873 / 1,466
あなたに…
しおりを挟む
王都へは、ほぼ予定通りの出発した日の翌日の昼前に到着。
少し前にナディア達による地図作成の時にしったのだが、ネス湖から王都までは約900km程だった。
基準があるわけでもないから、大体の長さを俺が勝手に1mとし、それから導いた距離だから、実際の距離は少し前後するかもしれない。
ホワイト・オルター号の本当の速度であれば、9~10時間もあれば片道を飛ぶぐらい訳ない。
しかし、自分で作っておいて言うのもなんだが、通信の呪法具のおかげで情報が一瞬でこの距離を超えてしまうので、出発前に連絡をして夕方に着くと、連絡を受け取った人たちが驚いてしまうのだ。
何たって、過去の移動手段の主流であった馬車であれば、この距離だと15~20日程度はかかる。
俺の経営するアルテアン運輸商会ご自慢の長距離バスやトラックでも、片道20時間は必要だ。
これでも蒸気自動車により、15~18分の1まで時間を短縮できているというのに、さらにその半分の時間で到着するとなると…ねたむ人も多いのだ。
なので、平時は出来る限り蒸気自動車の速度に合わせているので、20~24時間程度の旅となる。
こうしたら、空の上でも陸の上でも、移動時間は変わらない…と、思わせることが出来るのだ。
ま、急いでいる時とかだと、自重なんてせずに最大戦速で飛んじゃうけどさ。
さて、昼飯前に俺たちは王城の横の練兵場に、ホワイト・オルター号を着陸させることが出来た。
朝一に王城と父さんに連絡を入れておいたので、ちゃんと出迎えの騎士さん達も並んでくれていた。
タラップが降りて、コルネちゃんとユリアちゃんが、その階段を踏みしめながら船を降りると、ちゃんと父さんが2人を待っててくれた。
「ただ今戻りました、お父様」
コルネちゃんが、侯爵家の息女として淑女として、それに相応しい見事なカーテシーを披露した。
そして、ユリアちゃんは、
「おとうさま、ただいまー!」
元気いっぱい、笑顔もいっぱいで、父さんに駆け寄った。
うん、問題なし!
「ご機嫌麗しゅう、アルテアン侯爵様…」
俺も妹達に負けじと、父さんにボウ・アンド・スクレープで紳士足りえる男であると主張してみたのだが…誰も見てくれてなかった…マイ・シスターズの可愛さに目を奪われてたよ…全員。
くそ! 別に良いけどさ…でも、ちょっと拗ねてやる! 俺はスネちゃまざんす!
冗談はさておき。
本日の上京の目的である、マーリア第5王女様への献上品の車と、ロールアウトしたばっかりの小型バギーを降ろしすために、カーゴルームのハッチを開ける。
カーゴルーム…すなわち船倉は、巨大な飛行船本体であり、荷物の積み下ろしはそのままだと難しい。
そもそも飛行船の船体とは、乗員の為のキャビンより」高い場所にあるのだから、それも当然だ。
なのでこのホワイト・オルター号の荷物の出し入れには2通りの方法が採用されている。
※ その1 スロープ式の搬入方式
船体の最後尾の下部が大きく開き、そこからスロープがガシャンガシャンと地面まで伸びるだけ。
ちょっとだけ角度があるので、重いものは運び込むのが大変なので、中央部にコンベアーの様な物が補助的についているのだ。
キャビンの多くのスペースは、この方式での搬入スペース用に割り振られている。
※ その2
クレーン方式。
これは船体の中央よりやや後側の両面の一部がパカッと翅の様に開いて、そこにカーゴルームからクレーンがせり出してくるというもの。
重量物の搬入に適して入るのだが、スペース的にはスロープ式の半分以下しかない。
これは最初にこの船を創造する時に、俺の考えが甘かった事による、設計ミスだ。
もちょっとスペースを確保しておくべきだった。
とは言っても、蒸気式のバスなら8台近く入れることが出来るのだから、十分といえば十分かな?
さて、そんなカーゴスペースではあるが、スロープから降ろすのは、注文を受けていた小型バギー。
マーリア第5王女様への献上品のひつじさん号は、キャビンからタラップを下した方のクレーンで下す。
何で別々に積み込んだのかって?
そりゃ、演出の為ですよ、え・ん・しゅ・つ。
こうした方が、特別感あるでしょ?
この練兵場自体は、王城の壁とかの陰になっていて、全景はお城からは見えないけど、バカでかいこの飛行船はてっぺんから中ほどまでの高さは丸見えなのよ。
だから、もしも王女様に見られたって大丈夫な様に、演出も必要なのだ。
特別な逸品を、あなたに…とか、どっかのCMにありそうでしょ?
ほらほら、集まってくれてる騎士さん達も、クレーンで下されるひつじさん号をみて、『おぉー!』と驚いている。
うむ、この演出は大成功でしょう!
少し前にナディア達による地図作成の時にしったのだが、ネス湖から王都までは約900km程だった。
基準があるわけでもないから、大体の長さを俺が勝手に1mとし、それから導いた距離だから、実際の距離は少し前後するかもしれない。
ホワイト・オルター号の本当の速度であれば、9~10時間もあれば片道を飛ぶぐらい訳ない。
しかし、自分で作っておいて言うのもなんだが、通信の呪法具のおかげで情報が一瞬でこの距離を超えてしまうので、出発前に連絡をして夕方に着くと、連絡を受け取った人たちが驚いてしまうのだ。
何たって、過去の移動手段の主流であった馬車であれば、この距離だと15~20日程度はかかる。
俺の経営するアルテアン運輸商会ご自慢の長距離バスやトラックでも、片道20時間は必要だ。
これでも蒸気自動車により、15~18分の1まで時間を短縮できているというのに、さらにその半分の時間で到着するとなると…ねたむ人も多いのだ。
なので、平時は出来る限り蒸気自動車の速度に合わせているので、20~24時間程度の旅となる。
こうしたら、空の上でも陸の上でも、移動時間は変わらない…と、思わせることが出来るのだ。
ま、急いでいる時とかだと、自重なんてせずに最大戦速で飛んじゃうけどさ。
さて、昼飯前に俺たちは王城の横の練兵場に、ホワイト・オルター号を着陸させることが出来た。
朝一に王城と父さんに連絡を入れておいたので、ちゃんと出迎えの騎士さん達も並んでくれていた。
タラップが降りて、コルネちゃんとユリアちゃんが、その階段を踏みしめながら船を降りると、ちゃんと父さんが2人を待っててくれた。
「ただ今戻りました、お父様」
コルネちゃんが、侯爵家の息女として淑女として、それに相応しい見事なカーテシーを披露した。
そして、ユリアちゃんは、
「おとうさま、ただいまー!」
元気いっぱい、笑顔もいっぱいで、父さんに駆け寄った。
うん、問題なし!
「ご機嫌麗しゅう、アルテアン侯爵様…」
俺も妹達に負けじと、父さんにボウ・アンド・スクレープで紳士足りえる男であると主張してみたのだが…誰も見てくれてなかった…マイ・シスターズの可愛さに目を奪われてたよ…全員。
くそ! 別に良いけどさ…でも、ちょっと拗ねてやる! 俺はスネちゃまざんす!
冗談はさておき。
本日の上京の目的である、マーリア第5王女様への献上品の車と、ロールアウトしたばっかりの小型バギーを降ろしすために、カーゴルームのハッチを開ける。
カーゴルーム…すなわち船倉は、巨大な飛行船本体であり、荷物の積み下ろしはそのままだと難しい。
そもそも飛行船の船体とは、乗員の為のキャビンより」高い場所にあるのだから、それも当然だ。
なのでこのホワイト・オルター号の荷物の出し入れには2通りの方法が採用されている。
※ その1 スロープ式の搬入方式
船体の最後尾の下部が大きく開き、そこからスロープがガシャンガシャンと地面まで伸びるだけ。
ちょっとだけ角度があるので、重いものは運び込むのが大変なので、中央部にコンベアーの様な物が補助的についているのだ。
キャビンの多くのスペースは、この方式での搬入スペース用に割り振られている。
※ その2
クレーン方式。
これは船体の中央よりやや後側の両面の一部がパカッと翅の様に開いて、そこにカーゴルームからクレーンがせり出してくるというもの。
重量物の搬入に適して入るのだが、スペース的にはスロープ式の半分以下しかない。
これは最初にこの船を創造する時に、俺の考えが甘かった事による、設計ミスだ。
もちょっとスペースを確保しておくべきだった。
とは言っても、蒸気式のバスなら8台近く入れることが出来るのだから、十分といえば十分かな?
さて、そんなカーゴスペースではあるが、スロープから降ろすのは、注文を受けていた小型バギー。
マーリア第5王女様への献上品のひつじさん号は、キャビンからタラップを下した方のクレーンで下す。
何で別々に積み込んだのかって?
そりゃ、演出の為ですよ、え・ん・しゅ・つ。
こうした方が、特別感あるでしょ?
この練兵場自体は、王城の壁とかの陰になっていて、全景はお城からは見えないけど、バカでかいこの飛行船はてっぺんから中ほどまでの高さは丸見えなのよ。
だから、もしも王女様に見られたって大丈夫な様に、演出も必要なのだ。
特別な逸品を、あなたに…とか、どっかのCMにありそうでしょ?
ほらほら、集まってくれてる騎士さん達も、クレーンで下されるひつじさん号をみて、『おぉー!』と驚いている。
うむ、この演出は大成功でしょう!
0
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる