システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
864 / 1,466

ご覧に入れよう!

しおりを挟む
「え~、改めて紹介するまでも無いが、こちらは第9番ダンジョンのダンジョンマスターであるモフリーナさんです。今回は、この問題の解決の為に協力していただく事となりました」
 そもそも、嫁ーずやシスターズが大暴れしていたのは、このモフリーナのダンジョンなんだから、解決方法なんて簡単な事なんだ。
 モフリーナに俺が抱えた悩みを相談したところ、瞬時にその対策を考えてくれたのだ。
 あ、いや…解決策を実行してくれたと言うのが正しいな。
「トール様、どの様な解決方法なんでしょうか?」
 おっと、今まで黙って話を聞いていたマチルダが質問してきたぞ。
「うむ…では、モフリーナさんに説明して頂きましょう。で、どうぞ」
 俺が座るソファーの横に立ったモフリーナが、全員を見回した後、それを話し始めた。
「挨拶だけでなく、自己紹介すらしてないのですけれど…まあ、それは良いですけど…。えっと、トールヴァルド様が抱えている問題とは、皆様が私のダンジョンに来てくださる時に、多くの方々にその姿を見られてしまうという事だとお聞きしました。これは正しいでしょうか?」
 モフリーナの言葉に頷く一同。
「はい、有難うございます。で、あればです。この問題はとても簡単に解決します。その為の許可も、トールヴァルド様から頂いておりますし、ボーディ、モフレンダからも許可と協力の約束を頂いております」
 そこまでモフリーナが話すと、勘の良いマチルダは何かに気付いた様だ。
「っと、言う事は…もしかして?」
「マチルダ様は、どうやら対策に関してお気づきの様ですね。もったいぶる様な事でもありませんので、簡潔にご説明させて頂きますと、このお邸とパンゲア大陸にあるダンジョンを繋ぎます」
 マチルダは、やっぱり! と言う顔をしているが、その他の面々はちょっと驚いている様だ。
「つまり、このお屋敷の裏にある塀の一部に、私が管理しているパンゲア大陸のダンジョンを繋ぐ扉を造るのです」
 うん、これで誰にも見られずに我が家の誰もがダンジョンで遊べ…暴れ…え~っと挑戦…そう、挑戦する事が出来るって事なのだ。!
 モフリーナの対策案を聞いた一同は、「おおーーー!」っと声をあげ、拍手でモフリーナを讃えた。

 元々、パンゲア大陸は、俺が創りだしてモフリーナが全土を支配下に置いていた。
 先の戦争で知己の中となったボーディとモフレンダというダンジョンマスターの窮地を救うべく、大陸を3人で分割支配する事となり、現在のパンゲア大陸では、表面上は均等に3分割して3人の王が支配している様に見せかけている。
 見せかけているというのは、あの大陸に住む人々へ3人の王達の仲が良好であるというアピールの為でもある。
 実際に仲は良いのだから、まあ嘘を吐いている訳では無い。
 しかし、ダンジョン領域と言う面で見れば結構違いがある。
 大陸の地上の大半はモフレンダが支配しているし、地下の大部分はボーディの支配下だ。
 そして大陸に100基存在する塔は、そのほとんどがモフリーナの支配下にある。
 まあ、それぞれの支配領域だとは言っても、他のダンジョンマスターが支配下に置いる部分もあったりして、結構複雑な支配領域を形成しているので、それぞれのダンジョン領域を地図上で色分けしたら、マーブル模様になるらしいけど。
 支配領域がそんな形になったのは、3人のダンジョンマスターの得意とするダンジョン型による物らしい。
 ま、誰が何処をどんな風に支配しようと俺は構わない。
 喧嘩したりしなければ、俺はノータッチなのだ。
 俺達が住むこの大陸と、この星の真裏に存在するパンゲア大陸。
 実は前にも説明した事があるのだが、この大陸でそれぞれが新たに造り出した(モフリーナは自分のダンジョン塔を改築)ダンジョン内にある、トラップ的な物で冒険者たちは知らず知らずのうちに、パンゲア大陸へと日々送り込まれている。
 もちろん、一方通行などでは無く、ちゃんと向こうからもトラップ的なポイントを通り、戻って来る事が出来る。
 何でそんな事になっているかと言うと、一般的に粗野で少々乱暴な冒険者とパンゲア大陸の住民の接触を無くすため。
 パンゲア大陸の住民達は、決してダンジョン領域に入る事は無い…と言うか、出来ない。
 対して俺達の住む大陸から転送された冒険者たちは、それぞれのダンジョンから出る事は絶対に出来ない。
 これにより、住民と冒険者が接触する事も無く、平穏な生活をパンゲア大陸の住民達は享受されているのだ。
 3人のダンジョンマスター達にとっても、この大陸にちまちまとダンジョンを造り出すより、広大な土地がある大陸で好き勝手にダンジョンを造った方が楽だし、やりがいもあるってもんだ。
 しかも、ダンジョンマスターの心臓とも言うべきダンジョンコアも、この大陸のモフレンダとボーディのダンジョンの最奥にあって、冒険者たちが必死に攻略しようとしているパンゲア大陸のダンジョンには存在しない。
 この2人のダンジョンでは、それぞれのダンジョンの中に入ればパンゲア大陸へ転送され、パンゲア大陸からはそれぞれのダンジョンのい入り口に転送されるのだから、いくら冒険者が頑張った所でダンジョンコアにたどり着く事は不可能なのだ。
 ちょっとズルしてるみたいだけど、ダンジョンマスターの安全の為でもあるし、ダンジョン作成のルール上では問題ないらしい。
 モフリーナのダンジョンは、ちょっと特殊なのだが、そもそも誰も攻略出来て無いのだから、それも問題なし。

 そんなモフリーナからの、ダンジョンマスターの権限である支配領域化での人や物の移動。
 それを使用して、邸とパンゲア大陸のダンジョンを繋いでくれると言うのだ。
 これを喜ばない乱暴も…暴れんぼ…ゴホンッ! 力と時間を持て余した女性陣ではない。
 全員がモフリーナの提案に拍手喝采している事からも、それは十分に分かるだろう。

「では、諸君! その肝心要のパンゲア大陸のダンジョンと我が邸を繋ぐ扉をご覧に入れよう!」
 そう言った瞬間、女性陣の視線が一斉に俺へと向けられた。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...