしておこう!
考えるの面倒くさいし。
んで、何で嫁ーずはニコニコしてんだ?
朝食の場はとっても和やかだったのだが、俺の心中は色々な物がぐーるぐると、どっかの香取の線香みたいに渦巻いていた。
朝食後、俺は玄関ホールでいつもの如くのんびりと昼寝(朝寝?)をしている、ブレンダーとクイーンとノワールをなでなで。
最近、さっぱり戦闘も無く、ブレンダーもクイーンもだらけ切っている。
ノワールは元々モフリーナとの連絡役だったのだが、その役目も無くなったので、こいつもだらけまくっている。
あれ? そういや、クイーン以外の蜂達って、どこ行ったんだろ?
クイーン、蜂達は? え、ナディア達に連れられてどっか行った?
ああ、なるほど…ナディア達は蜂達を連れて出かけているのか。
お散歩かな? あ、大樹に行ってるのかもしれないな。
でも、何で蜂達を連れて行ったんだろう…護衛? は、必要ないだろうし。
ま、いいや。
そんで、君達に聞きたいんだけど、サラとリリアさんがどこ行ったか知らない?
あ、知らないのか。え、昨日は見た?
そっか、ありがと。
ナディア達は散歩に行ってるとして、サラとリリアさんはどこ行ったんだろうなあ…。
居たら居たで五月蠅くて迷惑ばっか掛けるサラだけど、居ないとちょっと寂しい…かもしれない。
あんな駄メイドでも、居ないと寂しく感じるなんて、それだけ我が家に馴染んだって事かもしれないな。
リリアさんとは、まだそんなに長くは無い(とは言え、数年の付き合い)けど、サラとはもう7年? 8年? ぐらいの付き合いだ。
あんな絶壁でアホで成長しないお調子者でサボりまくりの駄メイドでも、我が家の良いムードメーカーなんだな。
まあ、その内帰ってくるだ…
「だーれーがー、絶壁でアホで成長しないお調子者でサボりまくりの駄メイドですかーーー!」
「うぉ! いきなり出てくるな! びっくりするだろうが、この粗忽メイド!」
俺の後ろに立つな!
「まあ、貴方様の仰っている事も、概ね間違いではありませんが…」
「おお、リリアさん! 姿を見なかったから、心配したよ」
「それは申し訳ございません」「ちょ! 私は!?」
ちょっとサラは黙ってろ! 今はリリアさんと話してるんだから。
「それで、リリアさんはどこに行ってたん?」
「実は管理局の仕事で、少々出かけておりまして、先ほど戻ってきた所なのです」「…えっと、私には聞かないんですか?」
何かサラが言ってる気がするけど、無視だ。
「なる程…そっちの仕事か。多分、俺には言えない事も有るんだろうから、まあいいよ。皆に、ネス様の仕事でたまに出かけるって言っておくんで、もしもそっち系の仕事で邸から姿を消す時は誰かに言っといてね」
「ご配慮、有難うございます。もし今後同様の事がありましたら、どなたかに伝言いたします」「…大河さん、私に冷たくね?」
うんうん、そうしてくれたら有り難い。
ところで、ナディア達の姿が見えないんだけど、何か知ってる? あ、知らないんだ。
まあ、それは別に良いや。
どうしても連絡しなければならない用事がある分けでも無いし。
「…………」
気付くと、サラが体操座りして、何やら床にのの字を書いていた。
そこ、大理石っぽい材質だから、お尻冷えるよ?
ま、次からは下痢ピー駄メイドと呼べばいいか。
「誰が、下痢ピー駄メイドかー! 私を、はんつけにすんなー!」
「半けつ?」「はみけつですか?」
俺がとリリアさんがサラの叫びに首を捻ると、
「ちゃうわ! はみけつだー! 仲間はずれって意味だよ!」
そんなん知ってるわけ無いやん。
せめて、はみごって言ってくれ。
「私はてっきり、パンツからケツがはみ出ているのかと思いました」
「あ、俺は半分だけケツがパンツから出てるのかと!」
「ですよね~!」「だよな~!」
俺はリリアさんと2人で深く頷いた。
「だーかーらー! 私も仲間にいれろーーーー!」
玄関ホールでは、とっても声が響くので、大声を出すのは止めましょう。
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