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完全に忘れちゃった
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やはり、俺の考えは正しかった!
父さんと合流した、俺の愛すべき妹天使達は、この王都にある父さんの邸へと馬車で向かった。
何でも、母さんからの報告があるから、落ち着いた所で話したいと言って、行ってしまった。
俺の背後とか周囲の見えない気配の数も、それに合わせる様に急激に減ったところを見るに、どうやらくっ付いて行ったらしい。
ふぅ…これで撒かなきゃならない妖精の数も結構減ったな…頑張って、新刊を手に入れなければ。
それはそれとして、何やらお城の方が騒がしいが、何か起きたのかな?
呑気にそんな事を考えながら、俺は迎えに来ていた騎士さん達と、この場に持ち込んだ小型バギーを前に和やかに談笑していると、お城の方から豪華な鎧を身に纏った、物々しい護衛騎士達が護る豪華な馬車が一台近づいて来た。
ほぇ? っと、その騎士達の列を眺めていると、俺と談笑していた騎士さん達が、ビシッ! と音が聞こえそうな程の勢いで姿勢を正してその騎士の列を出迎えた。
え、姿勢正してないのって俺だけ?
離島から東京に初めてやって来た人(失礼)の様に、辺りをキョロキョロと見まわしいていると、一番近くにいた騎士さんがそっと耳打ちしてくれた。
「第5王女様と、その護衛騎士達です」
おお! そうか、ホワイト・オルター号を見て、俺を出迎え…な、訳ないよな。
しかし、俺の華麗な演出を見て、居ても立っても居られなくなった王女様が、早くひつじさん号を見たくてやって来たんだろう。
ホワイト・オルター号の着陸位置と角度からして、あの演出は王城からちゃんと見えていた様だ。
これで、第5王女様の専用車であるひつじさん号が、いかに特別であるかは強く印象付けられたのではないだろうか。
ちょっとドヤ顔しても良いかな?
さて、そんな豪華な馬車を俺が眺めていると、ガチャリと馬車の扉が開いて、1人の貴婦人がその姿を現した。
予想通りというか、騎士さんから聞いた通りというか、姿を現したのは当然ながらメリルの妹であり、俺の義妹でもある、マーリア第5王女様その人だ。
うん、それだけなら良かったんだけどね…。
「お久しぶりです、アーマリア様」
さっきも披露したが、紳士であるこのトール君は、かっちりとボウ・アンド・スクレープを披露した。
「ご機嫌麗しゅう、トールヴァルド伯爵様。私、この日が来るのを楽しみにしておりましたのよ」
にこやかにそう告げる、第五王女様。
「お久しぶりですわね、アルテアン伯爵様…いえ、メリルの夫でもあるのですから、もう家族なのですね、トールヴァルドさん」
第五王女に続いて降りてきたのは、第1王女様。
「そうですわね、お姉さま。あ、私もトールヴァルドさんとお呼びしてもよろしいかしら?」
続いて第2王女。
「あ、私も私も!」
さらに第3王女…メリルの姉妹が全員集合…何だコレ?
紳士であるトール君は、ボウ・アンド・スクレープの姿勢で固まってしまった。
「もう、お姉さま達! トールヴァルド伯爵様が固まってしまったではないですか!」
うん、アーマリア様、フォローありがとう。
「何言ってるのよ! 貴女だけちゃっかりおねだりしたりして! 私だって欲しいのよ!」
「そうよそうよ! 蒸気自動車の新型なんて、もの凄く高いんだから!」
「しかも自分専用カスタムの車なんですって!? 私も欲しいわよ!」
義理の姉に当たる王女様(全員、既婚者)に責められる義理の妹(第5王女)。
「そ、それは、メリルお姉さまとの契約で…」
「どんな契約よ!」「教えなさい!」「誰かメリルに連絡して!」
もうずっと前に倒したはずなのに、どうやらこの場に恐怖の大王であるカオスの欠片が残っていた様だ。
「そ、それは…人生遊戯盤の宣伝を…」
あ、要らん事言ったな、義理の妹さん。
「人生遊戯盤って、あのお母さま達が遊んでる奴!?」「私もお茶会でやったわ!」「あれもトールヴァルドさんの発明!?」
ほら、喰いついちゃった。
「え、あ…ええ…今度、売り出すって…」
「「「私も一口噛むわ!」」」
………いえ、これ以上のイメージキャラクター契約は不要かなぁ…って。
「トールさん…いえ、アルテアン伯爵」
急に威厳を取り戻した第一王女様。
名前なんだっけ?
「アーマリエから話は伺いました」
ええ、すぐ傍で聞いてましたから、知ってます。
確か…えっと…名前も知らない第2王女様。
「私達も契約します!」
やはり、そう来ましたか…だから名前教えて下さい、第3王女様。
「「「専用車をください!」」」
王女様が声を揃えてそう言った。
マジで、名前なんだっけ?
王城での結婚式で1回会って紹介されただけだから、もう完全に忘れちゃったよ!
誰か、名前教えて下さい!
父さんと合流した、俺の愛すべき妹天使達は、この王都にある父さんの邸へと馬車で向かった。
何でも、母さんからの報告があるから、落ち着いた所で話したいと言って、行ってしまった。
俺の背後とか周囲の見えない気配の数も、それに合わせる様に急激に減ったところを見るに、どうやらくっ付いて行ったらしい。
ふぅ…これで撒かなきゃならない妖精の数も結構減ったな…頑張って、新刊を手に入れなければ。
それはそれとして、何やらお城の方が騒がしいが、何か起きたのかな?
呑気にそんな事を考えながら、俺は迎えに来ていた騎士さん達と、この場に持ち込んだ小型バギーを前に和やかに談笑していると、お城の方から豪華な鎧を身に纏った、物々しい護衛騎士達が護る豪華な馬車が一台近づいて来た。
ほぇ? っと、その騎士達の列を眺めていると、俺と談笑していた騎士さん達が、ビシッ! と音が聞こえそうな程の勢いで姿勢を正してその騎士の列を出迎えた。
え、姿勢正してないのって俺だけ?
離島から東京に初めてやって来た人(失礼)の様に、辺りをキョロキョロと見まわしいていると、一番近くにいた騎士さんがそっと耳打ちしてくれた。
「第5王女様と、その護衛騎士達です」
おお! そうか、ホワイト・オルター号を見て、俺を出迎え…な、訳ないよな。
しかし、俺の華麗な演出を見て、居ても立っても居られなくなった王女様が、早くひつじさん号を見たくてやって来たんだろう。
ホワイト・オルター号の着陸位置と角度からして、あの演出は王城からちゃんと見えていた様だ。
これで、第5王女様の専用車であるひつじさん号が、いかに特別であるかは強く印象付けられたのではないだろうか。
ちょっとドヤ顔しても良いかな?
さて、そんな豪華な馬車を俺が眺めていると、ガチャリと馬車の扉が開いて、1人の貴婦人がその姿を現した。
予想通りというか、騎士さんから聞いた通りというか、姿を現したのは当然ながらメリルの妹であり、俺の義妹でもある、マーリア第5王女様その人だ。
うん、それだけなら良かったんだけどね…。
「お久しぶりです、アーマリア様」
さっきも披露したが、紳士であるこのトール君は、かっちりとボウ・アンド・スクレープを披露した。
「ご機嫌麗しゅう、トールヴァルド伯爵様。私、この日が来るのを楽しみにしておりましたのよ」
にこやかにそう告げる、第五王女様。
「お久しぶりですわね、アルテアン伯爵様…いえ、メリルの夫でもあるのですから、もう家族なのですね、トールヴァルドさん」
第五王女に続いて降りてきたのは、第1王女様。
「そうですわね、お姉さま。あ、私もトールヴァルドさんとお呼びしてもよろしいかしら?」
続いて第2王女。
「あ、私も私も!」
さらに第3王女…メリルの姉妹が全員集合…何だコレ?
紳士であるトール君は、ボウ・アンド・スクレープの姿勢で固まってしまった。
「もう、お姉さま達! トールヴァルド伯爵様が固まってしまったではないですか!」
うん、アーマリア様、フォローありがとう。
「何言ってるのよ! 貴女だけちゃっかりおねだりしたりして! 私だって欲しいのよ!」
「そうよそうよ! 蒸気自動車の新型なんて、もの凄く高いんだから!」
「しかも自分専用カスタムの車なんですって!? 私も欲しいわよ!」
義理の姉に当たる王女様(全員、既婚者)に責められる義理の妹(第5王女)。
「そ、それは、メリルお姉さまとの契約で…」
「どんな契約よ!」「教えなさい!」「誰かメリルに連絡して!」
もうずっと前に倒したはずなのに、どうやらこの場に恐怖の大王であるカオスの欠片が残っていた様だ。
「そ、それは…人生遊戯盤の宣伝を…」
あ、要らん事言ったな、義理の妹さん。
「人生遊戯盤って、あのお母さま達が遊んでる奴!?」「私もお茶会でやったわ!」「あれもトールヴァルドさんの発明!?」
ほら、喰いついちゃった。
「え、あ…ええ…今度、売り出すって…」
「「「私も一口噛むわ!」」」
………いえ、これ以上のイメージキャラクター契約は不要かなぁ…って。
「トールさん…いえ、アルテアン伯爵」
急に威厳を取り戻した第一王女様。
名前なんだっけ?
「アーマリエから話は伺いました」
ええ、すぐ傍で聞いてましたから、知ってます。
確か…えっと…名前も知らない第2王女様。
「私達も契約します!」
やはり、そう来ましたか…だから名前教えて下さい、第3王女様。
「「「専用車をください!」」」
王女様が声を揃えてそう言った。
マジで、名前なんだっけ?
王城での結婚式で1回会って紹介されただけだから、もう完全に忘れちゃったよ!
誰か、名前教えて下さい!
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