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大きなため息
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あの恐ろしい手引書事件から、モフリーナは我が家の嫁ーずから絶大なる信用を勝ち取ったらしい。
らしいというのは、俺はその話の輪に入ってないから、実は何も知らないのだ。
だって、そんな女だらけの保健体育の授業なんて、一緒に聞けるわけないだろ?
学校の授業だって、男女別々だったぐらいなんだ。
女しかいないあの場で、男一人で俺が聞けるわけない。
なので、俺は執務室でお仕事に勤しむことにしたのだ。
当然だけど、カーテンは開け放ち、照明の魔道具もONにして、ちゃんと室内は明るくしてます。
前世では薄暗い室内で小説とか読んでた成果、視力がどんどん落ちて行ってたから、今世では気を付けてます。
とはいえ、メガネをかけた人を見た事が無いので、この世界での人々って、近視とか老眼とかならないんだろうか?
地球の人々と比較しても、明らかに肉体的にも精神的にもこの世界の人々は強いから、もしかしたら目も全員良いのかもしれない。
まあ、実際にこの世界の人々や俺の目が良いからといって、それに甘えていてはダメだ! ちゃんと明るい場所でお仕事しなきゃな。
…あと、たまに遠くを見たりもしなきゃね…はあ、今日もネス湖が綺麗だ…。
そんなどうでもいい事を考えながら書類をせっせと処理していると、何やら廊下がガヤガヤと騒がしくなってきた。
やがてその騒ぎの元が執務室の前にやってくると、扉をノックする音が聞こえたので、入室を許可すると、まあ予想通りというか彼女達しかいないというか、入って来たのは嫁ーず&4人の妖精達。
何故か全員が妙に得意げな顔なのだが、何があった?
「トール様。モフリーナさんより、子作りの最重要極秘情報を入手しましたので、どうぞお楽しみになさってください」
マチルダが、妙に胸をはってそう宣言したのだが…一緒に入室してきた全員が、同じ様に自身に満ち溢れた表情をしている。
いや、最重要極秘情報って、一体何をもモフリーナは教えたんだ?
この世界の人族用の保健体育だよな? 単なる性教育だよな?
まさか、あの有名なフォーティーエイトの技術とかでは無いよな?
「夜が楽しみですねえ」
メリルさん、効率的な妊娠方法聞いたんですよね?
「待ち遠しいです」
だから、効率的な妊娠方法を聞いたんだよね、ミレーラ。待ち遠しいって、今夜じゃないよね?
「…ちょっと恥ずかしいかも…」
いや、散々他の嫁ーずとも一緒にナニしてたくせに、今更なの、ミレーラ。
「まさかあの様な形とは思いませんでした」
マチルダ、あのような形って、何の形なんだ?
「やりがいが有るな!」
やりがいって、なにをやるつもりなんだ、イネス?
『みなさん、頑張ってください!』
妖精族一同、何を応援してんだ? まさか、全員が妊娠したら自分たちの番だからとか考えてるのか?
女性陣一同の言葉から、モフリーナが一体何を…いや、ナニを教えたのが分からないが、背筋に冷たい汗が流れる俺であった。
地下室の一画にある部屋で、一日の仕事を終えたリリアとサラが居た。
いや、正確にはベッドの上で目を閉じて動かないリリアとサラが居た。
時折、呼吸の為に動く胸と、時折閉じたままで目を動かしているのか瞼がグニグニと奇妙に動いている以外は、また動く気配はなかった。
それもそのはずで、2人の意識は次元を越えた別の世界へと飛んでいたのである。
飛んだ先とは…。
いつもの様に、真っ白な空間に強制的に呼び出された2人。
『んで、何の用なんですか、局長』
突然呼び出されたサラが不機嫌そうに、光の巨人に不貞腐れつつ尋ねた。
『何ですかサラ、その態度は。まあ、気持ちは分からなくも有りませんが…』
サラの態度を窘めたリリアではあるが、表情が消えている事から、あまり機嫌が良くは無さそうだ。
『いや、すまんすまん。色々と準備が整ったんで、相談しようと思ってな』
そんな2人に、言葉の上だけでは謝罪している様ではあるが、何分ただの光の巨人にしか見えない管理局長であるので、本心は一切分からない。
『はあ…今日は疲れてるんすから、手早くおねがいします…サラちゃんは眠いんです』
相変わらず不貞腐れたまんまでさっさと話せというサラの言葉に、雰囲気的に苦笑いしている様な光の巨人、もとい管理局長。
『まあ、そうだろうな。では手短に話そう。例のドラゴンの人化が完了した。それで近いうちにそっちの世界に送り込むんで、どこか良い場所は無いか考えておいてくれ』
『いい場所とは、送り込む場所ですか? それとも襲わせる場所ですか?』
局長へと質問をするリリア。
『どっちもだよ。あと、いい作戦とかあればそれもね。運用は全部2人に任せるよ』
あっけらかんと、全てを2人に丸投げした局長は、もう話は終わったとばかりに、すうっと空間に溶け込み消えていった。
あとに残されたサラとリリアは、互いを見つめ、
『『はぁ~~~』』
と、盛大に大きなため息をつくのだった。
らしいというのは、俺はその話の輪に入ってないから、実は何も知らないのだ。
だって、そんな女だらけの保健体育の授業なんて、一緒に聞けるわけないだろ?
学校の授業だって、男女別々だったぐらいなんだ。
女しかいないあの場で、男一人で俺が聞けるわけない。
なので、俺は執務室でお仕事に勤しむことにしたのだ。
当然だけど、カーテンは開け放ち、照明の魔道具もONにして、ちゃんと室内は明るくしてます。
前世では薄暗い室内で小説とか読んでた成果、視力がどんどん落ちて行ってたから、今世では気を付けてます。
とはいえ、メガネをかけた人を見た事が無いので、この世界での人々って、近視とか老眼とかならないんだろうか?
地球の人々と比較しても、明らかに肉体的にも精神的にもこの世界の人々は強いから、もしかしたら目も全員良いのかもしれない。
まあ、実際にこの世界の人々や俺の目が良いからといって、それに甘えていてはダメだ! ちゃんと明るい場所でお仕事しなきゃな。
…あと、たまに遠くを見たりもしなきゃね…はあ、今日もネス湖が綺麗だ…。
そんなどうでもいい事を考えながら書類をせっせと処理していると、何やら廊下がガヤガヤと騒がしくなってきた。
やがてその騒ぎの元が執務室の前にやってくると、扉をノックする音が聞こえたので、入室を許可すると、まあ予想通りというか彼女達しかいないというか、入って来たのは嫁ーず&4人の妖精達。
何故か全員が妙に得意げな顔なのだが、何があった?
「トール様。モフリーナさんより、子作りの最重要極秘情報を入手しましたので、どうぞお楽しみになさってください」
マチルダが、妙に胸をはってそう宣言したのだが…一緒に入室してきた全員が、同じ様に自身に満ち溢れた表情をしている。
いや、最重要極秘情報って、一体何をもモフリーナは教えたんだ?
この世界の人族用の保健体育だよな? 単なる性教育だよな?
まさか、あの有名なフォーティーエイトの技術とかでは無いよな?
「夜が楽しみですねえ」
メリルさん、効率的な妊娠方法聞いたんですよね?
「待ち遠しいです」
だから、効率的な妊娠方法を聞いたんだよね、ミレーラ。待ち遠しいって、今夜じゃないよね?
「…ちょっと恥ずかしいかも…」
いや、散々他の嫁ーずとも一緒にナニしてたくせに、今更なの、ミレーラ。
「まさかあの様な形とは思いませんでした」
マチルダ、あのような形って、何の形なんだ?
「やりがいが有るな!」
やりがいって、なにをやるつもりなんだ、イネス?
『みなさん、頑張ってください!』
妖精族一同、何を応援してんだ? まさか、全員が妊娠したら自分たちの番だからとか考えてるのか?
女性陣一同の言葉から、モフリーナが一体何を…いや、ナニを教えたのが分からないが、背筋に冷たい汗が流れる俺であった。
地下室の一画にある部屋で、一日の仕事を終えたリリアとサラが居た。
いや、正確にはベッドの上で目を閉じて動かないリリアとサラが居た。
時折、呼吸の為に動く胸と、時折閉じたままで目を動かしているのか瞼がグニグニと奇妙に動いている以外は、また動く気配はなかった。
それもそのはずで、2人の意識は次元を越えた別の世界へと飛んでいたのである。
飛んだ先とは…。
いつもの様に、真っ白な空間に強制的に呼び出された2人。
『んで、何の用なんですか、局長』
突然呼び出されたサラが不機嫌そうに、光の巨人に不貞腐れつつ尋ねた。
『何ですかサラ、その態度は。まあ、気持ちは分からなくも有りませんが…』
サラの態度を窘めたリリアではあるが、表情が消えている事から、あまり機嫌が良くは無さそうだ。
『いや、すまんすまん。色々と準備が整ったんで、相談しようと思ってな』
そんな2人に、言葉の上だけでは謝罪している様ではあるが、何分ただの光の巨人にしか見えない管理局長であるので、本心は一切分からない。
『はあ…今日は疲れてるんすから、手早くおねがいします…サラちゃんは眠いんです』
相変わらず不貞腐れたまんまでさっさと話せというサラの言葉に、雰囲気的に苦笑いしている様な光の巨人、もとい管理局長。
『まあ、そうだろうな。では手短に話そう。例のドラゴンの人化が完了した。それで近いうちにそっちの世界に送り込むんで、どこか良い場所は無いか考えておいてくれ』
『いい場所とは、送り込む場所ですか? それとも襲わせる場所ですか?』
局長へと質問をするリリア。
『どっちもだよ。あと、いい作戦とかあればそれもね。運用は全部2人に任せるよ』
あっけらかんと、全てを2人に丸投げした局長は、もう話は終わったとばかりに、すうっと空間に溶け込み消えていった。
あとに残されたサラとリリアは、互いを見つめ、
『『はぁ~~~』』
と、盛大に大きなため息をつくのだった。
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