システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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全員グルなのかよ!

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「では、皆さん。しっかりと励みなさい」
 そう女性陣に告げた母さんに、またもや俺と母さんとユリアちゃん以外の全員が一斉に立ち上がり、バッ! と音がするぐらいの勢いで頭を下げたが…マジでここは軍隊ですか? 母さんってば隊長さんとかですか?
「トールちゃんも、しっかり励むのですよ。色々と…そう、色々とね」
 意味ありげに微笑んで母さんが俺にそう言ったが…つまりは子作りしろって事だよね? 
 どうせ俺の使命は子種製造工場だよ…クソッ!
 嫁ーずや妖精達に見送られて、ユリアちゃんをそっと抱き上げたコルネちゃんを従え、母さんは自室へと戻って行った。

 え…と…居間、この状態で戻るの?
 この場に俺を置いて。
 完全に猛獣の檻に入れられたウサギ状態だよね、俺…。
 ほら、嫁ーずの目が、完全に肉食獣が獲物を狙う目になってるんですけど。
「では、参りましょうか、トール様」
 メリルがにこやかに微笑みながら俺の手を取ったけど、どこに参るんでしょうか…怖いんですけど。
 残る嫁ーずも、何も言わずに立ち上がった。
「ええ、マスターには日夜励んでもらわないといけません。私達の為にも」
 そう言って微笑むナディアも、天鬼族3人娘とともに、すっと立ち上がり…オイマテ、コラ!
 俺の周りに薄く輝くこの結界は何だ? 何の冗談だ?
「「「マスター! 敵襲に備えて結界を張りました!」」」
 アーデ、アーム、アーフェン! この屋敷の中で敵襲なんてあるかよ!
「まぁまぁ、トール様が誰かに襲われない様に結界を? さすが妖精の皆さんですわね」
 マチルダ、ちょい待て! これは俺が襲われない様にだよな? 
 でも俺を襲うのは、嫁ーずじゃないのか? だよな? だよなー!?
「では皆さん。トール様が逃げない…もとい、敵に襲われない様に警戒しながら、寝室へと向かいましょうか」
「今、逃げない様にって言いかけたよな、言いかけたよな、メリル!」
「気のせいですよ、トール様」
 そんな俺の絶叫に答えたのはミルシェだが、絶対に気のせいじゃない!
「…廊下に敵は居ません…」
 いや、敵なんて居ないよ! 今まで邸の中に敵なんて居た事ないだろう、ミレーラ!
「了解!では連こ…いえ、トール様をお連れしましょう」
 ミルシェよ、今確かに連行って言ったよね?
「うむ、殿は任せてくれ!」
 いや、イネスも何で張り切ってるのさ!
「例のブツは今夜は封印しましょう。魔族さんのお話しでは、意識がある方が結果的に命中率も高いようですし…」
 マチルダ、ブツブツ呟いてる様に見えて、全部聞こえてるからな! ブツって、例の薬だろうが!
「マスター、シーツは昼間に交換してありますので、ご存分に」
 ナディア、何をご存分なの?
「「「マスター、命中を祈ります」」」
 いや、アーデ、アーム、アーフェンよ。そこは健闘を祈るの間違いじゃないかなぁ…いや、それもどうかと思うけど。
「ええ、ありがとう皆さん。今夜は誰か命中しそうな予感がしますわ」
 何で良い笑顔で答えてんだよ、メリル!
 俺に掛けられた言葉だよな? いや、内容はアレだけど、何でメリルが答えてんだよ!

『大河さん、もう諦めてハーレムライフでも楽しんでください。何なら、最中の大河さんの脳内に昨晩のエロシーン詰め合わせと奥様方の音声も流しっぱなしにしますけど?』
 絶対にやめろよ、サラ!
『それはフリですか?』
 違うからね、リリアさん!
『では、初夜から昨晩までのエロ画像セットを後でお届けしましょう』
 だーかーらー! フリじゃないって言ってんだろうが、リリアさん!
『リリア、普通に流すだけじゃつまらないので、走馬灯の様にダイジェスト版を流すとしましょう』
 お、お前ら、絶対に止めろよ! マジだからな!
『R18の映像のみを無修正でですね? おっけー!』
 馬鹿、マジで止めてくれ! 俺だって健全な青少年なんだぞ! R18無修正は駄目だ!
『貴方様、すでにR18的な事はしてるじゃないですか。今更ですよ?』
 それでもだーーー!
『だったら、コルネリア様の幼少期から現在に至るまでの『おにいちゃん』って言ってる場面の総集編を…』
 それも駄目だ―…あ?
 それは別の機会に頂けないでしょうか…出来れば永久保存版で。
『『このロリシスコンが!』』
 何とでも言え! 
『はあ…注文の多い人ですね。ではサラ、R18無修正は駄目そうなので、超薄モザイクで行きましょう』
『了解!』
 あ、コラ! それはそれでヤバイ! 

『大河さん、目を閉じてても大丈夫です。瞼の裏にガッツリ映像は流れますかね?』
 目を開けたら嫁ーず、目を閉じても嫁ーずの映像?
 そりゃ、俺に死ねって言ってるのと一緒だーーーー!
『大丈夫大丈夫。まだ死にませんよ。だって貴方様の魂のエネルギーはすでに無限に近い量がありますし』
『奥様方の耳に例の薬の話がそれとなく伝わる様に裏工作した甲斐がありましたよ、ふ~~』
 お、お前か! サラが教えたのかー!
『ちなみにディナーの貴方様のスープに睡眠導入剤を混入したのは、ナディアさんです』
 グルかよ! 全員グルなのかよ!
『『諦めて搾り取られてください』』
 
 脳内でそんな会話をサラとリリアさんと交わしている内に、俺は寝室の前まで連行されていた。
 こ、今夜もなの? マジなの? 
 何で全員がにこにこしてるの? 
 ねえ、ナディア達、何で俺の後ろでにこやかに手を振ってるの?
 ねえ、誰か答えてよ! 助けてよ! ねぇ、ねぇってば!
「誰か助けてくれーーーーーーーーーーーー!」

 俺の心からの叫びは、カチャリ…と小さな音を立てて開く寝室の扉の中へと消えて行った…。
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