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分かってましたとも
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薄暗い部屋から、俺は女性陣を引き連れて、まだ邸の影に入っていない陽の差す裏庭へと出た。
太陽の光が眩しい…。
裏庭に出た俺は、モフリーナと共に、女性陣を引き連れて、とある一画へと向かう。
そこは、屋敷の表…すなわち玄関や門のある街に面した場所の真裏に当たり、表を通る人々からは完全に死角となる場所であり、ネス湖に面した我が邸の塀の一画。
俺の邸はそもそも出島の様にネス湖に飛び出した形となっており、周囲に陽を遮る物などは一切無い。
その裏庭と言う事は、すなわち湖に最も飛び出している場所でもある。
だから、俺は日々の鍛錬をここで行っているわけで、ここでならイネスが薄着で剣を振っていても、誰にも見咎められる事もなく、トールヴァルド家としてはとても重宝している場所でもある。
まあ、ぽかぽか陽気のした、サラが良くさぼって昼寝している場所でもあるのだが…。
その裏庭のネス湖に面した塀の一画に、昨日まで無かった物がある。
それがモフリーナが造り出した、パンゲア大陸のモフリーナのダンジョン直通の扉である。
邸から見ると、単なるネス湖へと通ずる大きな扉。
ネス湖側から見ると、ただの塀。
そう、この扉は塀の中にだけあり、塀の外側は元の石塀のままなのだ。
一見すると大きな木製の両開きの扉にしか見えないこの扉ではあるが、実はある意味とてもハイテク仕様。
扉はモフリーナにしか開ける事が出来ないのだ。
とは言っても、開け閉めする度にモフリーナがここまでやって来るのは、とっても非効率。
なので、モフリーナに連絡をすると、遠隔操作で開閉してくれるのだ。
つまり、モフリーナがこの星の裏側から扉をリモコンで開け閉め出来るという、ビックリ仰天なハイテク仕様なのだ。
いや、ただの異世界ファンタジーだと侮るなかれ! あ、異世界ファンタジーで片付けた方が簡単だな。
だって、この扉の原理なんて知らないし、複雑な構造なんだろうけど、それも俺は知らないからな。
ま、扉の説明なんて俺には出来ないから、そういうもんだと思ってればいいか。
さて、その大きなダンジョンへの扉(俺、命名)を前にしたモフリーナは、付いて来た女性陣へと説明を始めた。
「皆様、この扉はパンゲア大陸にある、私のダンジョンの一画に繋がっております。まだ繋げただけですので、あちら側の受け入れ場所の整備が整っておりませんので、早急にもふりんに改築を命じておりますので、使用は明日までお待ちください」
女性陣はその言葉に嬉しそうに頷く。
「完成しましたら、すぐにご連絡をさせて頂きますので、どうか楽しみにお待ちください」
重役秘書っぽいスーツ姿のモフリーナがそう言って優雅に一礼すると、女性陣からは小さく拍手が聞こえた。
「さて、庫の扉ですが、先ほど申し上げましたように、私のダンジョンに直通となっております。ですので、皆様の様な高位な方々を招くうえで防犯対策も万全です。ただの木製の扉にしか見えないでしょうが、私が許可しない限り、この扉は何人にも開ける事は出来なくなっております」
ふむふむと、説明に聞き入る女性陣。
「万が一、扉が開いた時に皆様以外の方が扉を通ろうとしても、扉でその者は弾かれるます」
ほっほー! と、誰かが感心した様な声をあげた…って、イネスだな?
「また、扉を壊して侵入しようと企てる者も居るかもしれませんが、扉を壊したとしても、後ろにある塀に突き当たるだけです」
今歩は、へっ? って…あ、やっぱイネスだ。
「この扉は、正確には扉であって扉では無い…と言う事かしら?」
おっと、マチルダがなかなかに鋭い質問したぞ。
「仰る通りです。分り易く扉の形をしてはおりますが、実はこの扉を自体が転送陣となっておりましす。つまり、この扉と、扉のあるこの場所その物がすでにダンジョンであり、私の支配領域でもあるのです」
「モフリーナさん。つまりは、このトールヴァルド邸は貴女の支配下にあると言う事なのかしら?」
ちょっちメリルさんの目つきが鋭くなった様な気がする…怖い…。
「いえ、大恩あるトールヴァルド様のお邸にその様な事はいたしません。あくまでもこの屋敷の外…つまりは塀沿いに髪の毛程の領域を私のダンジョンから伸ばさせて頂き、この扉へと繋げているだけです。これ以上、敷地内へ伸ばすつもりはございません」
メリルの鋭い視線を浴びても淡々と説明する、凛として気品を保ったクールビューティーなネコ耳さん。
「そうなんですか…では、この扉は私達がダンジョンに行き来しやすいように造ってくれたんですね…」
ミルシェが感激してそう言ったのだが、
「ちょっと待ってくれ! それではモフリーナ殿は、その…こっそりトールヴァルド様と逢引できるという事にならないか?」
イネスの一言で、場が一瞬にしてざわついた。
しかし、モフリーナは、あくまでも冷静な表情を崩さずに言い切った。
「その様な事は一切ございません。何がしかの用向きがあれば、こちらにお伺いする事も有りましょうが、逢引のためなどには使用いたしませんし、そもそも逢引などいたしません」
うん、そうきっぱり言い切られても、何か悲しい物があるんだな…俺的には…。
「ふむ…では、トール様の貞操を狙ったりはしてないのだな?」
イネスよ、それは表現的にどうなの? 君は一体、俺の事をどう思ってるのかな?
「はい、御座いません」
モフリーナーーー! きっぱり言い切るなーーーー! ちょっとは考えろよ! 躊躇えよ!
「もちろん、好意はございますよ? ですが私はダンジョンマスターです。そして、トールヴァルド様は、私にとってもダンジョンにとっても恩人であり、終生お仕えするの値する御方であると言う事以上の感情は、一切ございません」
うん、その答えがこの場では最適である事は認めよう。
言ってる事も間違っては無いだろうし、本心なんだろう。
ボーディとかモフレンダの事もあるし、正しい事を言ってるのは分かる。
きちんと理解はしているよ? でもさ…せめてもうちょこっとぐらいは気のある素振りとか、脈がありそうな素振りとかあってもいいんじゃないかな? いや、浮気したいとか思ってる分けじゃないけど、何て言うか…ねぇ?
「一切、男女の関係になりたいなどと言う事はございませんので、どうかご安心ください」
うん、そうだよね…分かってましたとも、モフリーナさん…。
太陽の光が眩しい…。
裏庭に出た俺は、モフリーナと共に、女性陣を引き連れて、とある一画へと向かう。
そこは、屋敷の表…すなわち玄関や門のある街に面した場所の真裏に当たり、表を通る人々からは完全に死角となる場所であり、ネス湖に面した我が邸の塀の一画。
俺の邸はそもそも出島の様にネス湖に飛び出した形となっており、周囲に陽を遮る物などは一切無い。
その裏庭と言う事は、すなわち湖に最も飛び出している場所でもある。
だから、俺は日々の鍛錬をここで行っているわけで、ここでならイネスが薄着で剣を振っていても、誰にも見咎められる事もなく、トールヴァルド家としてはとても重宝している場所でもある。
まあ、ぽかぽか陽気のした、サラが良くさぼって昼寝している場所でもあるのだが…。
その裏庭のネス湖に面した塀の一画に、昨日まで無かった物がある。
それがモフリーナが造り出した、パンゲア大陸のモフリーナのダンジョン直通の扉である。
邸から見ると、単なるネス湖へと通ずる大きな扉。
ネス湖側から見ると、ただの塀。
そう、この扉は塀の中にだけあり、塀の外側は元の石塀のままなのだ。
一見すると大きな木製の両開きの扉にしか見えないこの扉ではあるが、実はある意味とてもハイテク仕様。
扉はモフリーナにしか開ける事が出来ないのだ。
とは言っても、開け閉めする度にモフリーナがここまでやって来るのは、とっても非効率。
なので、モフリーナに連絡をすると、遠隔操作で開閉してくれるのだ。
つまり、モフリーナがこの星の裏側から扉をリモコンで開け閉め出来るという、ビックリ仰天なハイテク仕様なのだ。
いや、ただの異世界ファンタジーだと侮るなかれ! あ、異世界ファンタジーで片付けた方が簡単だな。
だって、この扉の原理なんて知らないし、複雑な構造なんだろうけど、それも俺は知らないからな。
ま、扉の説明なんて俺には出来ないから、そういうもんだと思ってればいいか。
さて、その大きなダンジョンへの扉(俺、命名)を前にしたモフリーナは、付いて来た女性陣へと説明を始めた。
「皆様、この扉はパンゲア大陸にある、私のダンジョンの一画に繋がっております。まだ繋げただけですので、あちら側の受け入れ場所の整備が整っておりませんので、早急にもふりんに改築を命じておりますので、使用は明日までお待ちください」
女性陣はその言葉に嬉しそうに頷く。
「完成しましたら、すぐにご連絡をさせて頂きますので、どうか楽しみにお待ちください」
重役秘書っぽいスーツ姿のモフリーナがそう言って優雅に一礼すると、女性陣からは小さく拍手が聞こえた。
「さて、庫の扉ですが、先ほど申し上げましたように、私のダンジョンに直通となっております。ですので、皆様の様な高位な方々を招くうえで防犯対策も万全です。ただの木製の扉にしか見えないでしょうが、私が許可しない限り、この扉は何人にも開ける事は出来なくなっております」
ふむふむと、説明に聞き入る女性陣。
「万が一、扉が開いた時に皆様以外の方が扉を通ろうとしても、扉でその者は弾かれるます」
ほっほー! と、誰かが感心した様な声をあげた…って、イネスだな?
「また、扉を壊して侵入しようと企てる者も居るかもしれませんが、扉を壊したとしても、後ろにある塀に突き当たるだけです」
今歩は、へっ? って…あ、やっぱイネスだ。
「この扉は、正確には扉であって扉では無い…と言う事かしら?」
おっと、マチルダがなかなかに鋭い質問したぞ。
「仰る通りです。分り易く扉の形をしてはおりますが、実はこの扉を自体が転送陣となっておりましす。つまり、この扉と、扉のあるこの場所その物がすでにダンジョンであり、私の支配領域でもあるのです」
「モフリーナさん。つまりは、このトールヴァルド邸は貴女の支配下にあると言う事なのかしら?」
ちょっちメリルさんの目つきが鋭くなった様な気がする…怖い…。
「いえ、大恩あるトールヴァルド様のお邸にその様な事はいたしません。あくまでもこの屋敷の外…つまりは塀沿いに髪の毛程の領域を私のダンジョンから伸ばさせて頂き、この扉へと繋げているだけです。これ以上、敷地内へ伸ばすつもりはございません」
メリルの鋭い視線を浴びても淡々と説明する、凛として気品を保ったクールビューティーなネコ耳さん。
「そうなんですか…では、この扉は私達がダンジョンに行き来しやすいように造ってくれたんですね…」
ミルシェが感激してそう言ったのだが、
「ちょっと待ってくれ! それではモフリーナ殿は、その…こっそりトールヴァルド様と逢引できるという事にならないか?」
イネスの一言で、場が一瞬にしてざわついた。
しかし、モフリーナは、あくまでも冷静な表情を崩さずに言い切った。
「その様な事は一切ございません。何がしかの用向きがあれば、こちらにお伺いする事も有りましょうが、逢引のためなどには使用いたしませんし、そもそも逢引などいたしません」
うん、そうきっぱり言い切られても、何か悲しい物があるんだな…俺的には…。
「ふむ…では、トール様の貞操を狙ったりはしてないのだな?」
イネスよ、それは表現的にどうなの? 君は一体、俺の事をどう思ってるのかな?
「はい、御座いません」
モフリーナーーー! きっぱり言い切るなーーーー! ちょっとは考えろよ! 躊躇えよ!
「もちろん、好意はございますよ? ですが私はダンジョンマスターです。そして、トールヴァルド様は、私にとってもダンジョンにとっても恩人であり、終生お仕えするの値する御方であると言う事以上の感情は、一切ございません」
うん、その答えがこの場では最適である事は認めよう。
言ってる事も間違っては無いだろうし、本心なんだろう。
ボーディとかモフレンダの事もあるし、正しい事を言ってるのは分かる。
きちんと理解はしているよ? でもさ…せめてもうちょこっとぐらいは気のある素振りとか、脈がありそうな素振りとかあってもいいんじゃないかな? いや、浮気したいとか思ってる分けじゃないけど、何て言うか…ねぇ?
「一切、男女の関係になりたいなどと言う事はございませんので、どうかご安心ください」
うん、そうだよね…分かってましたとも、モフリーナさん…。
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