システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
869 / 1,466

必要だよな…

しおりを挟む
 モフリーナの恐怖の手引書で学習した嫁ーずであったが、夜の夫婦生活には、結局何の影響も無かった。

 そもそも、元は妊活の為の手引書であったはずなのに、そ中をちらっと覗き見しただけなのだが…恐ろしい内容だった。
 確かに前半は色々な妊娠に向けてのHow-to本らしき無い様インドの書物、ヴァーツヤーヤナ・カーマスートラで赤裸々に記されている様な88手とも100手以上とも言われる、恐ろしいまでの技の数々…どう見ても後半の方がページ多い…。
 そんな手引書を手に入れた嫁ーずは、当初の目的である妊活など完全に忘れ去られ、毎晩の様に手引書の技の数々を実戦するために、俺の寝室に全員で押しかけてくる有様だ。
 いや、君達ね…88手だとしても、5人全員になんて無理ですから!
 5人で割ったとしても、全部実践するとしたら15日もかかるから…俺の身体が持ちません!
 だから、どうか手引書の前半だけに集中してください。
 妊娠しやすい日は、それぞれ違うでしょ? え、そんな事はどうでもいい? せっかく手に入れた手引書だから、実戦あるのみ?
 それ…完全に本末転倒じゃね? ちょ、君達は5人だから一晩でも順番で休めるけど、俺は一人なんだよ!?
 え、ガンバレ? ………それだけ? アキラメロ? あ、そですか………。
 モフリーナさんよ、何とかしておくれ…このままだと、俺…死ぬ…。

 ところで、裏庭の塀に造られたダンジョンへの直通門なのだが、何故か毎日の様に嫁ーずはモフリーナに連絡を取って、一回は通っているそうである
 別にダンジョンでストレス発散しに行くためでは無い。
 何故なら、通ったらすぐに戻って来るから、ほんの一瞬だけ扉の向こうに行くだけという…はて、何をしてるのだろうか?
 などと俺は首をひねっていたのだが、ここで嫁ーずが恐ろしい門の使い方に気付いてしまった事が発覚したのだった!
 そう、この門は妊娠したら通る事が出来ない。
 つまり、通れるという事は、妊娠していないという事だ。
 なので、パンゲア大陸のモフリーナのダンジョンに行くために造られたこの門は、なんと妊娠検査薬以上に高性能な妊娠検査道具となってしまったのだ。
 嫁ーずは、毎日の様にこれを通る事によって、自分自身の妊娠を知る事が出来る…。
 いや、それなら妊娠検査の為の呪法具とか造るよ? この門って、君達が誰にも見咎められる事なく、ダンジョンでストレス発散できる様にするための物だよね? 使い方間違ってると思うんですけど!?
 何て俺が言ったところで、きっと誰も止めないだろう。
 毎日、妊娠の確認の為だけにモフリーナに連絡して開けさせるって、モフリーナに迷惑だろうが! 
 ダンジョン行かないなら、モフリーナに撤去させるよ? って言った瞬間の、あの嫁ーずの絶望した顔を見ると、そうも出来ない。
 何だろう…最近、色々と何か間違っている気がする…。

 さて、すっかり妊娠検査道具と成り下がった感のある、地獄門っぽいダンジョン直通門ではあるが、本来の目的であるダンジョンへ行くという目的にもたまに使われている。
 使用者は、主にコルネちゃんとユリアちゃん。
 モフリーナの話を聞くに、ダンジョンの壁とか天井は、通常の攻撃程度ではびくともしない。
 まあ、そうで無ければダンジョンのボスにあの黒竜とか置けないよな。
 黒竜が暴れてとんでもない攻撃をした所で、ダンジョン自体には傷1つ付かないそうなのだ。
 なので、どうやって手に入れたのか(多分、ユズカであろう)知らないのだが、ユリアちゃんのきつねさん号には変身した2人が乗り込み、マジモンの兵器…いや、武装を満載して遊びに行ってるらしい。
 人、それを完全武装と言う。
 そして返って来た時には、ミサイルとか全部使い切って帰って来ているって…君達も、何してんの? 
 モフリーナは色々と気を使ってダンジョンの構成とかモンスターの配置とかしてくれてるのに、完全に過剰戦力だよね? そうだよね!?
 ま、まあ、王城の騎士さんとかに向けてミサイル発射とかしないだけマシかな。

 ちなみに、メリルの妹であるマーリア第5王女様への献上品の車である、ひつじさん号は、色々とあったため走行テストも出来ておらずまだ王都に持って行っていないいので、ダンジョンでの運用は安全性のテストという面では間違ってはいない。
 ただ、コルネちゃんが玩具では無い本物の武武器類を満載してダンジョンで無双しているだけなのだ。
 うん、走行テストだは必要だよな。
 …でも、武装のテストしなくても良いと思うの、お兄ちゃんは…。
 
 こんな感じで、俺の日常は穏やかに流れて行くのであった。
 全然、穏やかじゃねーけどな!
 違うな…人生波乱万丈? 人生色々? 山あり谷あり? 
 そういや、俺の人生…谷ばっかりな気がして来た…。
 ん? もっち君、どうした?
 『 (=ω=.)』 何だ、その遠い目をした顔は…?
 もしかして、諦めろって事? 
 『(´・ω・`)))』
 そ、そうか…うん、何かありがとう…。      
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...