866 / 1,466
デザインは俺
しおりを挟む
「ごほん…話を戻しましょう。この門は、ダンジョンの一画とこの邸を直接繋ぐものであり、私にしか扉は開閉できません。ここまでは良ろしいですね?」
モフリーナが話を戻して、再確認の為に全員の顔を見まわしながら尋ねた。
もちろん、それは全員きちんと理解していた。
「そして、この門と扉を破壊したところで、私のダンジョンへと来る事は出来ません。この門と扉は単なる飾りとでもお考え下さい」
もちろん、これにも全員が頷く。
「この門と扉を通ると言う事は、私のダンジョン領域に入ったと言う事であり、自動的に門の先である私のダンジョンへと転送されると言う事も、ご了承ください」
まあ、そりゃそうだわな。
「そして、この門と扉を使って、私と…いえ、パンゲア大陸に愛人がいたとしても、トールヴァルド様との逢引に使う事が無い事も、皆様に宣言しておきます」
「オイ、コラマテ! んなことするか!」
何をいきなり言い出すんだ、ネコ耳姉ちゃんよ!
『一番大事な事です!』
俺の叫びに、全員が声を揃えて叫んだ…いや、大事かもしれませんけど、えっと…しませんよ、そんな事?
「大事な事なので、皆様に再度確認したまでです」
モフリーナのポーカーフェイスは崩れない。
「ただし、パンゲア大陸で問題が起きた時などに、我々ダンジョンマスターや分身たち、教王の3人が、トールヴァルド様にご相談のためこの門を使う事がありますが、それもご了承ください」
全員が頷く。
俺の意見って、多分何言っても聞いてくれないんだろうなあ。
「さて、それでは皆さんが疑問に感じている事でもあるでしょうが、この門と扉に関してですが…皆様がお使いになるウルスラグナと比較してあまりにも小さいと感じませんか?」
目の前にある扉は、塀の高さより少し小さい。
具体的には、人族の大人の男性の身長より頭一つ分ぐらい高いぐらい。
俺達の身長の倍はあるウルスラグナでは、当然だがそのままでは通り抜ける事は出来ない。
「しかし、ご安心ください。先ほどもご説明いたしましたが、この門も扉もあくまでも飾りです。足先でも扉を潜れば、同一個体であれば吸い込まれます。大きさも重さも関係ありません。ただ手を繋いだ程度では同一個体とは認識されませんので、その点はご安心ください」
ドラ〇もんのポケットみたいな感じだな。
嫁ーずもシスターズも、頭に?マークが何個も浮かんでいるが、まあそのうち体験してみたら分かるだろう。
「言葉では理解するのも難しいでしょう。受け入れ先の整備が完成次第、皆様をお招きいたしますので、その時に体験してみてください」
俺の考えてた事、モフリーナも言ったよ。
「実際にはウルスラグナ単体では持ち込みできません。搭乗者が私の許可を得ていた場合のみ、転送いたしますのでご注意くださいませ」
「ちょっといいかな?」
話の腰を折るようで悪いけど、ちょっと疑問があったので質問だ。
「はい、何でしょうか、トールヴァルド様」
「いや、実はな…母さんやユズカも将来ダンジョンに行きたいと言い出すと思うんだが…」
絶対に言うよな、あの2人だったら。
「ええ、そうでしょうね。無論ですが許可いたしますよ」
「まあ、そうだろうけど…今は、お腹に子供がいるんだよ」
俺の質問に、全員が『あっ!』と声をあげた。
「つまり、2人共妊娠しているわけなんだが、それって同一個体ってならないよな?」
1人じゃないさ…だって君のお腹には二人の愛の結晶が…とかユズキなら言いそうだよね。
「ええ、当然ですが、お腹の中のお子様は別個体として認識されますので、今は絶対に通らないでください。というか、取れない様にしております。ご出産されましたら、お子様をお抱きになって2人分で登録いたします。もちろん御母堂とユズカ様とお子様合わせて4人ですね。ご安心ください、後日でも追加登録は可能です」
そう言うと、嫁ーずが俄に騒がしくなったが、どうした?
「質問です!」
ビシッ! 手を上げたメリルへ、モフリーナが真面目な表情を崩さず、「何でしょうか?」と返す。
「もしも…もしもですよ? 妊娠している事に気付かずに扉を通ったらどうなるのでしょうか?」
あ、そうか…まさか母体だけ転送されて胎児が残され…怖! 想像しちまったよ!
「あ、それは大丈夫です。分り易く言いますと、妊娠していた場合は、そもそも転送出来なくしております。ですので堕胎の心配もございませんので、通れると言う事、すなわち妊娠していないと言う事です」
あ、そうなんだ…ほっとした。
「難しいお話しになりますが、この世界の女性の卵子の寿命は排卵後約12時間と言われておりまして、性交により射精された精子の寿命は約1日間と言われております。皆様が妊娠を望み願っている事は承知しておりますので、それに関しても色々とアドバイスできると思います」
え、何その保健体育の授業似た居な知識は!?
俺の知ってる地球での知識より、大幅に時間と言うか期間と言うか…短いんですけど!?
「この世界での出生率は非常に低いので、人工を増やしたいパンゲア大陸ではこういった知識に関しては広く流布しております。皆様にも後程、きちんと妊娠への手引書をお渡ししますので、参考になさってください」
も、モフリーナ、何言い出すんだ!
手引書だと!!?? っちゅうか、何でそんな知識持ってるんだよ!
『よろしくお願いいたします』
ああ、うん…奥様達、とっても喜んでるね…。
ここで俺が駄目とか言ったら、きっと…ブルブルブル…。
ところで、俺達の目の前にある木製の門と扉だけど、実はデザインは俺。
巨匠ロダンの地獄門を元に、人の彫刻は全てダンジョンも魔物にしてみた。
誰もデザインに関しては、誰にも何の感想も言って貰えなかったけど…。
デザインが最高! とか、誰か言ってくれないかなあ…さみしい…。
モフリーナが話を戻して、再確認の為に全員の顔を見まわしながら尋ねた。
もちろん、それは全員きちんと理解していた。
「そして、この門と扉を破壊したところで、私のダンジョンへと来る事は出来ません。この門と扉は単なる飾りとでもお考え下さい」
もちろん、これにも全員が頷く。
「この門と扉を通ると言う事は、私のダンジョン領域に入ったと言う事であり、自動的に門の先である私のダンジョンへと転送されると言う事も、ご了承ください」
まあ、そりゃそうだわな。
「そして、この門と扉を使って、私と…いえ、パンゲア大陸に愛人がいたとしても、トールヴァルド様との逢引に使う事が無い事も、皆様に宣言しておきます」
「オイ、コラマテ! んなことするか!」
何をいきなり言い出すんだ、ネコ耳姉ちゃんよ!
『一番大事な事です!』
俺の叫びに、全員が声を揃えて叫んだ…いや、大事かもしれませんけど、えっと…しませんよ、そんな事?
「大事な事なので、皆様に再度確認したまでです」
モフリーナのポーカーフェイスは崩れない。
「ただし、パンゲア大陸で問題が起きた時などに、我々ダンジョンマスターや分身たち、教王の3人が、トールヴァルド様にご相談のためこの門を使う事がありますが、それもご了承ください」
全員が頷く。
俺の意見って、多分何言っても聞いてくれないんだろうなあ。
「さて、それでは皆さんが疑問に感じている事でもあるでしょうが、この門と扉に関してですが…皆様がお使いになるウルスラグナと比較してあまりにも小さいと感じませんか?」
目の前にある扉は、塀の高さより少し小さい。
具体的には、人族の大人の男性の身長より頭一つ分ぐらい高いぐらい。
俺達の身長の倍はあるウルスラグナでは、当然だがそのままでは通り抜ける事は出来ない。
「しかし、ご安心ください。先ほどもご説明いたしましたが、この門も扉もあくまでも飾りです。足先でも扉を潜れば、同一個体であれば吸い込まれます。大きさも重さも関係ありません。ただ手を繋いだ程度では同一個体とは認識されませんので、その点はご安心ください」
ドラ〇もんのポケットみたいな感じだな。
嫁ーずもシスターズも、頭に?マークが何個も浮かんでいるが、まあそのうち体験してみたら分かるだろう。
「言葉では理解するのも難しいでしょう。受け入れ先の整備が完成次第、皆様をお招きいたしますので、その時に体験してみてください」
俺の考えてた事、モフリーナも言ったよ。
「実際にはウルスラグナ単体では持ち込みできません。搭乗者が私の許可を得ていた場合のみ、転送いたしますのでご注意くださいませ」
「ちょっといいかな?」
話の腰を折るようで悪いけど、ちょっと疑問があったので質問だ。
「はい、何でしょうか、トールヴァルド様」
「いや、実はな…母さんやユズカも将来ダンジョンに行きたいと言い出すと思うんだが…」
絶対に言うよな、あの2人だったら。
「ええ、そうでしょうね。無論ですが許可いたしますよ」
「まあ、そうだろうけど…今は、お腹に子供がいるんだよ」
俺の質問に、全員が『あっ!』と声をあげた。
「つまり、2人共妊娠しているわけなんだが、それって同一個体ってならないよな?」
1人じゃないさ…だって君のお腹には二人の愛の結晶が…とかユズキなら言いそうだよね。
「ええ、当然ですが、お腹の中のお子様は別個体として認識されますので、今は絶対に通らないでください。というか、取れない様にしております。ご出産されましたら、お子様をお抱きになって2人分で登録いたします。もちろん御母堂とユズカ様とお子様合わせて4人ですね。ご安心ください、後日でも追加登録は可能です」
そう言うと、嫁ーずが俄に騒がしくなったが、どうした?
「質問です!」
ビシッ! 手を上げたメリルへ、モフリーナが真面目な表情を崩さず、「何でしょうか?」と返す。
「もしも…もしもですよ? 妊娠している事に気付かずに扉を通ったらどうなるのでしょうか?」
あ、そうか…まさか母体だけ転送されて胎児が残され…怖! 想像しちまったよ!
「あ、それは大丈夫です。分り易く言いますと、妊娠していた場合は、そもそも転送出来なくしております。ですので堕胎の心配もございませんので、通れると言う事、すなわち妊娠していないと言う事です」
あ、そうなんだ…ほっとした。
「難しいお話しになりますが、この世界の女性の卵子の寿命は排卵後約12時間と言われておりまして、性交により射精された精子の寿命は約1日間と言われております。皆様が妊娠を望み願っている事は承知しておりますので、それに関しても色々とアドバイスできると思います」
え、何その保健体育の授業似た居な知識は!?
俺の知ってる地球での知識より、大幅に時間と言うか期間と言うか…短いんですけど!?
「この世界での出生率は非常に低いので、人工を増やしたいパンゲア大陸ではこういった知識に関しては広く流布しております。皆様にも後程、きちんと妊娠への手引書をお渡ししますので、参考になさってください」
も、モフリーナ、何言い出すんだ!
手引書だと!!?? っちゅうか、何でそんな知識持ってるんだよ!
『よろしくお願いいたします』
ああ、うん…奥様達、とっても喜んでるね…。
ここで俺が駄目とか言ったら、きっと…ブルブルブル…。
ところで、俺達の目の前にある木製の門と扉だけど、実はデザインは俺。
巨匠ロダンの地獄門を元に、人の彫刻は全てダンジョンも魔物にしてみた。
誰もデザインに関しては、誰にも何の感想も言って貰えなかったけど…。
デザインが最高! とか、誰か言ってくれないかなあ…さみしい…。
0
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる