システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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ある…

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「ちょっと何言ってるか分からないです」
「なんで何言ってるか分からないんじゃ!」
 おお、ボーディ、ナイス突っ込み!
「いやぁ~、真実の神の国って、何ぞ? それなら嘘? 虚構? 神の国もあるって事なのか?」
 真実の神の国なんて、全然意味が分からないんだけど。
 ってか、モフリーナもモフレンダももふりんもカジマギーも、それに3人の教王も、何で誰も何も言わないんだろう。
 もしかして、これって常識なの?
 そんな俺の疑問を敏感に感じ取ったのか、今まで沈黙を守って来たモフリーナが重い口を開いた。
「真実の神の国とは、つまりは『本当に悟りを開き、輪廻転生の輪から解脱した者達の暮らす国』ですね。そこを管理しているのが解放魂魄統轄庁です。対して輪廻転生管理局とは、死した者の魂を表面上は洗浄したかのように見せかけ、リサイクルをしているだけの所です」
 うん、全くわかりません。
「純粋な魂のエネルギーの状態にするためには、肉体から魂を離脱させなければなりません。一般的には死という状態になる事ですね。ですが、その様な状態になるには、どうすれば良いと思いますか?」
 にゅ? これは俺に答えろって事なのかな、モフリーナさん。
「ん~~~っと、寿命とか怪我とか病気…あと、自殺もかな?」
「え、仰る通りですね。ですが、それらでは解脱は出来ません。なので、私達の属する解放魂魄統轄庁の下部組織である、輪廻転生管理局によって、その魂はリサイクルされます」
 ほう…?
「しかし、肉体から離脱した魂の中のほんのごく一部…統計的には、約百兆分の1の魂は、真に悟りを開き解脱に到ります」
「百兆!?」
 こりはびっくり!
「あれ? って事は、ブッダとかはその百兆分の1だったって事?」
 俺が知ってる悟りを開いた有名人て、お釈迦さまぐらいしか知らないけど。
「うむ、あ奴もその1人ではあるな」
 それに答えてくれたのはボーディ。
「…教義によって…道と規定は異なる…」
 モフレンダが説明を付けたしてくれた。 
「ええ、そうですね。2人の説明の様に、地球のインド仏教では瞿曇悉達多が解脱し教祖となっていますね」
「くどんしっだった?」
 モフリーナが言った言葉が理解できないぞ?
「瞿曇悉達多とは釈迦…つまりブッダと言われる者の名前です。もちろん、先程のモフレンダの説明の様に、解脱に到る者達は、それぞれが信仰する教義によって規定や規範が異なりますが、それなりの数はおりますよ」
 えっと…お釈迦様みたいな人が他にもいたって事なのか…な。

「と、まあ…詳しく説明するととても難解で長ったらしくなりますが、要は正しい方法で輪廻転生の輪から離脱した者が、悟りを開いた者…つまり解脱した者となるのです」
 結局、説明してくれた事柄の半分も理解出来無かったけど、それはこの際おいといて、
「んで、それが管理局とどう関係すんの?」
 俺がそう問いかけると、難しい顔をしてボーディが語り始めた。
「輪廻転生管理局とはのぉ…今までのモフリーナの説明でも何となく理解出来たじゃろうが、解放魂魄統轄庁が管理している部署なのじゃ」
「What?!」
「あ奴らは、基本的に全ての魂を管理しておってな、その中で特別な魂を妾達が拾い上げておる。じゃが、あ奴らは最近少々暴走気味でのぉ…魂のエネルギーの分割じゃとか、変質じゃとかの研究をしておるのじゃ」
 何やら苦い顔をしている、ダンジョンマスター3人。
「分割はまだ良いのじゃ。いや、良くも無いが、新たなる生を増やすという事と秤にかければ、容認せざるを得ない事じゃな。しかし、変質や変容させるのは許されん事なのじゃ」
 ボーディはもの凄く悔しそうな顔をしてるけど…そんなに駄目なのかな?
「駄目じゃ!」
 …声に出てたみたいだ。
「証拠は何も無い。じゃが、最近の動向を見ておるとな…どうも、輪廻転生管理システムの部品に変質させておる様なのじゃ」
 ……あれ? それって、もしかして…。
「お主、前世の記憶を引き継ぎ、あの管理局長に転生させられたのじゃろ? 何か思い当たる事や言われた事は無いかや?」
 目を窄めて俺を見つめるボーディ。
 いや、この場の全員が、俺の次の言葉を息を止めて待ってる様だ。
 ここで俺が話さなかったら、みんないつ呼吸をするのか見てみたい気もするが…。
「ある…。思い当たる事がある」
 そんな鬼畜な事は出来ず、俺はあの時の管理局長の言葉を思い出しながら、そうぽつりと呟いた。
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